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2009年07月 アーカイブ

2009年07月02日

日経CNBC WWE

ワールドワイドエクスチェンジの番組のなかで、特にインタビューの部分では口語表現で、これはどうやって訳そうか、と考えながら楽しくなるようなものがときどきあります。今日もいくつも出てきました。アナリストや、エコノミストが経済や株価の動きを語る中でも、それぞれに表現に工夫を凝らしているのがよくわかるので、なんとかその面白みや生きた感覚を伝えたいなと思います。
以下、うまくいっているかどうかはわかりませんが、いくつか紹介しましょう。

今後の株価の展開について聞かれて、そんなにびっくりするような悪材料は、すぐにはないだろうとコメントしたあとで、一言。

So we don't have to hold our breath.

息づまるほどの緊張は必要ないでしょう。


今回の上昇局面は続きそうだ、と言うコメント。

This rally have long legs.

今回の上昇局面は息が長そうです。

(足、を息にしていいか?と思いつつ)。

材料がすでにおりこみずみ、というコメント。

That's baked into the cake already.
すでに織り込みずみです。


bake と cake の韻を踏んだところが面白い。

よく最近使われているのが、景気回復の芽がみられるという意味のgreen shooots

これも、「緑色の芽」では当然ぴんときませんから、「景気回復のきざし」でよいのでは。

put money in the mattress

これは、現金をマットレスに隠す、つまり「たんす預金」のこと。
文字通り言ってもわかるかもしれませんが。

go sideways

模様眺め、ということでしょうか。
当面、参加はせずに様子を見守るという意味か。

あるいは、こんな面白い言い方がありました。

go back into the water

投資家が怖がってしばらく投資を手控えていたのが、また戻ってくるという例え。

なので、ここは「投資家がまた市場に戻ってくる」としてよいと思います。

こういう場合、いつも迷うのは「意味がすんなり伝わる」ように言い換えるのを優先するのか、それとも原語の例えや比ゆの面白さを少しでも残すのか、という点です。しかし、時間の制約のある放送通訳の場合には、意味が伝わることを優先したほうが聞いてわかりやすいかと思いながら、放送通訳者の役割は「言いかえを行っている」ことで情報を整理している役目を負っている、そこまでやってもいいのだろうか、という自問もしながら、なのです。

CNNj at JCTV

マイケル・ジャクソンが亡くなって一週間になろうというのに、いまだにCNNのニューストップはマイケル・ジャクソン。今日のニュースはこんな具合にはじまりました。

It's a five-page will scrawled with the King of Pop's initials.
Are Michael Jackson's wishes as clear cut as they seem?

ポップスの王様のイニシャルが書かれた5ページにわたる遺言書、しかしマイケル・ジャクソンの願いはそれほど、明快でしょうか。

as clear cut as they seem

ここの部分、どう訳出するか考えどころでしょう。

また今日はこういう新規の情報が。

New fuel today for speculation about whether prescription drug use might have contributed to Michael Jackson's death.

今日あらたにはいった爆弾情報により、処方箋薬が死に関係しているか、憶測をよんでいます。

とでも、いったらいいでしょうか。
new fuel が工夫のしがいのあるところですね。

Diprivan(と聞こえた)麻酔薬が注目をあびています。

また、遺言では79歳の母親が子どもの養育権を得ることになっているものの、ファンであり友人である65歳のダイアナ・ロスさんの名前もあがっているというのです。最近の若い方はダイアナ・ロスの名前自体を知らない人もいるかもしれません。私の世代にとってはとても懐かしい名前ですけどね。

そのあと、こういうコメントがありました。

Is she a reasonable candidate?

reasonable

これをどう訳出するか、ちょっと考えましたが「養育権を得るのに妥当な人物でしょうか」とでもするのがいいか、と思います。

それと、今日のニュースではいままでマイケル・ジャクソンのおかげでニュースにあまり大きくとりあげられずにすんできた、アルゼンチンで愛人と不倫の疑惑のサウスカロライナ州の州知事。

Also, too much information from South Carolina's governor about his affair- and now growing calls for him to resign.

ついに、辞任要求の声がでてきています。

そしてもう一つの大きなニュースがこれでした。

President Obama vowing health care reform this year, but are the numbers on his side?

numbers on his side

を、どうするか考えました。

オバマ大統領は今年中の医療保険改革を約束していますが、数字からみて現実的に可能でしょうか。

やはり健康保険をどうするのか、とても大きな勝負をせまられているという感を受けます。

ちょっと軽いのりで面白かったのが次のニュース。

今年前半が終わったところで、愚かなビジネス判断の例。

some of the dumb business moments so far in 2009

New York Yankees Stadium makes the list.

ニューヨークヤンキーズスタジアムがまず第一。

と言うので何かと思ったら最前列の席を2,500ドル(ということは、25万円?)で売り出したものの、誰も買い手がつかず、あわてて値を下げたとか。

Fruit juice maker Tropicana decided to ditch its iconic logo of an orange with a straw in it.

フルーツジュースのトロピカーナがオレンジにストローがさしてある、独特のロゴを一変することを決意。

It spent 35 million dollars marketing the brand new, bland new look.

新しいブランドのために3500万ドルをかけたのに、結果はさっぱり。

brand new
bland new

ここが英語だととても面白いのに訳してしまうとそれが出ないのが残念。
しかたないので、上記のようにあとで「さっぱり」としてみました。

もっと凝るなら「張り込んだものの結果はさっぱり」としましょうか。

And finally, a KFC coupon blunder led to sit-in protests in May.

KFCでクーポンを配布したところ5月に座り込みの抗議が出る事態に。

After running an Oprah Winfrey related free chicken offer, KFC had to turn away customers armed with coupons. They gave out four million dinners, but that wasn't enough to cover the demand.

