授業内容(2003年度)

このページは2003年度版「東京外国語大学外国語学部授業科目概要」をもとに作成しています。

●科目別インデックス
モンゴル語 I (主専攻語1年)
モンゴル語 II (主専攻語2年)
表現演習
地域科目
専修専門科目
教職科目

●教官別インデックス
蓮見治雄
 モンゴル語 I ・モンゴル旧文字教授
 モンゴル語 II ・モンゴル古典演習
 東アジア地域基礎 II・モンゴル遊牧論
 専修専門・アジア文化論 I (講義)・モンゴル英雄叙事詩講読
 専修専門・アジア文化論 I (演習)・元朝秘史講読
 専修専門・アジア文化論 I (卒演)・モンゴルの文化と風俗習慣
 教職科目・モンゴル語科教育法 I ・モンゴル語教授法

二木博史
 モンゴル語 II ・インターネットでよむモンゴル語
 地域科目・東アジア地域基礎 I ・モンゴルの歴史と社会
 専修専門・アジア地域研究 I (講義)・モンゴル近現代史(1)
 専修専門・アジア地域研究 I (講義)・モンゴル近現代史(2)
 専修専門・アジア地域研究 I (演習)・モンゴル近現代史演習
 専修専門・アジア地域研究 I (卒演)・モンゴル地域研究卒論演習

岡田和行
 モンゴル語 I ・モンゴル語基礎文法・講読
 モンゴル語 II ・モンゴル近代文学講読
 専修専門・アジア文学 I (講義)・モンゴル文学史概説(1)
 専修専門・アジア文学 I (講義)・モンゴル文学史概説(2)
 専修専門・アジア文学 I (演習)・モンゴル近代文学演習
 専修専門・アジア文学 I (卒演)・モンゴル近代文学卒論演習

温品廉三
 モンゴル語 I ・基本的な文法事項と語彙を習得するための訓練,
 モンゴル語 II ・重要な文法事項と語彙を習得するための訓練
 モンゴル語表現演習 II ・モンゴル語の作文(1)(2)
 専修専門・アジア言語研究 I (講義)・現代モンゴル語文法概説(1)(2)
 専修専門・アジア言語研究 I (演習)・モンゴル語学の諸問題(1)(2)
 専修専門・アジア言語研究 I (卒演)・モンゴル語学
 教職科目・モンゴル語科教育法 II ・モンゴル語科教育法

フレルバータル
 モンゴル語 I ・初級モンゴル語会話
 モンゴル語 II ・モンゴル語会話(中級)
 モンゴル語表現演習 I ・モンゴル語会話(上級)
 専修専門・アジア文学 I (講義)・モンゴル文学の諸問題

斎藤純男
 専修専門・アジア言語研究 I (講義)・モンゴル語の歴史

金子英一
 専修専門・アジア文化論 I (講義)・チベット・モンゴルの仏教と文化 

上村 明
 専修専門・アジア文化論 I (講義)・現代モンゴルの遊牧社会

宮脇淳子
 専修専門・アジア地域研究 I (講義)・モンゴル系民族史


モンゴル語 I (主専攻語1年)
担当教官 岡田和行
授業題目名 モンゴル語基礎文法・講読
授業の目標 現代モンゴル語の基礎文法を講義し、初級レベルの文章の読解が独力で可能となることをめざします。
教材・参考書等 モンゴル国立大学モンゴル語研究室編(岡田和行編訳)『モンゴル語教科書』、東京外国語大学教育研究協議会、1996年。(この教材は最初の授業で配布します)
受講上の注意 授業にはかならず出席し、予習と復習に多くの時間を割くようにしてください。
授業の内容・計画 授業は『モンゴル語教科書』の本文の講読と文法の説明を並行して進めます。大きく分けて、以下の項目を取り上げます。
@文字と発音、正書法
A名詞の格変化
B人称代名詞、指示代名詞、疑問詞、数詞、付属語
C動詞の活用(終止形、形動詞形、副動詞形、命令・希望形)
D文の構造と表現法
Eその他

担当教官 温品廉三
授業題目名 基本的な文法事項と語彙を習得するための訓練
授業の目標 日常の身近な事柄をモンゴル語で表現する力を養いながら、文法と語彙と発音と文字のしくみをバランスよく学ぶ。
教材・参考書等 プリントを使う。
その他、生協の『教科書一覧表』を参照のこと。
受講上の注意 復習重視。
授業の内容・計画 1.親しみやすく平易な文例(学生生活などを題材としたもの)を盛り込んだプリント版教材に取り組む。
2.基本的な文法構造と基本語彙の意味用法が体得できるような練習問題を、数多くこなす。
3.発音を重視する。主要点は次のとおり。
 1)キリル文字による単語のつづりと発音の関係
 2)日本語にない母音や子音の調音方法
 3)単語と文のイントネーション
4.単語のつづりに関しては、モンゴル文字によるつづりも同時に習得する。自習教材として「モンゴル文字練習帳」と「モンゴル文字の基礎―筆記体中心―」(プリント)を配る。
5.小テストを毎回おこなう。

