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ラオス語専攻 留学体験記 *2001年度よりラオス国立大学へ留学

2001年10月〜2002年6月 留学報告書

 かなり主観的な報告ではあるが、以下に私が9ヶ月間ラオスに留学して感じたことや後になって反省した点などを書きたいと思う。

1、大学について
 私はラオス国立大学文学部ラオス語−ラオス文学科3年に在籍した。クラスは外国人用のクラスではなくラオス人とベトナムからの留学生がほとんどであった。 他に中国人、韓国人などもいて、日本人は私を含めて3人いた。全部で60名ほどの大所帯だった。
 授業は学年、学科によってカリキュラムが決まっていて60名ほどが毎日同じ教室で同じ授業を受ける。月曜から金曜まで週10コマ程度あり、前期の授業はラオス文学(通年)、言語学、ラオス文化、ラオス語音声学、意味論などがあり、後期は統語論、ラーンサーン文学、タム文字、作詩法などがあった。ほとんどの日はお昼には授業が終わる。
 初めは授業を聴いているだけで精一杯だったので、前年外大に留学していた方にチューターになってもらい、週2回授業のない時に授業中分からなかったことなどを質問し、解説してもらった。
 私たち留学生もラオス人と同じ試験を受け、基準点以上の点数をとれば単位がもらえる。前期はベトナム人以外の外国人留学生用に特別授業があったが後期はなくなり、各自好きなテーマでレポートを書いて学年末に提出することが義務付けられる。これが何回提出しても先生に訂正箇所を指摘されるので、受理されるまでがなかなか大変である。
 奨学金申請の関係上、私は在籍身分を「休学」にはせず「留学」で行ったので、ラオスで取ってきた単位を外大の単位に互換した。現在合計6単位互換できる予定である。

2、生活と費用について
 先生の紹介でホームステイをし、最初から最後まで9ヶ月間その家に住んでいた。部屋を一部屋借り、朝晩食事つきで月160ドルだった。エアコンはなかったが扇風機がついていて、全自動洗濯機があり、部屋も水周りもとても清潔な家だったので相場(150ドル位、最近上がり気味)を考えると安いものである。しかし、どんな家に住むかはかなり重要なことなので、もっといろんな家を見て回ってから決めても良かったと今は思っている。
 インターネットについては、私はラオテレコム(ラオテル)というサーバーを使った。いろいろなコースがあるが、月に10時間つかえて12ドルのものにした。入会金もコースによって異なり、私のコースは30ドル強だったと思う。初めのうちは平日の昼間などつながらないこともざらだったが、途中で改善されて使い勝手も良くなった。
 もう一つパソコンについてであるが、自分のパソコンを持っていく人はウイルス対策ソフトを持っていくことをおすすめする。ウイルスに感染してパソコンにインストールしてあったウイルス対策ソフトを破壊されてしまうこともあるので。それから、ラオスの砂埃で大抵のパソコンは調子が悪くなる。町のインターネットカフェを使うのも有効だろう。
 私は前年に留学していたラオス科の先輩から110ccのバイクを買い受けていたので通学をはじめとして移動にはバイクを使った。私のすんでいた家は町の中心から5kmほど離れたところにあったので、とても重宝した。バスを使用するという手もあるが、時間が不規則な上、夜に出かけられなかったりととても不便である。バイクは1540ドルで買い、1000ドルで売った。ガソリン代やオイル代などに月に千円ほど費用がかかるが、便利さを買ったと思えば安いものであったと思う。
 ただし、ラオスの交通事情は非常に悪い。道路交通法などあってないに等しいのでこちらが十分注意していても、事故にあうこともある。バイクに限らず、歩いたり自転車に乗っていても交通事故は多いので気を付けたい。
 費用についてだが、最初は文部省からの奨学金(月8万円×9ヶ月=72万円)のうち、初めの3ヶ月分(24万円)くらいを米ドルの現金で持って行った。その後は現地で銀行口座(米ドル)を開設し、奨学金の送金だけで間に合った。
 一ヶ月に使うお金は旅行などをしなければ家賃を含めて大体300ドルあれば足りる。ただし書籍代やマルチビザ代(6ヶ月で40ドル)、国際電話代、ちょっと高めのお店で外食することもあるので実際にはもう少し使っていたであろうと思われる。
 私は現地に住む日本人の子どもに算数などを教える家庭教師のアルバイトをやっていたのでその収入も少しあった。
 一時帰国をしたいときは、タイ航空のヴィエンチャン→バンコク→成田往復がヴィエンチャンの代理店で500ドル程度(変動あり)で安く買える。

3、準備について
 私は出発前に破傷風、狂犬病、A型肝炎の予防注射をして行った。予防注射は少し高いが、あらかじめ防げるものは防いだほうが良いと思う(虫除けなども)。保険も大手のしっかりしたものが良いだろう。ラオスでは提携している病院がなくても、バンコクに出れば日本並みの治療が受けられる。ノーンカーイの病院はあまり当てにならないらしい。
 ラオスは日本よりも暑いし、外国に行って気が大きくなることもあると思う。しかし住んでみると意外と正装が必要な場面がある(ラオスに滞在している外大の卒業生が集まって開く「外語会」という食事会にも呼んでいただけたりする)。日本人だけでなく、ラオス人のお偉いさんに会ったりする機会もあると思うのできちんとした服装をしてほしい。結婚式などでも使えるので女性の場合はラオスで絹のシンなど一式揃えても良いと思う。
 最後に、「ラオスは治安が良い」などとよく言われるが、必ずしもそうではないことを覚えておいて欲しい。確かに親切な人も沢山いるが、麻薬の蔓延や盗難など治安はどんどん悪くなっていると聞く。私自身、大きなトラブルに巻き込まれずに帰国できたのが不思議なくらいである。「ラオス人=純朴」という概念は持って行かない方が身のためだろう。


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