<ベトナム語専攻>
ベトナム語専攻が本学に設立されたのは1964年で、約40年の歴史をもっています。現在、学生定員は1学年12名と「小所帯」です。専任教官は日本人が3人とベトナム人教官(客員)が1人の合計4人おり、あと5人ほどの非常勤講師を加えて、ベトナム語専攻の教育が行われています。専任教官の専門は以下の通りです。
宇根祥夫(言語情報講座):ベトナム語学
川口健一(総合文化講座):ベトナム文学
今井昭夫(地域国際講座):ベトナム近代現史
グエン・ティエン・ナム(ハノイ国家大学):ベトナム語教育法
<ベトナム語専攻のカリキュラム>
本学では1・2年次にそれぞれ主専攻語が週6コマ必修になっています。また、1・2年次の2年間で地域基礎科目を2コマ(「ベトナム地域研究入門」と東南アジア全体に関する授業)履修することになっています。3・4年生を主たる対象とする地域専門科目・専修専門科目には、「ベトナム語学研究」、「日本語・ベトナム語対照研究」、「日本語から見たベトナム語表現の諸問題」、「ベトナム現代史のなかの文学」、「現代ベトナム社会論」、「ベトナム経済論」、「ベトナム近現代史研究」などがあります。さらに、単にベトナムにとどまらず、豊富な東南アジア関係の授業が用意されています。
3年次からは、言語情報、総合文化、地域国際の3コースのうちから1つのコースを選択し、そのコースに開講されているいずれかのゼミに所属し、卒論研究を目標に勉強することになります。ベトナム語専攻の専任教官はそれぞれのコースに一人ずつ配置されています。ちなみに、平成13年度にベトナム語専攻の学生が執筆した卒論のテーマは以下のようなものです。
・ベトナムの現在の教育事情
・ベトナムにおける植民地教育とナショナリズム
・ベトナムの対外開放について
・ベトナムの民族楽器と音楽文化
・中部山岳地帯の少数民族について
・ベトナム経済発展における農村と農業の役割
・開発の再検討と開発への新しい視点
・ベトナムにおけるドイモイ以後のマスメディアの法統制
・工業化と農村開発
・ベトナム経済におけるドイモイの成果
・現代ベトナムの宗教
<留学>
ベトナム語専攻の学生の留学先というとなんといってもベトナムになります。この10年ほどは、ほぼ毎年1人、ハノイ国家大学に国費留学生を送っています。また、毎年5人前後が私費で約1年の留学をしています。留学先としては、過去10年間ぐらいを全体的に見ると、ハノイ国家大学とホーチミン国家大学がおよそ半々といったところです。留学費用は比較的安く、生活費は東京での生活費の半額以下で済みます。これまでに多くの学生がベトナム留学に行っていますが、幸いにも、大きな事故・事件は発生しておりません。
ベトナム留学と比べると数は少ないですが、アメリカ、カナダ、イギリスなどの英語圏に留学する学生もいます。また、本学の交流協定校であるシンガポール国立大学、フランス東洋言語文化学院などに国費留学したベトナム語専攻の学生も近年いました。
<就職>
ベトナム語だけで就職するというケースは、率直にいって、それほど多くはありません。「ベトナム語専攻学生」というよりは「外大生」ということで採用されることも多いようです。専攻語と英語の語学力、そして「大学時代に自分は○○○に打ち込んだ」といえるようなセールス・ポイントをもてるように心掛けて頂ければと思います。平成13年度ベトナム語専攻卒業の学生の進路先は以下の通りです。
・東京外国語大学大学院
・東京大学大学院
・日本電気システム建設
・日本放送協会
・ヤマハ発動機
・ニコン
・INAX
・小津産業
・ダイエックス
・増進会出版社
・東洋冷蔵
・日本国際協力センター
・アラコ