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あきらめない

大飯原発3,4号機の再稼働(野田首相はなぜいつも再起動というんだろう?パソコンじゃないんだから!)が正式決定されて、腹立たしいことこの上ない。と思うのは当方だけでなく、多くの一般市民である。今日はアクティブな反対派が福井に乗り込んで反対アピールを展開したはずだ。金銭的、時間的に余裕がある人が祝祭的に行うこのような活動は重要だし、行ったら地元で食事などもするだろうから経済効果もあるだろう。しかし大飯町の人びとが求めているのは何かもう少し別のものではないだろうかとも思ったりする。そこでふと、大飯町のホームページに行ってみた。

とりあえず6月14日(大飯町長と県知事が対談した日だ)付で「原発カレンダーつくりました」というお知らせとその旧態依然たる内容にはぶっとんだが、(http://www.town.ohi.fukui.jp/sypher/open_imgs/info//0000000061_0000003777.pdf)結局原発を支えるものには、かつてと同じ戦略、同じロジックしかないのだとあらためて思う。一年の半ばを過ぎようとする季節にカレンダーとは滑稽ではないか!とはいえ「原子力広報用町民カレンダー原画コンクール」を「未来のおおい町」というテーマにし、子どもたちに絵を描かせているところが何ともあざとい。しかしもっと重要に思われるのは、4月26日の町民向け説明会の記録である。後半の質疑応答が興味深い。町民の何人もが地震が来た場合の不安を訴え、また数値を出して再稼働にかなり批判的な見解を示しているお坊さんもいる(うーん福井県だなー)。ところがそれに対するY澤とかいう大臣や資源エネ庁、ふあんいんメンバーらの説明は実に慇懃無礼であり、結局「なるべく安全にします」とか「来年には○○ができます」という回答しかない。これがN首相やY野らの「丁寧に説明し、すべてではないにしてもご理解をいただいた」というものの中身なのだ。(さすがに「すべてではないにしても」をつけたのは、自分でもやましかったからだろうか。)どんなに批判が出ても、そしてこれにこたえることができていなくても、「批判意見は聞きました」と言ってすませる自称「民主主義」である。しかもその後、「長」とつく者をむりやり説得し(=脅し)、了解したという形をとりつけて、採決すらも行わない。大飯町、福井に限らないが、こうしたやり方はまことに人々を愚弄するものである。
さて質疑の最後の発言に、こうある。「...小さな町から発信する声というのはか細い。大都市から言われる荒波にのまれそうな雰囲気である。どうかそういうことに対し、国には適切に対応してほしい。...早く方向性を決めて、わが町の住民の安寧を取り戻していただきたい」
これを、国任せの「薬物依存体質」だと切って捨てることも可能かもしれない。しかし「か細い」声が何を訴えているのか、もう少し考えてみることもできそうである。推進派はおそらく、全国の中でもっとも再稼働しやすい場所を十分に検討し、大飯町をターゲットに決めたのだろうが、町民にしてみればある時点から突然に日本中、世界中の注目の的となり、声の大きい人たちに代わる代わる土足で踏み込まれたようなものである。もう勘弁してほしい、という感覚もわかる気がする。大手メディアはしばしば地元民の声として「やっぱり原発がないと仕事が」というものばかりを2,3拾うのだが、それは出来レース的取材の結果だろう。地元の人びとも一通りではないはずだ。たとえ町民の多数がとにかく仕事を、雇用をと考えているとしても、雇用があれば原発でなくてもいいはずだし、原発を動かさなくても核関連の雇用は失われない。国からの補助金にしても、原発の稼働とセットではないはずだ。これまでのプライドやアイデンティティが、国の迷惑施設を抱え関西に電気を供給しているという点に集約され、その承認に国の権力を恃みとする構図があったとしても、もし今後地元に寄り添った「発展」の青写真がきちんと描かれるならば、変化を否定する必要はない。国にはこれまでのことに感謝してお金を出しなさいと要求しつつ、原発を拒否するというコンビネーションは十分可能である。

と午前中に書いた続きを書こうと思ったが、メーリスで世界からの「大飯原発再稼働反対のメッセージ(拡散希望)」が送られてきていたので、ちょっと長いけど貼り付けることとした。世界は見ている!おーい大飯町のみなさんよー!まだ、手遅れではないから引き返そうよー!地元が拒めば事態は変わるよー!

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オーストラリア
キャンベラ
6月12日、オーストラリア緑の党国会議員であるスコット・ルドラム氏が、抗
議文を在オーストラリア佐藤重和大使に届け出。 

メルボーン
戦争防止医療協会(MAPW)と平和をめざす日本人会が、日本領事館に抗議。

フランス
パリ
6月15日 反核団体「ソティール・デゥ・二ユークリアー」ネットワーク94
0団体の57,000人の会員の署名による抗議文が野田総理宛に提出。
http://www.sortirdunucleaire.org/

フィンランド
抗議行動確認待ち

ドイツ
ベルリン
6月13日 ドイツ緑の党の53人の国会議員全員と緑の党代表全員が抗議文に
署名。他にも署名が集められ、合計6000の署名、野田総理と西川福井県知事
宛の抗議文がベルリンの日本大使館に届けられた。

ベルリン
6月12日、レベッカ・ハルムズ欧州議会議員による野田総理宛の抗議文が提出
された。

フランクフルト
6月15日 日本領事館前で抗議行動が行われ、領事と野田総理宛の抗議文が届
けられた。

インド
ムンバイ
友好共同体委員会 (EKTA) のスクラ・センにより、公開抗議文が送られた。

イタリア
ローマ
6月13日、3700の署名による抗議文がローマの日本大使館に届けられ、記
者会見が行われた。
http://isdepalermo.ning.com/notes/Fukushima

韓国
ソウル
6月15日、11時、在韓国邦人と市民団体エネルギーと正義アクションが日本
大使館前でデモを行なった。

タイ
バンコック
6月15日 「再稼働見直しを、再稼働を止めよ」タイの市民活動家たちがプラ
カートを掲げ、日本政府の二機の大飯原発の再稼働二対する抗議をバンコックの
日本大使館前にて行った。
http://www.daylife.com/photo/04qM6aH6NYfIo?__site=daylife&q=Thailand

アメリカ

6月15日 14:00 ニューヨークにて、「マンハッタン プロジェクト」
主催による決起集会が、日本領事館前にて行われた。大飯再稼働に対する野田総
理宛抗議文が届けられた。

6月15日 
ニューヨークで、同時多発一斉アクション
オレゴンで、同時多発一斉アクション
シカゴで、同時多発一斉アクション
ロスアンジェルスで、原発エネルギー情報サービス(NEIS)が日本領事館前にて
抗議行動

以下は今後のアクション予定です:

6月18日 12時 二ユーヨーク日本大使館にて抗議行動(マサチューセッツ
通り2520)NWアベニュー、デュポンサークル、ニューヨーク

6月22日 15時 「原発廃止、メルトダウン阻止:日本の原発をなく
せ!」 イベント。 ロスアンジェルス 350 サウス グランドアベ
ニュー。野田首相代理に抗議文を提出、16:45から被曝の影響へのアクショ
ンとしてのダイ・イン。 

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2012年6月17日 09:43に投稿されたエントリーのページです。

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