テヘランにある外国人を対象とした語学学校。テヘラン大学の予科でもある。ヨー ロッパ、アメリカ、アジア・アフリカのイスラーム圏、中国、韓国など世界中から学 生が集まる。しかし学校自体は、何の変哲もないこじんまりした建物の中にあり、受 講者数も、多いときで各クラス15人程度。4段階の必修クラスがあり、その他、文 学、歴史などの選択授業も用意されている。各学期は4ヶ月程度で10月と2月に始ま るほか、夏休みの特別クラスもある。
外国人の受け入れ体制が、イランの教育機関としては類を見ないほど(奇跡的と言 えるほど)整っており、正規の手続きを踏めば、invitation を必ず送ってくれる。 履修内容は文法事項に限って言えばそれほど高度ではないが、講師陣から発せられる 機関銃のごときペルシア語は、良いヒアリング訓練になるだろう。また、使用されて いる教科書 azfaa (vol.1-4.)も、評価が高く、口語文法・口語表現の記述が詳しく なされているのがうれしい。なお、外務省のペルシア語専門職員の現地初期研修ほか、 イラン人を配偶者とする日本人女性の受講者も多い。
受講生は希望すればテヘラン大学の寮に宿泊することができる。
2.入学手続きと費用:所定のフォルムに記入して、パスポートのコピーとともに郵送、あるいはファック ス(の方が望ましい)すれば、invitation/ da'vat-name を送ってくれる。それをパ スポートと一緒に大使館に提出すれば、1ヶ月か3ヶ月のビザを発給してくれる。渡 航・入学後は、3ヶ月ごとにビザを延長しなければならないが、それに関する手続き も全て同校で行ってくれる。2回の延長で、最高9ヶ月の滞在が可能。授業料は、一 学期 500 米ドル。なお、ビザの延長に際し日本円で50円ほどの手数料が必要。詳し くは、イラン大使館へ。
テヘランにある、International Center for Persian Studies(University of Tehran)、 通称ロガットナーメイエ・デ・ホダー(大学ではなく語学学校)に所属して いました。
ここに留学するためには、まず、この学校に手紙を書いて留学したい意向を伝えま す。 すると、あちら側から、入学案内や、必要書類が送られてくるので、 (とても時間がかかるので、「早くしてください。」という内容の手紙を改めて送っ たり、国際電話を使って、催促したりしました) それらに記入し、その書類、推薦状(外大のネイティブの先生に書いていただきまし た)、写真などを一緒に送ります。 許可されると、許可状が送られてくるのでそれをもって在日本イラン大使館へ行き、 ビザの申請をします (申請時までには航空券もとりました)。
こういった作業を一通り終えると、晴れて留学できることになります。
まず、入国ビザを取得しなければなりません。
留学したい大学や語学学校などに、留学の意向を伝え、認められると 学校側から、「留学許可状」が送られてきます。 その許可状は同時にビザの「許可番号」の役割も果たしているので その許可状と、イランへの航空券、そしてパスポート、写真を持って 在日本イラン大使館へ行きます (大使館に行くときは、頭にスカーフをかぶり、露出度の高い服装は慎みましょ う)。 そこで、パスポートをコピーしたり、必要書類に記入したりします。 その後、補佐官の方(イラン人の方です)と面接をして イランに留学したい意向を伝えます (私は、出発ぎりぎりになって大使館へ行ったので、1ヶ月の入国ビザしか出なかっ たのですが、 もっと早くから申請していれば、もっと長期間のビザがもらえたかもしれませ ん)。
こういった手続きを、終えて、数日後に(私は2日後でした)正式にビザが出ま す。 このときも大使館に出向いて受け取りました。
大使館の開いている時間帯や、電話の受付時間は限られているので きちんと事前に、ダイヤモンド社の『地球の歩き方ーイラン』の巻末をよく読んで 確認しておくことが大切だと思います。