担当教官 蓮見治雄
授業題目名 モンゴル旧文字教授
授業の目標 1年生にモンゴルの伝統的な文字(モンゴル旧文字)を教授し、それに習熟させる。
教材・参考書等 モンゴル旧文字の教科書(自身の監修によるもの)を使用する。
授業の内容・計画 第1学期にモンゴル旧文字の読み書きを完全にマスターさせる。第2学期にはそれに基づいてモンゴル語の作品の中から簡単な文例を挙げて読ませ、習熟させる。

担当教官 フレルバータル
授業題目名 初級モンゴル語会話
授業の目標 モンゴル語の単音・音節・語・句を正しく発音する練習と、文字を正しく書く練習をしながらモンゴル語による初級レベルの会話能力を習得する。
教材・参考書等 独自に準備した教材を用いる。
受講上の注意 出席を重視する。授業には積極的に参加すること。
授業で習った内容(単語と文)は、必ず暗記すること。
授業の内容・計画 モンゴル語に関して以下のような授業をおこなう。
1.個々の単音、音節、単語の正しい発音を習得する
2.文章を正しく読む練習をする
3.会話の練習をする
4.いろいろなテーマについて話をする
5.リスニングの練習をする
6.新しく出てきた語句をおぼえる
7.作文の練習をする


モンゴル語U(主専攻語2年)
担当教官 温品廉三
授業題目名 重要な文法事項と語彙を習得するための訓練
授業の目標 モンゴル語で様々ないろいろなことがらを表現する力をつけるとともに、文法と語彙のしくみを体系的に把握する。
教材・参考書等 1年生の授業で使ったプリントと教科書(プリントは続きを配る)
受講上の注意 復習重視。
授業の内容・計画 1.昨年度の1年生からの継続授業とする。
2.使用頻度の高い語彙を含む文章(主に、モンゴルの国語の教科書にあるもの)を読む。
3.文法・語彙面では、特に次のような事項に注目する。
 1)基本動詞と副詞の意味用法
 2)「時間」の表現・・・動詞の時制など
 3)「推量」など、文末の重要表現
 4)格語尾の用法のうち、日本語からの類推が困難なもの
 5)疑問詞の用法・・・「不定」表現など
4.作文練習(日本語からモンゴル語への短文翻訳)を積み重ねる。
5.発音を重視する。
 キリル文字のつづりと発音の関係に、常に注目する。

担当教官 二木博史
授業題目名 インターネットでよむモンゴル語
授業の目標 1.モンゴル語でかかれた社会科学分野の文献をよむための語学力をやしなうとともに、モンゴル社会に対する理解をふかめる。
2.インターネットでモンゴル語の新聞をよめるようにする。
教材・参考書等 Web版の新聞記事を使用。
受講上の注意 それぞれの新聞記事の背景にも関心をもつこと。
出席を重視する。
授業の内容・計画 最近の新聞のなかから、適当な記事をえらび、講読する。とくに、つぎの分野の文献をよむ。
1.政治の動向
2.現代社会の諸問題
3.市場経済化
4.あたらしい法律
5.開発経済
6.歴史のみなおし

担当教官 蓮見治雄
授業題目名 モンゴル古典演習
授業の目標 モンゴル語Iの学習成果にたって現代モンゴルの旧文字による作品から中世モンゴル語までの作品を自力で読めるようにするための基礎を作る。
教材・参考書等 プリントによる。参考書類についてはその都度紹介する。
授業の内容・計画 第1学期にモンゴル旧文字の現代作品を読ませる。これに続いて、第2学期には徐々に時代を遡りモンゴル語の古典中の古典、モンゴル秘史の旧文字版に親しませる。この際、単に文学作品に習熟させるのみならず、その作品当時の文化的、歴史的、社会的状況についても講義する。

