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オリンピックより面白い?

毎日毎日暑いが、ともあれ8月、夏休みである。やや追い詰められた仕事があるのだが(いやなに、原稿と原稿と原稿ですわ)、金曜日は映画の試写会と首相官邸前デモ、昨日は久しぶりにワセダ若手の研究会で楽しい週末であった。映画は下記の「歌えマチグワー」、最近某仕事がらみで知り合いになったN田さんの初監督作品である。

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沖縄の栄町市場がシャッター街になりかけて...というテーマの音楽満載映画であるが、山梨を舞台にした「サウダージ」などに比べると圧倒的に明るい!とりわけ「おばあラッパーズ」は必見である。それから、イチバで売られている食物がおいしそうで食べたくなるので、空腹状態で観ると辛いかもしれない(?)。8月25日(土)からイメージフォーラムでレイトショーとのこと。みなさまぜひお運びをー(トークショーなんかもあるらしい)。

音楽映画でノリを得たまま、試写会に一緒に行った若者1名と一緒に首相官邸前へ行ったため、二人はおのずと(?)ノリのいい場所を求めて彷徨い、またもや国会議事堂正面に辿りついてしまった。ファミリースペースでまったりと歌う「ふるさと」(いつも19時になると歌うらしい)も悪くなかったが、なおも飽き足らず道路の反対側のニギヤカな一角へ。ちなみにファミリースペースでは、いかにも「一般庶民がデモに参加するようになりました」という結論ありきの写真を撮ってすぐに去るメディア関係者の存在がうっとうしかった。デモの報道をするようになったのはいいのだが、相変わらずどこか信用できない人々に見えてしまう。さて、賑やかな一角では、人だかりでよく見えなかったが、ノリのいいミュージシャンたちが即興演奏のようなものをやっている。リズムに合わせてしばらく揺れていると、ときどきリズムに変化があり、みんなで「サイカドーハンタイ」(ときには「ジンジアン、テッカイ」とか「ゲンパツ、イラナイ」とか言っている人もいる)を連呼するのだ。20時ちょい前までそこで楽しんで帰路についた。この日も何万人もの人が参加したらしい。もちろん、それだけ市民の意識が高まってきているということなのだが、しかし街に出て声を挙げたり身体を動かしたりし、新しい人々と出会ったりするのは、実は家のテレビでオリンピックを観ているよりおもしろいのかもしれない!

土曜日のワセダの「人種研」は安田浩一『ネットと愛国』(講談社)がテキストであった。ネタ的にどうかな感があったので図書館で借りて済まそうと思ったが、世田谷区の図書館ネットワークの貸し出し希望者の予約30人目と言われてやむなく購入。たしかに3か月弱で5刷というバカ売れぶりである。で、内容もおもしろかった。研究会では、政治学関係、哲学・思想関係のメンバーたちの議論がまた大いに盛り上がった。もちろんわれらが社会の抱えるこの闇の問題は根深いのだがー。 しかしひょっとすると、この本に出てくるデモに集う人々も、きっかけはまったく違うが街頭での発散がオリンピック観戦より面白いという側面があるのでは...という思いが頭をかすめる。それじゃあデモのイデオロギーっていったい... 

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2012年8月 5日 22:11に投稿されたエントリーのページです。

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