Bahasa Melayu TUFS 文法

di-受動文

kena迷惑受動文が被動作主が迷惑・被害を被ることを示唆するのに対し、di-受動文はそのようなことを示唆しない、中立的な受動文です。di-受動文は普通、動作主が3人称の場合に用いられます。動作主が1、2人称の場合には、裸受動文を用います。

動詞には、接頭辞 di- が付きます。これまで習った他の動詞接頭辞 ber-meN- と同時に用いられて diber-... や dimeN-... という形にはなりません。一方、接尾辞 -kan-i は、di- とともに用いられ、di-...-kan や di-...-i という形になります。

母音で始まる終わる語根に di- が付く場合、di- と母音の間で一度息を止めて発音します。

di- + ajar → ajar ディアジャー(✕ディヤジャー)
di- + isi → diisi ディイスィ(✕ディースィ)

kena迷惑受動文と同じく、動作主を表す表現は、行為者が問題にならない場合には省略できます。

被動作主 (A) di-動詞 (oleh 動作主 (B)).「Aは(Bによって)~される」

Kelas perbualan bahasa Melayu diajar oleh Pn. Faridah.
「マレー語会話の授業はファリダ先生が教えています。」
(cf. Pn. Faridah mengajar kelas perbualan bahasa Melayu.「ファリダ先生はマレー語会話の授業を教えています。」
Rumah tradisional Melayu dibuat daripada kayu.
「マレーの伝統家屋は木造です。」
(cf. Orang membuat rumah tradisional Melayu daripada kayu.「(人々は)マレーの伝統家屋を木から作ります。」
Gelaran Datuk diberikan kepada Pamela.
「ダトの称号がパメラに与えられた。」
(cf. Istana Sultan Agung memberikan gelaran Datuk kepada Pamela.「スルタン宮殿はパメラにダトの称号を与えた。」
Datuk Lee Chong Wei diminati oleh ramai orang.
「ダト・リー・チョン・ウェイは多くの人に関心を持たれている。」
(cf. Ramai orang meminati Datuk Lee Chong Wei.「多くの人がダト・リー・チョン・ウェイに関心を持っている。」

kena迷惑受動文と同じように、動作主を導入する前置詞 oleh は、動詞の直後であれば省略できます。動作主を表す表現と動詞の間に別の表現が介在する場合は、oleh は必ず必要です。

Kelas wajib itu sudah diambil (oleh) semua pelajar pada semester lalu.
「その必修の授業は、先学期に全学生が履修しました。」
Kelas wajib itu sudah diambil pada semester lalu oleh semua pelajar.
×Kelas wajib itu sudah diambil pada semester lalu semua pelajar.
「その必修の授業は、全学生が先学期に履修しました。」

動作主が3人称代名詞 dia の短縮形 -nya の場合、直前の語につながります。つまり、oleh がある場合には olehnya という形になり、oleh がない場合には動詞に直接つながります。

Novel itu ditulis oleh dia pada tahun 1986.
Novel itu ditulis olehnya pada tahun 1986.
Novel itu ditulisnya pada tahun 1986.
「その小説は、1986年に彼(女)が書きました。」

対応する能動文が二重目的語構文の場合、受動文の主語になれるのは動詞の直後の目的語だけです。

Dr. Fathima memberi mereka tugasan khas.(能動文)
「ファティマ先生は彼らに特別課題を与えた。」
Mereka diberi tugasan khas oleh Dr. Fathima.
「彼らはファティマ先生によって特別課題を与えられた。」
×Tugasan khas diberi mereka oleh Dr. Fathima.
「特別な課題はファティマ先生によって彼らに与えられた。」

対応する二重目的語構文の能動文の二番目の目的語を主語とするような受動文は、二番目の目的語が動詞の直後に来るような別の構文を想定することで、作ることができます。その場合、動詞に付く接尾辞や前置詞の有無が変わります。

Dr. Fathima memberi(kan) tugasan khas kepada mereka.(能動文)
「ファティマ先生は彼らに特別課題を与えた。」
Tugasan khas diberi(kan) kepada mereka oleh Dr. Fathima.
「特別課題はファティマ先生によって彼らに与えられた。」

【発展編】他動詞もどきに注意

語根のままの形で用いられる動詞や ber-動詞の一部は、前置詞なしで直接、名詞句を目的語に取ることができ、他動詞のように見えます。しかし、それらの動詞のほとんどは接頭辞 di- を付けて、di-受動動詞を作ることができません。

Orang tidak suka pembohong.(能動文)
「人は嘘つきを好きません。」
×Pembohong tidak disuka orang.
「嘘つきは人に好かれません。」

このような場合には、正真正銘の他動詞である、-kan動詞や -i動詞で同じような意味を表せないか考えましょう。-kan動詞や -i動詞からは確実に di-受動文が作れます。

Orang tidak menyukai pembohong.(能動文)
「人は嘘つきを好きません。」
Pembohong tidak disukai orang.
「嘘つきは人に好かれません。」