突然、思い出して夜のコンビニに走り、今日発売のぴあを買った。目当ては「映画館の出口で聞きました!」のコーナーである。おー、載っているではないか、しかも3人ではなく2人掲載の激戦を勝ち抜いて。しかし「インサイド・ジョブ」は5/20,21公開の映画のうち、出口調査の平均点で78.2点、残念な第6位(掲載される中のビリ)である。1位はパイレーツ・オブ・カリビアン、2位はお菓子放浪記…(いやまあ、これらの作品と競うほうが間違ってますな)。当方の「ほめちぎり」が、よくわからないまとめをされているのはご愛嬌として、ぶっちぎり高得点のつもりで「90点」をつけたのに、隣の「高橋さん」(71歳、ペンショナー)が95点をつけている!いかん、負けた!というか、46歳と71歳が高得点をつけて、総合第6位というと、何かとてもシブい作品に感じられる。 ―そうか、実際シブい作品なのか… ひゅるるー
それでも390円分はモトをとろうとみみっちい気持ちでページをめくっていると、なんというかゆるいページ展開が続く。『ぴあ』もずいぶん変わったなー。と、脈絡もなく、『現代思想』(2011年6月号)で「追悼・多木浩二」と題したコーナーに高山宏さんが書いていた一文、「前衛と求道」を思い出した。「頑固な学匠と熱い前衛が最後までひとりの中に同居した痛烈な生きざま」、「孤高の求道者」という評価を、これまた負けず劣らず個性的な高山さんが多木さんに下すのをみると、視覚ゲイジュツはこの間、相当に遠い場所へ来たのだと思わずにはいられない。『ぴあ』の在り方はともかく、映画を語る言葉もかなり変化したのだろう。わが熱烈敬愛の「頑固な学匠と熱い前衛の同居」は、もはや超絶アナクロかもしれない。