担当教官 岡田和行
授業題目名 モンゴル近代文学講読
授業の目標 現代モンゴル語の基礎文法の修得をふまえ、近代文学のテキストを講読し、モンゴル語の読解力と表現力の向上をめざします。
教材・参考書等 モンゴル国立大学モンゴル語研究室編(岡田和行編訳)『モンゴル語教科書』、東京外国語大学語学教育研究協議会、1996年。
『教科書』終了後の講読用テキストはプリントで配布します。
受講上の注意 授業では毎回、名簿順に対訳を発表してもらいますので、出席と予習を怠らないこと。
授業の内容・計画 1年次に使用した『モンゴル語教科書』の残りの部分を読み終えたのち、テキストは未定ですが、近代文学の中から比較的平易な作品を選んで講読します。

担当教官 フレルバータル
授業題目名 モンゴル語会話(中級)
授業の目標 Нэгдvгээр ангид олсон анхан шатны мэдлэгт
 тулгуурлан монгол хэлээр зθв сайн унших, сонсоод
 ойлгох, ойлгосноо ярих, харилцан ярих θгvvлбэр
 зvйн дунд тvвшний мэдлэг, чадвар, дадлыг олгоход
 чиглэнэ.
成績評価の方法 1.Хичээлийн оролцоо, идэвх, даалгавар гvйцэтгэсэн
 байдлаар
2.Улирлын тθгсгθлд ярих чадвараар шалгалт авна
受講上の注意 Оюутан хичээлд тогтмол суух, даалгавар гvйцэтгэх,
 багшаас асуух, чθлθθт техстэй ажилласан байдал,
 хичээлд тасралтгvй оролцох шаардлага тавина.
授業の内容・計画 -Техст дээр ажиллах/унших, ойлгох, ярих, асуултад 
хариулах/
-Vгийн санг баяжуулахад чиглэсэн дасгал ажлууд
-Сонсох дасгалууд
-Хэл зvгшvvлэх, зθв дуудах дасгалууд
-Чθлθθт яриа
-Харилцан яриа
-Vг тогтоох дасгал
-Толь бичигтэй ажиллах
-Монгол хэлний дvрмийн мэдлэг олгох
-Θгvvлбэр зохион бичих, найруулах дасгалууд
-Тусгай θгθгдθхvvн дээр ажиллах /зураг, ном, 
угсаатны болон зан заншлын θгθгдθхvvн гэх мэт/
-Монгол аман зохиолын бvтээлvvдтэй танилцах
зэрэг олон ажилбараас хичээлд сонгон хэрэглэнэ.
  


表現演習
担当教官 フレルバータル
授業科目名 モンゴル語表現演習 I
授業題目名 モンゴル語会話(上級)
授業の目標 Дунд тvвшинд олсон мэдлэгт тулгуурлан монгол
 хэлээр харилцах, бодол санаагаа чθлθθтэй
 илэрхийлэх, бичих, монгол vсгийн дvрэм, vг зvй,
 θгvvлбэр зvйн, vгийн сан, утга зvйн системтэй
 мэдлэг олгоход хичээлийн зорилго оршино.
受講上の注意 Оюутан хичээлд тогтмол идэвхтэй оролцох, 
даалгаврыг цагт нь биелvvлэх, багштай чθлθθтэй
хамтран ажиллах, ярих, монгол орны талаар
сонирхон бие дааж мэдлэгээ нэмэгдvvлэх, тодорхой
сэдвээр реферат бичих шаардлага тавина. 
授業の内容・計画 -Монгол хэлний ярианы дадлага
-Зθв, цэвэр дуудах /хэлэх/ дасгал
-Техст дээр ажиллаж утга санааг ярилцах
-Монгол хэлний vг холбох ёс, θгvvлбэр бvтээх
 дасгал
-Сонсоголын дасгал
-Зохион ба найруулан бичих дадлага
-Холбоо ба хоршоо vг, харилцан утгийг тайлах
 дасгал
-Vгийн санг баяжуулах дасгал
-чθлθθт ярилцлага 

担当教官 温品廉三
授業科目名 モンゴル語表現演習U
授業題目名 モンゴル語の作文(1)(2)
授業の目標 語彙と文法の基本事項をまとめなおしながら、幅広い応用が効くような表現力を養成する。
教材・参考書等 プリント
 1)演習問題
 2)参考文例集(いろいろな分野から抜粋したモンゴル現代文)
 3)基本語彙集
受講上の注意 4月の初回はオリエンテーションとし、小テストをおこなう。
授業の内容・計画 日本語からモンゴル語への翻訳練習を積み重ねる。
 1.重要語句と基本構文を網羅的にとりあげる。
 2.どうすればモンゴル語らしい表現になるかを、細かく考えてゆく。
 3.年間を通じて、文例プリントを読み進めながら利用できる表現を採取する。


