原稿依頼があるたびに拙ブログが失語するサイクルをやめなければと思うのだが、またしばらく失語して失礼いたしましたー。春のまだ肌寒い頃に農文協の編集Aさんから『季刊地域』という雑誌に原稿をという依頼をいただき、光栄に感じるとともに、何か書くに足ることを書けるんだろうかという不安にかられ、またもや最後まで(まだ、あと一息というところですが)確証がもてなかったのであった。先日も書いたとおり漁業はひそかにマイブームであり、学部のグロスタ講義では「食べることのグローバルスタディーズ」をテーマにして「食」と「生業(なりわい)」を考えようという始まりの頃だったので、わーどうしよう、どんなテーマで書けるかしらとあれこれ夢想したりもしたのだが、Aさん、編集長さんとおめにかかって話しを伺うと「オカネの話を書いてください」とのこと。あ、そうですよねーアベノミクス、金融緩和、そうそうレントの問題ですねー。ちーん。(はい、分をわきまえることが大切です)で、オカネの話を書いたのですが、Aさんがこれまた凄腕な編集様で、きわめて的確な指摘でダメ出しを(ええ、それも何度も)してくださり、ありがたいやら辛いやら、5月の日々はこれに追われて過ぎた。ところでここへきて、連日上がり続けていた株価が乱高下し始めた。まーそもそも期待感だけで始まった株高がバブらないはずがない。浮かれ気分の株主さまたちもホッと一息、いや心穏やかでないというところか。『季刊地域』の発売はたしか7月初旬だが、果たしてその頃、株価はどうなっていることやらー。
そんな折、24日(金)はS.ラトゥーシュが日仏学院で講演し、N谷ボスがコメンテーターということで、506付近の数名で聞きに行った。まさかの(いや、失礼)満員御礼!ガルブレイスの『豊かな社会』から説き起こし「ゆたかさのまやかしから簡素な豊かさへ」というテーマで、消費社会の批判へ。同時通訳のビミョーさはあったが、たいへん興味深い講演であった。簡素な豊かさは穏やかな経済(J.ラスキン)にも通じるヴィジョンであり、やはりこのあたりを中心につめて考えることが急務であるのは間違いない