中澤 英彦
1.文字
2.音声
(1)母音 a, o , u , e, y, i
 ウクライナ語には6つの母音がある。なお、母音の長短によって意味の区別をすることはない。
(2)子音 b, p, m, v, f , d/d', t/t', z/z', s/s', c/c' , dz/dz',
  ,
,  ,
,
  , d
, d , 
l/l', r/r', n/n', j, g, k, x, h
, 
l/l', r/r', n/n', j, g, k, x, h
 上の/'/は、/j/や母音の/i/のように舌の中央部を硬口蓋に近づけて発音することを表す。
このような音をウクライナ語では軟音、それ以外の音を硬音といって峻別する。
名詞類の変化型の区別などに役立つからである。
(3)アクセントとイントネーション
 アクセントはストレスアクセントであり、語義の区別に関与する。単語ごとに決まった位置にある。イントネーションはコミュニケーション上で極めて重要な役割を果している。
7.言語の構造と特徴
7.1.句内の語順
 修飾語―被修飾語がふつうで被修飾語―修飾語はまれな語順である。
 数量を表す語‐名詞がふつうの語順で、名詞―個数詞の語順は概数を表す。
7.2.文の構造
 文の基本的な構造は[主部]+[述部]といえる。
ただし、形態上、語と文との区別のない名辞文やまた、非(無)人称文、普遍人称文、不定人称文など主部が現れない文型もある。
| 文の種類 | 主部 | 否定辞 | 述部 | 日本語訳 | 
| 人称文 |  | (  ) |   | (男性の場合)私は日本人です (ではあ(女性の場合)りません)。 | 
| 名辞文 |  | 朝だ。 | ||
| 非人称文 | なし | (  ) |  | 寒い(寒くない)。 | 
| 普遍人称文 | なし |  | 生きている限り学ぶもの(諺) | |
| 不定人称文 | なし |  | 話が続けられる。 | |