地域科目
担当教官 二木博史
授業科目名 東アジア地域基礎 I 
授業題目名 モンゴルの歴史と社会
授業の目標 1.モンゴルの歴史、文化、政治、経済の基本的事項を講義し、伝統と近代化、進行中の変革を総合的に理解できるようにする。
2.モンゴル研究入門的性格をもたせる。
教材・参考書等 授業中に指示する。
受講上の注意 出席を重視する。
ゼミナール形式の授業にさいしては、積極的な討論への参加がもとめられる。
授業の内容・計画 1.前期は、講義形式ですすめる。とくにつぎの項目を重点的に講義する。
 a.遊牧社会をうみだした地理的環境
 b.内陸アジア史としてのモンゴル史
 c.民主化(1990年革命)
 d.脱社会主義化
 e.現代モンゴル社会の諸問題

2.後期はゼミナールと講義を並行してすすめる。学生がレポートにもとづいて口頭発表し、他の学生からの質問・コメントにこたえる。最終的に、完成したレポートを提出する。

担当教官 蓮見治雄
授業科目名 東アジア地域基礎U
授業題目名 モンゴル遊牧論
授業の目標 チンギス・ハーン前後から説き起こし、現代まで約700年間のモンゴル族の基本的生産様式であった遊牧について論じ、併せて遊牧の補完的役割を担っていた狩猟についても論じる。これによってモンゴル人の思考様式・世界観・死生観などについても理解させる。
教材・参考書等 プリントによる。参考書類についてはその都度紹介する。
受講上の注意 人類学や歴史学の授業を履修することが望ましい。
授業の内容・計画  モンゴル族について書かれた最初の文献は『旧唐書』『室韋伝』だといわれている。それらモンゴル族に関する記述を持つ資料から始まって、約1000年間のモンゴル族の歴史、文化、社会構造などについて略述する。このような流れの中で、モンゴル族が何故に遊牧や狩猟をその主な生産様式としてきたかについて概説する。これらのことを十分に理解させるために、モンゴルの遊牧、狩猟について詳述する。


専修専門科目
担当教官 温品廉三
授業科目名 アジア言語研究 I 講義
授業題目名 現代モンゴル語文法概説(1)(2)
授業の目標 現代モンゴル語文法の重要点を概観する。
教材・参考書等 プリント。
受講上の注意 4月の最初の2回はオリエンテーションとする。年間予定を概説するとともに、簡単な口頭テストをおこなう。また、受講者の要望も聴取する。
授業の内容・計画 次のような項目をとりあげ、問題点を指摘する。
1.文のモダリティー(文末表現と副詞句)
2.動詞の態、相、時制、法
3.補助動詞としての用法をもつ動詞
4.動詞連体形の名詞的用法
5.再帰語尾の諸用法
6.格と動詞の関係(「移動動詞」の場合など)
7.否定表現の諸相
8.従属節における時制
9.接続表現
10.語形成の接尾辞
随時、演習問題も準備する。

担当教官 温品廉三
授業科目名 アジア言語研究 I 演習
授業題目名 モンゴル語学の諸問題(1)(2)
授業の目標 モンゴル語研究に必要な基本文献を読みながら、どのような事柄が言語学的に問題となるかを指摘する。
教材・参考書等 プリント。参考書は、随時紹介する。
授業の内容・計画 主に、モンゴル語で書かれたものを講読する。
次に挙げたものの中から参加者の興味と関心を考慮して選ぶ。
1.平易に書かれた一般向き文法解説書・語彙論解説書
2.モンゴル国の研究者による文法書
3.内モンゴルの研究者による文法書
4.個別の研究テーマに関する文献

必要に応じて、モンゴル語以外の言語で書かれた文献も取りあげる。

担当教官 温品廉三
授業科目名 アジア言語研究 I 卒演
授業題目名 モンゴル語学 (1)(2)
授業の目標 卒論の執筆を順調にすすめるために、必要な討論と思考をくり返す。
教材・参考書等 各人に必要なものを、演習をすすめながら指示する。
授業の内容・計画 1) 毎回、進行状況を口頭または文書で報告する。
報告に基づいて、検討すべき点を検討する。
2) 4月の第一回目は、春休み明け発表会とする。
 昨年度のうちに決めた自分のテーマに関して春休み中にどのように考察をおこなったかを簡潔に報告できるよう準備されたい。

