今日は著名エコノミストの方の講演会通訳でした。この方の仕事をさせていただくたびに、表現や言い回しでとても勉強になることが多く楽しみにしています。
文脈まで示せませんが、これは面白いという表現を耳にすると書き留めておきます。今日はこのエコノミストの話した内容から次のような言い回しを学びました。
in the polls
sink the hook
on dry ground
level of the peak and trough
steal my thunder (cf. rain on my parade)
by accident or by design
by definition
technically
down the road
dance in the aisles
pass the torch
in less than a heartbeat
上記の表現、文脈によってさまざまな訳出があり得ると思います。
この方が自分でつくった言い方もありますし、他でも聴く言い回しもあります。
仕事をするたびに、また新たな発見が多々あるのが、この仕事の面白さです。
さて、今日のいちばんの収穫はこの言い回しに出会ったことでした。
'the mistake of optimism dies in the crisis, in its place is born the mistake of pessimism.'
Pigou の言葉である、と、このエコノミスト氏は付け加えました。
ピグーは知っている名前、と思っていたらわざわざ、a contemporary of John Meynard Keynes ケインズの同時代の人物、
と付け加えてくださいました。
このときは、会場からの「これからアメリカの経済成長はどんどん回復がみられると思うか」という質問に対しての答えでした。
わざわざ、「しっかりこれは聞き取って通訳するように」という指示がついていたので、一語も落さないようにメモをとりました(だからここで再現できます)。
そのときの訳出ですがこれも勢いで、次のようにしました。まさに逐次通訳。
楽観主義という間違いは、危機のなかで死に絶えるその代わりに生まれ出るは悲観主義という間違いだ。
せめて、少しでもリズミカルにできないだろうかということを考えましたがどうも、下手な歌詞みたいな訳になってしまいました、、、
しかし、この元の言葉がどういう文脈だったのかが気になったので、家に戻ってからネットで調べてみました。
正確にはこうでした。
(このエコノミスト氏も終わってから、mistake ではなくて error であるといっていました)。
The error of optimism dies in the crisis, but in dying it gives birth to an error of pessimism. The new error is born...a giant.
少し、エコノミスト氏の記憶に不確かなところがあったようですが、最後のところもふるっていますね。
あらためて訳してみましょう。
楽観主義という過ちは危機を向かえ死にゆくが、死ぬ際に悲観主義という過失を生み出す。新たに生まれる過ちは生まれたときから巨大である。
うーん、どうもうまくいきません。
現場にでているときは勢いで、かえってうまく訳出できるということも、あるいはあるのかもしれません。