教育プログラム

国費学部進学留学生予備教育プログラム(1年コース)

国費学部進学留学生予備教育プログラム(1年コース)とは

日本の国立大学に入学予定の国費留学生に、1年間の集中予備教育をおこなっています。このコースの目標は、日本の大学での勉学に必須である十分な日本語力を身につけること、また、それぞれの専攻に応じて、人文社会あるいは自然科学の基礎的な学力をつけることです。
毎年、世界各国から集まった約50名の留学生がこのコースで日本語をはじめ文系・理系の基礎科目を学んでいます。
来日前に日本語の学習経験がまったくなかった学生たちも、1年後には小論文やスピーチなどの表現力を身につけてコースを修了し、各地の国立大学へ進学していきます。

国費学部進学留学生制度の特徴

国費外国人留学生とは、日本の国費によって日本の大学等において学習、研究を行う留学生です。大学の学部に学生として在学するもの及びこれに先立つ日本語教育を受ける者を「国費学部留学生」とし、その留学期間を1年の日本語教育期間を含め5年間(医学または歯学を履修する者にあっては7年以内)と定めています。応募の段階で、留学開始年度の4月1日現在で満17歳以上22歳以下、「学校教育における12年間の課程」または「高等学校に対応する学校の課程」の修了者で、心身ともに健康な者となっています。最大の特徴は、留学の必要条件である日本語能力を前提としないことで、日本語を学習し、かつ、日本語で大学教育を受けようとする強い意志のある者を対象としていることです。
当センターでは、予備教育課程にある国費学部留学生を「国費学部進学留学生」と呼び、来日初年度の1年間の集中日本語教育を行うことを主な目的としています。

1年コースの特徴

1年コースの教育目標は、国費留学生が日本の大学での勉学に必要となる日本語能力を十分に習得すること、また、それぞれの専攻に応じて、人文社会あるいは自然科学の基礎的な学力をつけることになっています。そのために、日常生活で必要な日本語能力を身につけることはもちろんのこと、学部進学後に必須となるアカデミックスキルの獲得が期待されています。具体的には教科書や専門書が読める読解力、レポートや論文が書ける作文力、また、学生との会話のみならず、授業中の講義や学生の発表が理解できる聴解力、そして、授業中に自らが質疑応答でき、研究の成果などを発表できる口頭表現力を伸ばすことに力を注いでいます。
1年コースは、3学期制をとっています。
教育内容は以下の通りです。

科 目 内 容
日本語 JLC TUFS開発の『初級日本語』『中級日本語』『上級日本語』を使用し、集中的な日本語教育をおこなっています。 (→教材
基礎科目 学生は各自の選考により文系、理系に分かれ、
それぞれの分野に必要な基礎科目を学びます。(→教材
【文系】
文系数学 日本史 政経 日本事情
【理系】
理系数学 化学 物理 生物
共通科目 多文化コミュニケーション
その他 英語力の不足する学生には英語の授業があります

1年コースの日本語教育の特徴

各学期における日本語教育のカリキュラムは、以下のような「JLC日本語スタンダーズ」を参照して作成されています。

JLC日本語スタンダーズ

「読む」のゴール:「専門書が読める」「資料が読める」

  初級前半 初級後半



  • 設問・指示が読める
  • 教科書が100%わかる
  • 同レベルの教科書以外の文が80%わかる
  • 必要情報・重要情報が取れる
  • キーセンテンスがわかる
  • 指示を表す文が読める


  • 文節の区切りがわかる
  • 未習語、文法を類推しながら読める
  • 固有名詞であることがわかる
  • 手書き文字が読める
  • 簡単な表が読める
  • 文中から4W1Hが読みとれる・単語の並列関係が読みとれる
  • 接続詞や副詞の表す意味がわかる
  • 事実と意見の区別ができる
  • 指示文が読める
  • 文中から理由が読みとれる
  • 文中の修飾関係が正しく読みとれる
  • 表が読める
  中級前半 中級後半



  • 大意が取れる
  • 文章の中で、図、表の表すものがわかる
  • 多読できる
  • 速読できる
  • 論理を展開しながら読める


  • 文章の論理がわかる
  • 辞書を使って読める
  • 段落を考えて読める
  • 例と主張の区別がわかる
  • 指示語のさすものがわかる
 

「書く」のゴール:「レポートが書ける」「小論文が書ける」「研究計画が書ける」

  初級前半 初級後半



  • 日本語の文を書くことに慣れる
  • 日常的な内容の文章が書ける
  • 説明文、事実文が書ける
  • 簡潔な連絡文が書ける


  • 短文が書ける・質問に答えて書ける
  • 名前、国名が書ける
  • 板書などが書き写せる
  • 手書き文字が読める
  • キーワードが書ける
  • 質問票に書き込める
  • 段落が作れる・仕組み、経過、説明の文章が書ける
  • 事実の描写ができる・意思表示ができる・キーセンテンスが書き抜ける
  • キーセンテンスの要約ができる
  中級前半 中級後半



  • よく知っていることの説明が書ける
  • システム、仕組みが書ける
  • 要約ができる・説明文が書ける
  • レジュメが書ける
  • 小論文、レポートが書ける
  • 意見文が書ける
  • 論説文が書ける


  • 文章のアウトラインが書ける
  • 段落ごとに書ける
  • 主張と例が書ける
  • 意見と事実を分けて書ける
  • 構成を考えて書ける
  • 理由が説明できる
  • 時間の経過を追って説明できる
  • 対比させて書ける・反論が書ける・段落の要旨が書ける
  • 導入とまとめが書ける
  • 段落構成を考えて書ける
  • 論理構成を考えて書ける
  • 引用ができる
  • 文末表現の適切な使用ができる
  • 講義を聴いて、ノートが取れる
  • まとまった文章の要旨が書ける