担当教官 斎藤純男(さいとう・よしお)
授業科目名 アジア言語研究 I 講義
授業題目名 モンゴル語の歴史
授業の目標 モンゴル語の史的変遷について基本的なことがらを理解する。
授業の内容・計画   1過去の文献に記録されたモンゴル語の概説
ウイグル字・パクパ字・漢字・アラビア字・アルメニア字・ハングル・マンジュ字・モンゴル字・トド字・ソヨンボ字などで書かれたモンゴル語の文献とその言語的特徴について概説する。
2現代モンゴル諸言語の概説
西はカスピ海沿岸から東は中国東北地方にまで広がっている現代モンゴル語の諸言語・諸方言について概説する。
3 過去の文献の購読
ウイグル字・パクパ字・アラビア字・ハングルなどで書かれた文献を読みながらモンゴル語の歴史を考える。
4 過去の文献の購読
最後に、ウイグル文字・パクパ文字・アラビア文字・ハングルなどで書かれた文献を実際に読みながら、モンゴル語の歴史を考える。

担当教官 金子英一
授業科目名 アジア文化論 I 講義
授業題目名 チベット・モンゴルの仏教と文化
授業の目標 チベット文学における仏教の影響
教材・参考書等 @プリント配布
A『大臣記』
B『頓悟大乗正理決』
C『ミラレパ伝』
Dケサル武勲詩
授業の内容・計画 チベット初期仏教の基本的理解のために当時のインド後期仏教と中国仏教の状況を『頓悟大乗正理決』から見る。
 民間信仰とボン教が仏教の受容にどのように関わったかを『大臣記』『ケサル武勲詩』の中から検討する。
それらから中世のニンマ派、カーギュ派、サキャ派、ゲール派の教理を知るために、『ミラレパ伝』『七蔵』『菩提道次第』等を購読する。

担当教官 蓮見治雄
授業科目名 アジア文化論 I 講義
授業題目名 モンゴル英雄叙事詩 講読
授業の目標 モンゴルの語り物の主要なジャンルである叙事詩を将来受講者が独力で学習しうる能力を身に付けることを目標とする。
教材・参考書等 担当教官の著書を利用し、必要に応じて、プリントを配布し、参考書類に関してはその都度紹介する。
受講上の注意 授業科目「モンゴル文学研究」と共通。
人類学や歴史学・比較文学の授業を履修していることが望ましい。
授業の内容・計画 モンゴルには現在まで約250種の叙事詩が伝承されているという。そのうち担当教官の利用し得るのは約100種類である。この授業では担当教官の著書を基礎として多くの叙事詩の構造や問題点について論じつつ、受講者に一種類ずつの叙事詩を読ませ、各々に報告させる。

担当教官 蓮見治雄
授業科目名 アジア文化論 I 演習
授業題目名 元朝秘史講読
授業の目標 漢字音訳元朝秘史を各受講者が独力で扱い得る力量を身につけさせる。
教材・参考書等 担当教官の著書を利用し、必要に応じて、プリントを配布し、参考書類に関してはその都度紹介する。
受講上の注意 授業科目「モンゴル語学演習」と共通。
人類学や歴史学・比較文学の授業を履修していることが望ましい。
授業の内容・計画 この講義では、漢字音訳のシステムについて論じ、その上にたって元朝秘史の原文を読ませ、一字一句詳細に解説する。又、そもそも元朝秘史とは何であったのかについて多角的に検討を加えていきたい。

担当教官 蓮見治雄
授業科目名 アジア文化論 I 卒演
授業題目名 モンゴルの文化と風俗習慣
授業の目標 各受講者の研究テーマに沿って指導し、論文を完成させる。
教材・参考書等 参考書等に関してはその都度紹介する。
受講上の注意 文化人類学・歴史学・比較文学などの授業を履修していることが望ましい。
授業の内容・計画 第一学期に各受講者の研究テーマに沿って論文題目をしっかりと設定させる。それにしたがって、二学期以降論文の完成を見つつ助言を与え、又、各受講者に発表させ、それについて受講者間で批判検討させる。

