拙ブログにもときどき書かせていただいているが、わが前任校は熊大文学部歴史学科文化史学講座で、1995年から5年間務めさせていただいた。初めての勤めである。ウィーンから帰ってきたばかりのへんてこりんな新米教師にあらゆることを教えてくださったのが、小松裕先生である。
その小松先生が3月25日に亡くなられた。享年60歳。あまりに若すぎる死である。いそいで駆け付けたが通夜には間に合わず、昨日の葬儀にのみ列席させていただいた。なつかしい元同僚の先生方や卒業生たちに会い、言葉も出ずにみんなが涙を流した。
熊大の卒業式は例年3月25日に行われ、この日は一日中お祝いをする。外ではたいてい桜がほころんでいる。みんなこの日に巣立っていったのだ。小松先生は目下闘病中だったが、この日にはぜひ大学に戻ってきたいと考えていたに違いない。
まさにその日に旅立った小松先生の心中を想い、卒業生たちと「小松さん、どんだけ熊大好きなんだ?」と軽口をたたいたが、毎年この日が来るたびに、小松先生を思い出すだろう。
(壇上を飾ったお花を少し分けていただいた。美しく咲いています。ありがとうございますー)研究に教育に全力を尽くして駆け抜けた人生、お疲れ様でした。どうか安らかにお休みください。