「聞く(独話)」のゴール:「講義・口頭発表が聞いてわかる」

  初級前半 初級後半



  • 教師の言っていることを理解し指示に従って行動できる
  • 日常的な内容をゆっくりはっきり言えばわかる
  • 授業の内容に関する説明、行事、日程、手続きについての説明がわかる


  • 音の聞き分けができる
  • 質問の意味がわかる
  • 指示を聞いて反応できる
  • Y/N質問に答えられる
  • 簡単な説明が聞き取れる
  • 事実と意見の区別がわかる
  • パニックにならずに未習語を聞き流せる
  • テーマがわかる
  • 必要な情報を選んで聞き取れる
  中級前半 中級後半



  • 講義、スピーチのテーマがわかる
  • ディベートのテーマがわかる
  • 発言の意図(断り、謝罪など)がわかる
  • 講義などがメモを取りながら聞ける
  • よく知っている内容の講義がわかる
  • 日常的な内容のディベート、ディスカッションの流れがわかる
  • やさしい時事解説がわかる
  • ノートを取りながら聞ける


  • 例がわかる
  • 冗談がわかる
  • 大意が取れる
  • 意見の要点がわかる
  • 未習語の意味を類推しながら聞ける
  • 構成がわかる
  • 意見を批判的に聞ける
  • 主張、例、脱線を分けて聞ける
  • 結論を予想しながら聞ける

「話す(独話)」のゴール:「意見を述べたり、説明、解説ができる」「発表ができる」

  初級前半 初級後半



  • 自己紹介ができる
  • よく知っている身近な話題について1分くらい話せる
  • 身近な話題について構成を考えて3分くらい話すことができる


  • 正しい発音ができる
  • 事実や経験が話せる
  • 自分の気持ちが話せる
  • 事実を経験を分けて話せる
  • 時系列的に説明できる・スピーチの構成を考えることができる
  中級前半 中級後半



  • 講義、スピーチのテーマがわかる
  • ディベートのテーマがわかる
  • 発言の意図(断り、謝罪など)がわかる
  • 講義などがメモを取りながら聞ける
  • よく知っている内容の講義がわかる
  • 日常的な内容のディベート、ディスカッションの流れがわかる
  • やさしい時事解説がわかる
  • ノートを取りながら聞ける


  • 例がわかる
  • 冗談がわかる
  • 大意が取れる
  • 意見の要点がわかる
  • 未習語の意味を類推しながら聞ける
  • 構成がわかる
  • 意見を批判的に聞ける
  • 主張、例、脱線を分けて聞ける
  • 結論を予想しながら聞ける

「聞く・話す」のゴール:「質疑応答ができる」「ディスカッションができる」

  初級前半 初級後半



  • 場面に即した簡単な質問に答えられる
  • 場面に即した簡単な質問ができる
  • 相手の言っていることがわからない時に聞き返せる
  • 会話に参加できる
  • 日常的なことに関しての質疑応答ができる
  • 相手の言っている内容を確認できる
  • 的確な応答ができる
  • インタビューに答えられる


  • わかったこととわからないことを区別できる
  • わからないということを相手に伝えられる
  • 聞き返せる
  • 必要な情報を確認できる
  • 相手の言っていることに対して質問すべき点がわかる
  • 切り出したり、割り込んだりすることができる
  • 質問に的確に答えられる
  • 適切にあいづちが打てる
  中級前半 中級後半



  • スピーチに対して質疑応答ができる
  • インタビューができる
  • 口頭発表などで質疑応答ができる
  • 日常的なテーマでのディスカッションができる


  • 相手の言っている内容をまとめることができる
  • 適切に疑問点を指摘したり反論したりできる
  • 婉曲に疑問や反論が出せる
  • 効果的に意思を伝達できる
  • 形式的な司会ができる
  • 論点の整理をしたり議論の方向付けをするような司会ができる

在学生情報(2015年度)

学部進学留学生

2015年12月1日現在

国・地域名/専攻 文科系 理科系 合 計
アジア インド   1 1
インドネシア共和国   2 2
カンボジア王国 1 1 2
シンガポール共和国 2 2 4
タイ王国 1 3 4
大韓民国 7 2 9
バングラデシュ人民共和国   1 1
ベトナム社会主義共和国   3 3
マレーシア 1 1 2
ミャンマー連邦共和国 1   1
モンゴル国 1   1
ラオス人民民主共和国 1   1
中南米 グアテマラ共和国 1   1
コロンビア共和国 1   1
ブラジル連邦共和国 1 1 2
ベネズエラ・ボリバル共和国 1   1
ペルー共和国   1 1
メキシコ合衆国   1 1
欧州(NIS諸国を含む) アルメニア 1   1
スウェーデン王国 1   1
スロベニア共和国 1   1
ロシア 1   1
中東 イスラエル国 1   1
アフリカ ウガンダ共和国   1 1
ジンバブエ   1 1
モロッコ王国   1 1
  24 22 46

JLCTUFSについて

JLCTUFSは、「日本語教育研究の世界的な拠点」を目指して活動する、国内最大級の日本語教育機関です。

センターの教育・研究の成果物

JLCTUFSは、日本語スタンダーズの研究などを行う、世界の日本語教育の中心的な拠点です。

センター事業・プロジェクト

JLCTUFSでは、日本語教育研究に関わる、多種多様なプロジェクトを企画・推進・実施しています。

日本語教育・教材開発・実践教育研修 共同利用拠点事業

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