担当教官 上村 明
授業科目名 アジア文化論 I 講義
授業題目名 現代モンゴルの遊牧社会
授業の目標 モンゴル国で現在おこっている「遊牧」をめぐる諸問題を的確に理解するための基本的知識と方法を習得することを目指します。
教材・参考書等 1)Humphrey,C and Sneath, D. 1999.The End of Nomadism?: Society, State and the Environment in Inner Asia, Duke University Press: Durham.
2)島崎美代子・長沢孝司(編)1999.『モンゴルの家族とコミュニティ開発』日本経済新聞社。
3)小長谷有紀(編)1997.『暮らしがわかるアジア読本−モンゴル−』河出書房新社。
 授業で使用する資料は、教務課で配布します。また、以下のホームページにもリンクをおいておきますので、各自ダウンロードすること。
http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/kamimura/pastoralism.html
受講上の注意 1月6−9日の4日間の集中講義です。履修者は、自分なりの問題意識をもって、あらかじめ資料を入手し目をとおしておくことが求められます。
授業の内容・計画 [授業内容]
 モンゴル国における遊牧は、1990年代からの市場経済化のながれや近年連続して起こっている自然災害の影響により、大きな転機を迎えようとしています。
 この授業では、
1)モンゴル国を中心とする内陸アジアの自然環境の中での遊牧という生業の基本的しくみを理解し、
2)それを行う人々の親族関係、社会制度、土地利用について歴史的に概観します。
そして、90年以降おきている変化、とくに、
3)「最遊牧化」といわれる社会現象とゾド(自然災害)について、
4)国際機関の勧告後に成立した土地法がモンゴル国の遊牧にどのような影響を及ぼすかなど、「グローバリズム」の影響について考えます。
[授業のすすめ方]
授業は、一日を単位とし、A)講義、B)映像や出版資料の参照、C)討論、D)授業のまとめや感想、質問のペーパーを書くという順ですすめます。

担当教官 岡田和行
授業科目名 アジア文学 I 講義
授業題目名 モンゴル文学史概説(1)
授業の目標 モンゴル古典文学を通史的に概説し、文学史上の基本的事項の習得をめざします。
教材・参考書等 岡田和行・上村明・海野未来雄『アジア理解講座「モンゴル文学を味わう」報告書』(国際交流基金アジアセンター、1999年)を使用するほか、随時プリントを配布します。
受講上の注意 2年次から受講可とします。モンゴル近代文学の分野で卒論・卒研を予定している学生は受講してください。
授業の内容・計画 1学期は、口承文芸の諸ジャンルを概観したのち、前古典期文学(『元朝秘史』など)、古典期文学(『蒙古源流』『黄金史』『ゲセル・ハーン物語』『ジャンガル物語』など)、近世文学(ダンザン・ラブジャー、ホーリチ・サンダグ、ゲレクバルサン、ロブサンドンドブ、インジャンナシ、イシダンザンワンジル、ヒシグバトなど)の時代順に、代表的な作品を取り上げながら概説します。

担当教官 岡田和行
授業科目名 アジア文学 I 講義
授業題目名 モンゴル文学史概説(2)
授業の目標 1921年の「人民革命」以降の近代文学史を概説し、その波乱に富んだ歴史の把握をめざします。
教材・参考書等 岡田和行・上村明・海野未来雄『アジア理解講座「モンゴル文学を味わう」報告書』(国際交流基金アジアセンター、1999年)を使用するほか、随時プリントを配布します。
受講上の注意 2年次から受講可とします。モンゴル近代文学の分野で卒論・卒研を予定している学生は受講してください。
授業の内容・計画 2学期は、社会主義時代の「公式的」文学史を批判的に再構成しながら、近代文学史を概説します。各期を代表する作家や作品を、当時の党・政府の文芸政策、現代史との関連の中で取り上げます。

担当教官 岡田和行
授業科目名 アジア文学 I 演習
授業題目名 モンゴル近代文学演習(1)(2)
授業の目標 小説、評論、回想などを講読し、モンゴル近代文学への理解を深めるとともに、モンゴル語テキストの精緻な解釈が可能となるようめざします。
教材・参考書等 Цэндийн Дамдинсvрэн, 《Бvрэн тvvвэр》, "Интерпресс"
хэвлэлийн газар,1998.
(教材はプリントで配布します)
受講上の注意 テキストの対訳者は輪番制とします。モンゴル文学に対する基本的な理解が前提となりますので、アジア文学 I の講義(モンゴル文学史概説)も履修するようにしてください。また、モンゴル近代文学の分野で卒論・卒研を予定している学生は受講してください。
授業の内容・計画 昨年度購読した、Ts.ダムディンスレン(1908〜86年)の処女小説『捨てられた娘』(1929年)に続き、今年度も同じダムディンスレンの40年代から60年代にかけて書かれたいくつかの短編小説を購読します。自然主義的なリアリズムの手法を駆使して書かれた『捨てられた娘』と異なり、<社会主義リアリズム>が<移植>された後に書かれた40年代以降の作品には、「二人とも私の息子」(1943年)や「ソリの変貌」(1944年)のような図式主義的な傾向が顕著な小説もありますが、「鈍牛ゴンボ」(1953年)や「妖怪」(1964年)のように、主人公の人間像が<社会主義リアリズム>に反するとして、当局の激しい批判にさらされた小説もあります。テキストは1998年の生誕90周年を記念してインタープレス社から出版された『全集』を使用します。
 1学期は1940〜50年代の小説を中心に購読します。
 2学期は1960年代の小説を中心に購読します。

