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岡山、快晴!そしてー

3月28日から岡山大で行われた「ポストマルクス研究会」19回大会に参加してきた。岡山はめっきり春めいてぴかぴかの快晴!駅からも近く堂々たる岡山大学キャンパスは、日本でも有数の広さらしい。はあーのびのびするー。

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二日目午前のセッションでは拙訳書『北京のアダムスミス』(G.アリギ著)をとりあげていただいた。みなさん、まずその厚さに言及されるのだが、正直言って持ち運びには不便であっただろう。申し訳ないっ しかし議論はたいへん興味深かった。まだ邦訳のなかった時期に同書に関する論考を書いた若手のK氏、アリギや世界システム分析にも造詣の深いO氏が内容整理と問題提起をしてくださり、帝国主義の問題に詳しいメンバー、アダム・スミスの専門家、アメリカ史の専門家らを交えて議論を行うことができた。ただタイトルが示唆する通り、当然「中国」とその行方が議論の焦点になるのだが、もちろんマルクス主義者のみなさんには中国へのそれぞれの想いや知識、見識があることもあって、論点がそこに傾きすぎると議論がやや発散したようだ。次なる機会には何らかの工夫が必要と痛感した (-今年の社会思想史学会=10月27日、28日@一橋大学でセッション組みますー)。ちなみに午後のセッションでは激しいくしゃみと鼻水に襲われ、堂々4時間のヒルファディング・セッションではどうも集中力を欠いた。これが風邪のせいだったのか花粉症到来なのかいまだにわからないー。

セッション後、翌日の大学での仕事のため失礼して東京へ戻り、翌30日(昨日)はワセダ若手との現社研、N.クラインの『ショック・ドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く 上・下』について、T氏とともに報告をつとめた。災害や戦争など惨事に便乗し、ショック療法でフリードマン流の市場原理主義的経済政策を進める(要は「火事場泥棒」ですな)、というきわめて明快なスジで、1970年代以降の世界各地の状況を読み解く視点は、もちろん3.11以降の日本を想起させるものであり、宮城の水産特区のあり方なども議論になったが、他方でフリードマンや市場原理主義者の「信仰」のあり方、ショック・ドクトリンが金融化とどのように連動してきたかの分析が必要であること、大企業が結果的に「統治」を担うことと規律訓練権力のあり方が同じものなのか考える必要があることなど、現社研ならではともいえる議論を堪能することができた。

そういえば研究会でお会いした面々から尋ねられたが、某学会の混乱の件、去る3月10日の臨時幹事会でご議論いただき、当方はその議事録の整理までをお引き受けした後、退会しました。あとは会員諸氏に委ねます。


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2012年3月31日 11:21に投稿されたエントリーのページです。

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