藤井守男(ふじい もりお)

お知らせ  

Muhammad reza Shafi'i-yi Kadkani, "Qalandariyah dar Tarikh;Digardisi-ha-yi yak Ide'olozhi ",Tehran,Sokhan,1386/2007,616(+38)p. 神秘主義研究分野で20世紀イランを代表する碩学であった、故フルーザーンファル教授の学問的関心を数十年かけて具体化した労作で、”Qalandar”という用語がヘジラ歴7世紀(ほぼ1200年代)までは「場所」を指す名詞であり、その場に係わる人が”Qalandari”であったという点を解明しつつ、Malamatiyah(malamiyah)と呼ばれた集団に関する文献学的検討が写本段階から精緻に進められている。また、イスラーム期イラン文化における「タブー」の文化史的考察としての側面と問題関心が伺われる野心作でもある。従来から様々な解釈がなされてきた"Rend"という用語の含意についても文化史的な背景が深く掘り下げられており、今後、イランにおける社会的・文化的忌避(タブー)に係わる議論では本書の内容への参照が不可欠となろう。本書の中心的議論の副次的な面での考察も鋭利な文献学的関心を反映して興味深く、例えば、Hujwiriが、Kashf al-Mahjub(『隠されたるものの顕現』)の中で説いている彼と同時代の神秘主義者(スーフィー)たちのカテゴリーの分類に、文献上の根拠が見出せない点が指摘されている。この点から、Farid al-din 'Attarが、自らの聖者伝Tadhkirat al-Auliya執筆に際して、フジュウィーリーの情報を活用していない可能性についても触れられており、ペルシア語の神秘主義テクスト研究の学説史的前提を根底から覆す可能性を秘めた議論として注目される。イスラーム以前のイラン文化とイブン・アラビー系神秘哲学の教義との影響関係についても示唆的な指摘が随所に見られる。

インデックス

学歴・職歴  

学歴:1981年 東京外国語大学大学院修士課程終了

職歴:現在 同大学 南・西アジア課程(ペルシア語)教授

業績一覧(主な業績)  

共著の著書  

単著の雑誌掲載論文 (2003~2007)  


翻訳  

研究ノート  

書評  

その他  

最近の研究課題  

オフィス・アワー  

予め、電話かe-mailで連絡を受けた上で、時間を取り決めることにしています。

連絡先  

E-mail: fujii.morio@tufs.ac.jp

研究室電話番号:042(330)5341


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