担当教官 岡田和行
授業科目名 アジア文学 I 卒演
授業題目名 モンゴル近代文学卒論演習(1)(2)
授業の目標 1921年の「人民革命」以降のモンゴル近代文学の分野で卒論を執筆する学生を対象として開講します。モンゴル古典文学(書面文学)とモンゴル口承文芸を対象とする卒論でも、テーマによっては指導可能です。
教材・参考書等 演習の中で適宜指示します。
受講上の注意 アジア文学 I の講義と演習(モンゴル文学史概説(1)(2)とモンゴル近代文学演習(1)(2))をすでに履修したか、並行して履修していることが望ましい。
授業の内容・計画 @最初に、卒論のテーマを選んだ理由、卒論の方針と目標などについて発表してもらいます。
A卒論の進捗状況について定期的に報告してもらい、これに対して必要な指示を与えます。受講者のテーマが近い場合は、関係文献の輪読を行います。
Bその他、必要に応じて、個別的な指導を行います。

担当教官 フレルバータル
授業科目名 アジア文学I 講義
授業題目名 モンゴル文学の諸問題
授業の目標 Монголын уран зохиолоор мэргэших хичээлээр, 
аман ба эрт, эдvгээгийн уран зохиолын тvvх, онол,
арга зvйн vндсэн асуудлаар мэдлэг олгох, зθвлθгθθ
θгθх, θгvvлэл, илтгэл, vнэлэлт, шvvмж бичvvлэх, бичсэн
зvйлий нь хэлэлцэх, шvvмжлэн маргах;
教材・参考書等 Дээрх сэдэвт холбогдох эх зохиол, судалгаа 
шинжилгээний бvтээлvvдийг тус сургуулийн номын 
сангаас авч ашиглах;
受講上の注意 Оюутнууд, тухайн хичээл сургалтад идэвхтэй
оролцож, θθрт ноогдсон даалгавар, vvрэгт ажил,
тараах, хэлэлцvvлэх материалыг цаг тухайд нь 
гvйцэтгэж, багштай байнга харилцаатай байх;
授業の内容・計画 Энэхvv мэргэжлийн хичээлээр, монголын аман 
ба эрт, эдvгээгийн уран зохиолын тvvх, онол, арга 
зvйн vндсэн гол асуудлын хvрээнд: уламжлал 
шинэчлэл, аман ба бичгийн зохиолын харьцаа, утга 
зохиолын хэлхээ холбоо, утга зохиолын харьцуулсан 
судалгааны ара гэсэн багц сэдвийн хvрээнд мэдлэг 
олгоно.

担当教官 二木博史
授業科目名 アジア地域研究 I 講義
地域専門と共通
授業題目名 モンゴル近現代史(1)
授業の目標 モンゴル近現代史に関する基礎的な知識をみにつける。
教材・参考書等 授業中に指示する。
受講上の注意 「モンゴル地域研究卒論演習」で卒論をかくものは、原則として、この科目を履修すること。
「モンゴル近現代史(2)」(後期)もあわせて受講することが、のぞましい。
授業の内容・計画 1.清代のモンゴル社会
2.清朝の対モンゴル政策の変更
3.1911年革命のプロセス
4.1910年代の国際関係
5.1910年代の内モンゴル

担当教官 二木博史
授業科目名 アジア地域研究I 講義
地域専門と共通
授業題目名 モンゴル近現代史(2)
授業の目標 モンゴル近現代史に関する基礎的な知識をみにつける。
教材・参考書等 授業中に指示する。
受講上の注意 「モンゴル地域研究卒論演習」で卒論をかくものは、原則として、この科目を履修すること。
「モンゴル近現代史(1)」(前期)もあわせて受講することが、のぞましい。
授業の内容・計画 1.ロシア革命とブリヤート=モンゴル人の民族運動
2.1921年のモンゴル革命のプロセス
3.1920年代の内モンゴル人民革命党の運動
4.日本支配期の内モンゴル
5.日本敗戦後の内モンゴルにおける民族運動

担当教官 二木博史
授業科目名 アジア地域研究 I 演習
授業題目名 モンゴル近現代史演習

モンゴルの歴史、社会、文化をさまざまな角度から研究するためのゼミです。

 2001年度は、ハンガリーの学者が出版した、19世紀後半、20世紀はじめの、モンゴルの政治的預言をあつめた本を材料にして、「近代国家」成立以前の「政治と宗教の関係」をかんがえることを中心的課題にしました。

