独立行進曲
イスティクラール・マルシュ

─トルコ共和国国歌─
 
(詩)メフメト・アーキフ・エルソイ
(訳)大熊真龍・林佳世子

恐れるな!暁にたなびくこの赤い旗は、決してなくなる事はない
消えることなく、我が祖国の上に煙たなびく最後の炉
それは我が民族の星、キラキラと輝く
それは我がもの、唯、我が民族のものなのだ
 
額を歪めるな、お前のために犠牲となろう、たなびく新月旗よ
勇敢なる我が民族に微笑め。何という激しさ、何という怒り
しかし、微笑まなければ、流れた我々の血がお前のものとならない
独立は、神を慕う我が民族の権利である
 
私は大古から自由に生きてきた、そしてこれからも自由に生きる
一体どんな輩が私を鎖で叩くというのか?馬鹿な!
私は荒れ狂う洪水のようだ、堰を越え、溢れ出す
山々を引き裂き、大洋へ出ても収まらない、さらに溢れる
 
鋼で覆われた壁が、西方の地平線を取り囲んだとしても
私には信仰で満ちた胸と同じように、自由な境界がある
気高い国民よ、恐れるな!お前が<文明>と呼んだ、歯の抜け落ちた野獣が
この信仰を一体どうやって抑えつけるというのか
 
友よ、我が国土に卑しきものを入れてはならない、決して!
守るのだ、この恥知らずな襲撃の本体を押し止めるのだ
お前に神が約束された日々が訪れようとしている
それが明日か、明日よりもっと近いか、誰にわかろう
 
今踏みしめている場所はただの<土地>ではない、知るがよい!
思い出せ、足下に幾重にも埋められた白布に包まれない死体を
お前は、殉教者の息子なのだ。父祖を傷つけるな。それは、恥ずべきこと
渡すな、たとえ世界を手に入れようとも、この天国の如き祖国だけは
 
だれがこの天国たる祖国のために犠牲になれないだろうか
殉教者が地面を埋め尽くそうとも、さらに殉教者が溢れ出す
神よ、私の魂、最愛の者、私の全てに替えても
私を、この世界で唯一の祖国からだけは引き離すな
 
我が魂のあなたへの唯一の望みは、次のこと
余所者の手が、我が聖なる場所の胸もとを触らないように
エザーン――信仰の告白は宗教の礎――が
永遠なる我が祖国の上に響くべし
 
もし私の墓石が残っているならば
その時、恍惚として千回ひれ伏すであろう
ああ神よ、あらゆる傷口から、血の涙が溢れ出す
若者の魂の如く、地面から私の屍が甦る!
その時、私の頭は上昇しつづけ、最上天に達する!
 
ああ、誉れ高い新月旗よ、お前も暁の太陽のように波打つがよい
流れた私の血の全てを、ついにお前のものとするがよい
永遠に、お前に、そして我が民族に滅亡はない
自由は、自由に生きてきた我が新月旗の権利
独立は、神を慕う我が民族の権利なのだ

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