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2022年9月 アーカイブ

2022年9月19日

夏の終わりに

目下、巨大な台風が襲来しつつあるときに「夏の終わり」というのもナンだが、さすがに残暑もそろそろ終わるだろう。拙ブログを読んでくださっているみなさまには、どんな夏だっただろうか。
当方にはここ数年来しかかっていた古典(G.F.クナップの貨幣論)の翻訳がようやく終盤に差し掛かり、その関連で名古屋や岡山に出張した。名古屋は貨幣ミュージアムで古い外貨の資料調査をさせてもらい、その後2019年以来3年ぶりに飛騨高山を研究仲間らと訪れて、三年前に知った地域通貨のさるぼぼやエネポのことをより深く知った。岡山は岡山商科大学の図書館にこもり、短いながらも久しぶりのアーカイヴワークに勤しんだ。クナップの翻訳は立教大名誉教授のK先生を第一訳者にお願いし、2018年9月以来、4年というか足かけ5年というか、細く長く取り組んだ。途中からコロナ禍で、まあいろいろあったが、何とか年内刊行を目指して、あと一息!この連休は索引作業をやっている(これが意外と時間がかかる)。

この夏はもう一つ、能登の七尾に住む友人を訪ねつつ、友人数名で金沢~七尾へと旅行に行ってきた。純粋に「休暇」でこういう旅行をするのはいつ以来だろう?(何なら院生時代以来かも?)ひとつの目当ては無名塾の公演「いのちぼうにふろう物語」であった。ちょっと変なタイトルだが、山本周五郎の作品を原作にした時代劇とのことで、お上は金と陰謀にまみれて存続し、地べたに生きる者たちがトカゲのしっぽを切られるように「いのちをぼうにふる」構造が、現代をも突く。89歳の仲代達矢さんは衰えを感じさせない素晴らしい演技で魅了し、現地の地形を活かして後ろへ開かれる構造の演劇堂は雄大で素晴らしかった。それに友人たちとたくさんしゃべって飲んで食べて寝て、ああ、身体がほぐれたー。能登は魚が美味しいのはもちろんだが、稲作もずいぶん盛んでコメがとても美味しい!という発見もあり、至福の夏休みであった。

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