 2002年度は、モンゴルで出版された研究書を主テキストに、テレビから録画した映像資料なども参考にして、1990年のモンゴルの「民主化」をあらためて検証するという作業をおこないました。日本の各紙に当時、掲載された民主化関連記事のほうが、ある意味ではモンゴルの出版物より客観的で、場合によってはより詳細だということがわかり、新聞を資料としてつかう古典的方法が、現代モンゴル研究の場合は、いまでもかなり有効だということが確認されました。

 2003年度は、「モンゴルと中国の関係」という、かなり大雑把なテーマを設定し、中国内の内モンゴルの状況も視野にいれながら、20世紀のモンゴル・中国関係史を検討してみるつもりです。

 この数年は、モンゴルや内モンゴルからの留学生が、かなりゼミに参加して授業をもりあげてくれています。卒論ゼミにも、このところ3年つづけて、留学生がくわわっています。日本人学生にとって、みぢかに留学生がいるのは、直接さまざまな情報がえられるという点でも、多様な考え方に接することができるという点でも、たいへんやくにたっているようです。

 わたし自身は、この10年ほどは、パンモンゴリズム(汎モンゴル主義)を視野にいれながら、1910、20年代のモンゴル民族の歴史の研究におもにとりくんできました。最近はそれにくわえ、「満州国・蒙疆政権時代の内モンゴルに対する日本の啓蒙政策と内モンゴル人の対応」という共同プロジェクトをすすめていて、ふるいモンゴル語の新聞・雑誌をよんだり、中国の内モンゴルにでかけていって、80才をこえたおじいさんやおばあさんたちにインタビューしたりしています。そのほか17−19世紀のモンゴル法制史・社会史、年代記・伝記、民間信仰の研究もつづけています。

担当教官 二木博史
授業科目名 アジア地域研究I 卒演
授業題目名 モンゴル地域研究卒論演習(1)(2)
授業の目標 モンゴルの歴史、社会、文化、政治、経済にかかわるテーマで卒論をかく学生に研究方法などの指導をおこなう。
教材・参考書等 演習のなかで個別的に指示する。
授業の内容・計画 学生の報告を中心に、ゼミ形式ですすめる。

担当教官 宮脇淳子
授業科目名 アジア地域研究 I 講義
授業題目名 モンゴル系民族史
授業の目標 13世紀に世界帝国を建国したモンゴル遊牧民の形成と、その後の変遷をたどる。
教材・参考書等 毎回プリントを配布する。
教材は宮脇淳子『モンゴルの歴史』(刀水書房)。
参考書は、
同『最後の遊牧帝国』(講談社)
岡田英弘『モンゴル帝国の興亡』(筑摩書房)
受講上の注意 出席を取る。授業への参加の度合も、成績評価に加味する。
授業の内容・計画 一年を通じて、時代順に以下の事項を取り上げる。受講生には、最初の講義時間に、1回ごとの授業内容を記した詳細なシラバスを配布する。
@モンゴル帝国以前:紀元前一千年、中央ユーラシア草原に史上初の遊牧騎馬民が誕生してから、匈奴、鮮卑、突厥をへてモンゴルが登場するまで。
Aモンゴル帝国時代:遊牧帝国のしくみと、東西文明の交流, モンゴル帝国から始まった世界史
Bモンゴル帝国以後:新しいモンゴル民族の形成とオイラト遊牧部族連合との抗争、ロシアと清朝の勃興により独立を失う過程から20世紀モンゴルの民族運動に至る


教職科目

担当教官 蓮見治雄
授業科目名 モンゴル語科教育法 I
授業題目名 モンゴル語教授法
授業の目標 モンゴル語の音韻・音声・文法・文体の各面からシステマティックに整理させることを目標にする。
教材・参考書等 現代モンゴル語(1960年、ウランバートル)を用いる。参考書等についてはその都度紹介する。
受講上の注意 言語学を履修していることが望ましい。
授業の内容・計画 第一学期は教材に基づいてモンゴル語を整理させ、その上で、第二学期にはモンゴル語の音韻・音声・文法・文体等の教案を作らせる。その際、日本人にとって、モンゴル語を学習する際どんな困難があるかについて報告させ、その困難を教育の現場でどう正しく克服するかなど、未解決な諸問題についても論じるつもりである。

担当教官 温品廉三
授業科目名 モンゴル語科教育法II
授業題目名 モンゴル語科教育法
授業の目標 モンゴル語教育に必要なものは何かを考える。
教材・参考書等 4月に指示する。
授業の内容・計画 1.モンゴル語に関する知識を幅広いものにするために必要と思われる文献を厳選して読む。
2.学習者の意欲を持続させるためにはどのような授業をすればよいのかを討論する。


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