こうしてビザも無事に受け取ることができ、いざ入国するわけですが、 入国したあとは、ビザの「延長」をしなくてはなりません。 イラン国内で延長できる回数は、1人あたり3回までです。 もし、この3回の延長を使い切ってしまったら、 一度国外にでて、再度入国しなければなりません。
ビザの延長は、通っていたロガットナーメイエ・デ・ホダーで行いました。 ビザの切れる2週間くらい前に、必要書類に記入し(学校でもらえます) パスポートとお金と一緒に事務員の方に預けます。 この時にかかるお金は、確か10000リヤルだったと思います。 日本円にして約150円なので、日本で、入国ビザを取得するときに必要な6600円より は はるかに安いので安心してください。
私は、大学を休学してイランに行ったので、つまり「学生」という身分があったし、 推薦状もあったので、 1回の延長で3ヶ月延長することができました。 このときは、「ストューデント・ビザ」を受け取りました。 よって、1ヶ月の入国ビザ+3回の延長=10ヶ月はイランに滞在できることになりま す。 (入国時に3ヶ月のビザをもらえれば、12ヶ月滞在できます) 10ヶ月以上滞在したいのであれば、一度国外に出ることが必要です。
3.住居私はイラン人の知り合いに探してもらったので、一般的な探し方などは分からないの ですが、 友人は、ロガットナーメイエ・デ・ホダーの先生に頼んで、いい物件を紹介しても らっていました。寮で生活したり、ホームステイをしたり、同じ日本人の学生同士、 1つのアパートをシェア していました。
4.語学研修の様子まず、1タームが大体4ヶ月くらいあります。 1タームあたりの授業料は500$です。 1回の授業時間は約2時間。基本のペルシャ語のクラスが週に3回あります。 そのほかにも、詩や習字、語源学の授業もありますが これには出席してもしなくてもかまいません。
まず最初にクラスわけテストを行い、その結果によって、 どのクラスに行くべきかを決めます。 クラスは初級者クラスから上級者クラスまで、全部で4つあります。
1クラスは約15人くらいで構成されています。 生徒15人に対して先生1人では少ないかなあ、という感もありますが、 いろいろな国の友人ができるという点では良いと思います。 しかし、いろいろな国の友人ができるといっても、 現在ロガットナーメイエ・デ・ホダーには日本人がとても多く クラスの4分の1くらいは日本人でした。
学校はとても自由な雰囲気で、 先生方も親切なひとが多く、たくさん友達もできて楽しかったです。
5.イランでの生活全般について私が女性であるという点で、不自由な点はたくさんありました。
外出の度に頭にスカーフをかぶり、マントを着なくてはならないというのは、 慣れてしまえば、大して気になりませんでしたが、 ただ、バーザールへ買い物に行ったときや学校から帰るときに とても痴漢が多くて大変でした。 隙を見せないように、怖い顔をしてあるいても 防ぎきれませんでした。
痴漢に遭ったときは、近くの人に訴えるか兵隊や警察などが近くにいたら訴えてみる のが 良いと思います。 日本語でもいいからきちんと怒ることが大切だと思います。 なお、夕方はバーザールが混雑し、痴漢も多くなるので 買い物は午前中にするのが、良いかと思われます。
あと、学校は遅くても6時15分には終わるので、 なるべく早く帰宅するのが良いと思います。 ここ2,3年、テヘランの治安が悪くなってきているということなので、 女性の方は特に、夜の9時までには帰宅したほうが良いです。 9時以降はバスも運行しなくなりますし、タクシー(夜の)も最近は危険です。 もし乗りたいのなら、テレフォンタクシーに乗ってください。
これは、私たちが外国人だから気をつけなければならないということではなくて、 実際にイラン人の若い女性は皆、この位、気を配っていました。 自分の身は自分で守る気持ちで、頑張ってください。
