11月末から三連続の週末関西出張、このたびは土曜日に神戸で研究会&月曜に京都で研究会という予定だったが、某ゲラが終わらないため前半をキャンセルして自宅にこもった(が、まだまだ終わらず)。一方京都は、例の(?)本作りプロジェクトの研究会であった。Y先生の充実した報告を呼び水に、議論は大いに盛り上がった。相当に野心的な本ができそうである。
さて、東京ー京都間は「のぞみ」で2時間半弱なので日帰り可能である。実際、参加メンバーの数名は最終の新幹線で帰って行った。しかし当方は、「京都へ行ったら、しばらく滞在したいと思うのが人情というもので、日帰りできるから素晴らしいなどというのは、実に馬鹿げた考えである」(不正確引用)という宇沢大先生の教えに従い、京都で一泊した。ホスト役をつとめてくださったS先生とN出版のSさんで、一次会韓国料理(こちらは日帰りメンバーもご一緒に)、二次会スペイン・バーという、奇妙にグローバルで濃密な京都の夜。リラックスした雰囲気のなかでとりとめもなく話をするうちに、大切なものがじんわりと、少しづつ熟成されていく。やはり共同の本作りは人との出会いなのだ。寺も紅葉も見なかったが、これこそ京都の贅沢さであった。
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一夜明け、朝早くホテルを出て、ビジネスマンに交じり早朝の新幹線に乗った。周りじゅうがパソコンや書類を広げているので、安心してゲラを広げたものの、ラスト30分ごろになぜか爆睡の波が…。目が覚めるとお隣のおじさんが当方の顔を覗き込み、笑いながらチョコレートをくれた。あたし、なんかおかしかったんでしょうか?