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BBC 6

放送通訳、あるいは通訳全般について言えることですが、通訳をしていて、この人の言葉を訳すことができて本当によかった、あるいはうまく伝えることができたのではないか、と思える幸せな瞬間がごくたまに訪れます。このごくたまに訪れる瞬間のために、日ごろ研鑽を積んでいるとも言えるかもしれませんが、今日はそのめったにない機会の一つが得られた日でした。

訳せてよかったと思えたのは、世界一の長寿かつ第一次世界大戦に従軍した最後の生き残りであったというイギリスの男性についての発言です。

ちなみに、キャスターの説明でこの人が参加した第一次大戦の戦いの名称、時差通訳だから調べることができてよかったとつくづく思いました。同時通訳だったら、英語で聞こえてきたままをカタカナ読みにしていたところでしたが、時差でしたので、戦い名を調べることができたのです。

The Battle of Jutland

ジュットランドと英語では読みますが、「ユトランド沖海戦」でした。こういうことを調べるとき、インターネットは本当に便利です。

さて、この世界で最も長寿だった男性の葬儀にあたり孫の一人が述べた弔辞です。

The lesson I've learned from this man who spent more time on this earth than just about any other.

Be good, be humble, be a caring, loving person who enjoys life and looks forward to another tomorrow.

spend more time on this earth than just about any other
というところ、なかなか面白い表現です。

be good 以下のところ

私の好きな good が出てきてどう訳出しようかと考えた部分でした。

looks forward for another tomorrow

ここのところも、なかなかいい表現だとおもいました。

考えた結果、訳出はこのようにしました。

「世界一の長寿となるまでこの地上で生きた人物から学んだ教訓とは、

善良であれ
謙虚であれ

人生を楽しむ、思いやりのある愛情豊かな人物たれ、
将来に希望を持て、

というものです。」

人生訓としてとても有効なものではないか、と感動しました。

そして、キャスターの次の言葉もなかなか、味わいがありました。

人生の後半になってから、若い頃には自ら触れようとしなかった戦争体験について、それを語るのが自分の使命と感じて語り始めたそうです。多くの人が彼のもとを訪れました。

Visits and encounters that never failed to leave an impression.

never failed to leave an impression をどう訳出するかですね。
こうしました。

この人のもとを訪れた人で、感銘を受けなかった人はいません。

つまり、よく言われることですが品詞の転換です。
別に visits and encounters を主語にすることはない。

このほうが、わかりすくよく伝わる訳出になったのではないでしょうか。

この日の放送を終えて私も思いました。

善良に、謙虚に、人生を楽しみながら思いやりを持ち愛情豊かに、明日に希望を持って生きよう。そしてそうです、この人にあやかって長生きがしたい、と。

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2009年08月05日 17:20に投稿されたエントリーのページです。

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