私が「ペルシア語普及語学研修」に参加いたしましたのは、2000年2月か ら一ヶ月間のことですが、その際はイラン政府に招待していただいたため、イランへ の渡航費以外は全部イラン持ち、というなかなかの条件でした(ただ、あとでエジプ トからの参加者に伺ったところ、彼らは渡航費も全額イラン持ちだったようです。渡 航費を払ったのは日本と韓国からの参加者のみだったそうです‥‥)。
テヘランの空気のよい北部の宿舎に寝泊まりし、朝六時起床、朝八時から夜八時まで授業という毎 日でした。こういうと何かスパルタ的特訓という印象を持たれるかもしれませんが、 実際は昼休みも長いので大して苦ではありません(ただ、朝が早いので早めにトイレ を済ませないと、一時限目は結構苦しかったです‥‥)。
授業の内容のほうは、ペルシア語会話からペルシア語文法、ペルシア文学、神秘主義思想、 地理、さらには書道にいたるまでてんこ盛り状態で、何か特別これに通暁するようになった、という感じ にはならなかったのが少々残念ではありました。また、正規の授業以外にも「課外授 業」の方もたくさん用意されています。実際、この語学研修はペルシア語を学びに行 くというよりは、ペルシア語でイラン人だけでなく、世界中のいろいろなペルシア語 を勉強している人々と交流し、楽しむための一ヶ月でした。日本からは私を含めて二 人の参加でしたが、韓国や中国、ロシア、グルジア、エジプト、パキスタン、イエメ ン、アゼルバイジャン共和国、トルコ、ドイツ、タジキスタンなどから老若男女、大 勢の人々が参加していて、語学研修の最後に彼ら/彼女らと一緒に行くイスファハー ン旅行はまさに「修学旅行」状態で、実に楽しいものでした。
ひとつ残念なことといえば、ビザの延長などができず、研修が終わったらすぐに帰国 しなくてはならなかったことです。私自身はなぜか1ヶ月半のビザが発給されたので、 1週間ほど余計に滞在できましたが、そうでもない限り、ビザの延長はできない雰囲 気でした。
ともかくも、ペルシア語の勉強というよりはむしろいろいろな地域の人と交流が持て る、という意味で機会があれば参加してみて無駄ではない語学研修ではありますよ。
イラン最大の半通信制国立大学 。イラン国内のほぼ全地域に大学支部をもつ。国 内における受講者数は十数万人ともいう。学生は週末に各地域の大学支部において授 業を受け、半年間の学期ごとに単位取得のための試験を受ける。kaardaani 前期学士 (日本の短大卒業資格に相当) ,kaarshenaasi 学士, fouq-e lisaans 修士, doktoraa 博士 の四課程制をとる。外国人用の課程 daneshkade-ye borun marzi は、 kaardaani,kaarshenaasi, fouq-e lisaans の三課程のみで、文学部が中心。全世界 に10〜20人ほどの受講者がいる。外国人に関しては、完全な通信制であり、同大学入 学によってイラン在留資格を得ることはできない。受講者は、各居住国のイラン大使 館において学期ごとの試験を受ける。受講科目は、ペルシア文学史のほか、諸々の古 典詩人の作品読解、古典歴史書、文学作品、修辞学、韻律学など。学期ごとに受講科 目を登録し、教科書を送ってもらう仕組み。
完全な通信制で、自習形式となるため、日本で受講するメリットがあるのかどうか は疑問。なお、事務局とのやり取りにおいては、英語は一切通用しない。
2.入学手続きと費用:下記の大学事務局へ連絡すれば、必要なフォルムを送ってくれる。フォルムに記入 して返送すると、入学試験問題が郵送されてくる。ペルシア語文法他、詩の意味解釈、 ペルシア文学史に関する問題だが、文献を参照してよいことになっているので時間を かければ回答できる。これが認められれば、入学を許可される。
入学金は不要。授業料は、教科書代も含め、半期で yen35,000ほど。ドルで振り込み。 詳しくは onumak@soleil.ocn.ne.jp まで。
3.外国人課程 daaneshkade-ye borun marzi 事務局住所: