「ウルドゥー語劇団2007」インド公演報告

1)「日印交流年」事業として再度、インド公演へ
今年(2007年)の日印両政府による「日印交流年」の「インドにおける日本年」行事の一環として、東京外国語大学ウルドゥー語劇団の「はだしのゲン」が日印交流年実行委員会(委員長:大橋信夫・三井物産取締役会長)主催事業として選定されました。
一昨年(2005年)のインド公演同様、大阪外国語大学ヒンディー語劇団(座長:溝上富夫教授)との合同公演になります。大阪勢も日本の演劇のヒンディー語版を上演しました。
この日印交流年は、2006年4月の小泉前総理訪印時の共同声明において決定したものです。
(参照:http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/india/jin2007/index.html
今回のインド公演では、2007年2月18日から約18日間、首都デリーをはじめ、東部のコルカタ(カルカッタ)、西部のムンバイー(ボンベイ)とプネーで計7公演実施しました。
 ウルドゥー語劇「はだしのゲン」がここまで発展することになろうとは思いもよりませんでした。
2005年夏のインド公演で終えるつもりが、2006年夏のパキスタン公演につながり、そして思いがけもない展開により2007年初春のインド公演となりました。どうしてこうなったのか不思議です。
ここにきて初めてカンパに頼らず公的資金でインドの多くの方々の心に訴える芝居を上演できる喜びを団員一同噛みしめました。また、文部科学省の「特色ある大学教育支援プロジェクト」に採択された「生きた言語修得のための26言語・語劇支援」が継続中のことでもあり、この責任者としてもうれしく思います。
団員に異動はなく、パキスタン公演に準じています。

● 「日印交流年」実行委員会主催事業
「大学生によるヒンディー・ウルドゥー語劇公演」
主 催: 「日印交流年」実行委員会(委員長:大橋信夫・三井物産(株)会長)
協 力: 独立行政法人 国際交流基金
協 賛: 現地受け入れ団体
後 援: 在インド日本国大使館、在コルカタ日本国総領事館、
在ムンバイ日本国総領事館
公演地: デリー、コルカタ、ムンバイー、プネーの4都市
演 目: ウルドゥー語劇「はだしのゲン」(Hiroshima Ki Kahani)
     ヒンディー語劇「ある死神の話」(Ek Yamdoot Ki Kahani)
【キャストとスタッフ】(学年は2007年2月現在)
ゲン:石井由実子(4年)
大吉(父):下岡拓也(3年)
君江(母):橋本恵(4年)
英子(姉):丸尾紫野(3年)
進次(弟):小出ゆみ(3年)
隆太(浮浪児):境倫子(3年)
案内人:増田清(4年)
誠二:町田優子(4年)
吉田のおっさん:谷脇慎太郎(2年)
国民服の男:佐々木零奈(2年)
詩の朗読:麻田豊・座長

照明:相澤満弘(4年)
音響:青木弥佳(4年)
スライド・字幕:村上明香(4年)・麻田座長
2)日程
2月18日(日) 12:00 成田発/18:00 デリー着(7泊)
2月19日(月) 午後 リハーサル(Lady Shri Ram College for Women)
★2月20日(火) 10:30 公演 (Lady Shri Ram College for Women)
2月21日(水) 午後 リハーサル(Daulat Ram College)
2月22日(木)
★2月23日(金) 午後 リハーサル(National School of Drama=NSD)
18:30 公演(NSD)
★2月24日(土) 18:30 公演(NSD)
2月25日(日) 13:35 デリー発/15:35 コルカタ着(4泊)
2月26日(月) 11:00-14:00 リハーサル(Uttam Mancha劇場)
★2月27日(火) 終日 リハーサル
18:30 公演(Uttam Mancha劇場)
★2月28日(水) 終日 リハーサル
18:30 公演(Uttam Mancha劇場)
3月1日(木) 14:40 コルカタ発/17:20 ムンバイー着(3泊)
★3月2日(金) 14:00 東京組リハーサル
18:30 公演 (東京組、Mysore Association Hall, Matunga)
3月3日(土) 14:00 大阪組リハーサル
16:00 公演 (大阪組、Mysore Ass. Hall, Matunga)
★3月4日(日) 09:30 ムンバイー発/10:05 プネー着
12:00 東京組リハーサル
16:30 公演 (東京組、Intl. Inst. of Inf. Tech.)
3月5日(月) 午後 大阪組リハーサル
18:30 公演 (大阪組、Balgandharva劇場)
3月6日(火) 午前 車でムンバイーへ
      大阪組 ムンバイー発 関空へ
3月7日(水) 東京組、昼食後まで自由(15:30に空港着)
18:30 東京組 ムンバイー発 (翌8日(木)08:00 成田着)
3)日本での報道状況
 3回にわたった海外公演(2005年インド公演、2006年パキスタン公演、2007年インド公演)に関わる報道記事を時系列に並べると以下のようである。

2005年
11月14日 共同通信配信記事
     はだしのゲン、印パに新風/印パに届け 核放棄の風/
     はだしのゲン パキスタンへ 現地ジャーナリスト支援
11月15日 Japan Times
     Students hope play will defeat nukes on subcontinent
11月18日 朝日新聞
     東京外大生公演 「はだしのゲン」ウルドゥー語で
     核の悲劇 印パに訴え あす学園祭でも

2006年
7月25日 NHKワールド「アジアニュース」(海外向けTV英語放送)
     パキスタン公演へ向けての稽古の模様のリポートが放映される(5分間)。
7月29日 中国新聞
     被爆者運動50年 明日への扉
     「ゲン」印パを行く 「反核」劇 保有国で共感
8月9日  共同通信配信記事
     「はだしのゲン」上演へ パキスタンで学生劇団
8月11日 宮崎日日新聞
     「はだしのゲン」上演 被爆地ヒロシマ 核保有国に訴え
     東京外大生13人 パキスタンで来月 本県出身橋本さんも出演
8月25日 中日新聞 浜松・遠州版
     東京外大生 来月パキスタン公演 原爆の悲惨さ伝えたい
     「はだしのゲン」現地語で舞台化 県内出身の2人出演
8月26日 静岡新聞
     原爆悲劇 核保有国に訴え 東京外大生、パキスタンで「はだしのゲン」
     インドに続き 来月上演「平和の橋渡し」
9月1日  徳島新聞
     「はだしのゲン」上演 パキスタンで被爆劇公演
     青木さん(藍住出身)参加、東京外大の劇団 きょう渡航「核の悲劇 伝えたい」
9月9日  共同通信配信記
     パキスタンで「はだしのゲン」 東京外大の劇団が公演
9月28日 中日新聞 浜松・遠州版
     県内出身の東京外大生 核の恐怖伝わった パキスタン公演終え帰国
10月5日 NHK Radio Japanにてパキスタン公演のルポが20言語で同時に放送。
10月6日(金)からラジオ日本のサイトで1週間、10月12日の17時まで視聴可能。
     ウルドゥー語版が元原稿で、他の言語はその翻訳版。
     (2006年の優秀番組のひとつに選ばれ、年末再放送される。)
10月16日 文教速報 第6943号
     東京外大生がパキスタンで「はだしのゲン」上演
10月16日 文教ニュース 第1903号
     東京外国語大学=ウルドゥー語劇をパキスタンで公演=
10月24日 NHK総合テレビ「おはよう日本」内の「アジア&ワールド」コーナーでパキスタン公演のルポが放映される。
10月31日 NHKワールド「News Today Asia」で英語版が放映される(3分間)。

2007年
2月17日 中国新聞
     東京外大のウルドゥー語劇団/ゲンの伝言 印で再び/ あすから現地語で「戦争ノー」
2月20日 朝日新聞
     「はだしのゲン」インド公演 現地語で東京外大生「核の現実伝えたい」
4月13日 中国新聞
     村上明香さん・青木弥佳さんが手記
     東京外大ウルドゥー語劇団 「はだしのゲン」印で公演
     ヒロシマの心 共有 核保有国に「平和」問う/現地のスタッフと手作り

4)インド・パキスタンでの報道状況
2005年 インド公演
     ヒンディー語紙 (21社) 38本
     ウルドゥー語紙 ( 2社) 2本
     英語紙 (14社) 32本
     その他 ( 2社) 2本
 計 (39社) 74本(うち、30本が公演後の記事)
2006年 パキスタン公演
     ウルドゥー語紙 (9紙) 23本
     英語紙 (16社) 44本
 計 (25社) 67本(うち、37本が公演後の記事)

2007年 インド公演
     ヒンディー語紙 (4紙) 5本
     英語紙 (8社) 9本
 計 (12社) 14本(うち、11本が公演後の記事)

合計155本の記事(うち、78本が公演後)が各紙に掲載されたことになる。


こうして、2005年1月1日に始まったウルドゥー語劇「ヒロシマの物語(はだしのゲン)」プロジェクトは、インド・パキスタンの21会場で合計28公演を行なって幕を閉じた。
(文責・麻田 豊)