オプラ・ウィンフリーさんの出る広告で無料のチキンを提供するとしたところ、KFCは結局クーポンを持った人全員には与えることができませんでした。400万食を配布したものの、とても全員に追いつきませんでした。

うーん、なかなか不況のせいか?
ただでチキン、となるとみながほおっておかないのでしょうか。

2009年07月04日

つい一言

5月16日に父が亡くなったときには、50日後の今日のことまで思いがまったく至りませんでしたが、月日が流れ神道の我が家にとっては50日祭、すなわち埋葬の日を迎えました。たまたま、アメリカ独立記念日でもある日、そして梅雨のこの時期としてはめずらしい晴れ間のさした日でした。

富士山のふもとにある霊園に車で向かいました。
以前に来たのは祖母(父の母)が亡くなったあと、父とお墓まいりに来たときでしたが、それからでもずいぶん長い時間がたっています。

以前に比べて広い霊園がさらに拡張されてもっと広くなっていました。
無事に納骨と50日祭をとりおこない、わらぶき屋根の落ち着いた個室で食事をして帰りに、事務所などのある本館の一角のみやげ物店でのこと。つい、何か食べ物をとなにかと買い込みましたが、ふと目が行った先のコーヒーと紅茶のつめあわせのパッケージの英語に思わず、一言お店の人に言ってしまいました。

コーヒーのところに
brend

紅茶のところに
Ceyron

おやおや、いずれも
r になってしまっていますがl のはずです。

と、ついつい言ってしまい我ながら何だか恥ずかしくて「英語教員をしているものですから気になって」と言い訳がましく付け加えていました、、、ここで「同時通訳者」とはやっぱり出てきませんでした。


さらにもう一つパッケージに気になった点がありました。

enjoy flavorful coffee

味わい豊かなコーヒーをお楽しみください。

と、言いたいのだろうと思いますが、flavorful という言い方はあるのでしょうか。どうだったかな、と思ったので家に帰って辞書をひいたらこの言い方はありました。

でも聞いた感じでしっくりする言い方としては、私としては

enjoy rich coffee full of flavor

あるいは

rich and full-flavored coffee

かなあ、という感じなのです。

こういう嗜好品についての言い回しは、自分の体験がベースになっていることが多いように思います。コーヒーといえば、

Chock full o'Nuts is a heavenly coffee..

という、少女時代にアメリカで聞いたテレビコマーシャルが耳に鳴り響くのです。
これも気になったのでネットで検索してみたら、Wikipedia に載っていました。

しかし、ful able などは、接尾語として使いやすいのでつい便利に使っていますが、正しいのかどうか、自信がないときがあります。

先日、学生が

meetable objective

合致できる(達成できる)目標

と言っていましたが、これは attainable objective

ではないでしょうか、、、

いずれにせよ、こういうふうにすぐに言いたくなるところは、日ごろどういう表現がいいのか、と学生の通訳にコメントを与える立場上考え込んでいる通訳者兼教員の性でもあるのかもしれませんが、うーん、こんなことをしているとますます「意地悪ばあさん」への道をまっしぐら、という気もしてきました。

こういうときはどうなんでしょう、黙っているべきなのでしょうか。

あと、こんなことをいちいち考えていたら一言発するだけでも気になって何もしゃべれないではないか、という声も聞こえてきそうです。

それも確かにそうですね。

ですが、これだけははっきりと言えます。

私が現在あるのは、自分でも何度も恥ずかしい失敗を繰り返してきたからです。
その都度、少しずつ学び、少しずつですが自信をもてるようになってきました。

かつて、本当に内気で人前で話ができなかった少女がどうやって現在の姿になったのか。それは、少しずつ学習を重ねていきほんの少しながら自信を持っていえることが増えてきたから、ではないかと最近おもいます。
しかし、ここまで長い、長い道のりでしたし、まだまだこれから先も通訳者を続けている限り、教師を続けている限り上り道は続きます。

2009年07月05日

スピーチコンテスト

スピーチコンテストの審査員を務めるのは、二つの意味でいつも私がとても楽しみにしていることです。

まず、最近の若い人たちがどういうテーマに関心を持っているか、それがよくわかります。もっとも、speech for the sake of making a speech になっていないということが条件です。
ただ、スピーチコンテストに出るためだけにつくったスピーチ、というのは聞いてすぐわかります。

二番目に、どんなふうに自分の思いを伝えているのか、これにとっても興味があります。
担当している特化生むけのEnglish through Mass Media という授業では、最近のニュースでとりあげられている題材をもとにディスカッションをしたり、ディベートをしたり、学期末のテストとしては各自、7分間のスピーチをおこない、クラス全員が審査員になって判定をするということを行いますが、最近の時事的な話題に反応するにしても、どんなふうに自分の感じたこと、考えたことを伝えるのか、ここに関心があります。

情緒的、感覚に訴えようという人もいるでしょうし、理路整然と自分の主張を根拠をあげて述べる人もいますが、日曜日のスピーチコンテストでは、こんなふうにアドバイスをしました。

今回は青山学院大学の大木杯、場所はいちど入ってみたかったガウチャー・ホールで、午前は礼拝がおこなわれていたという荘厳なホール、十字の刻まれた演題と椅子、ここでお話していいのかしらと思えるようなおごそかな宗教的雰囲気のホールでしたが、演題で僭越ながらこんなアドバイスをいいました。

あまりに直訳的な英語を話さないでほしい、ということ。

自分が本当に強くおもい、感じていることから先に言ってほしいということ。

十分に深くある問題について考えをめぐらしたのなら、簡潔に言えるはずである。
たとえば、三つの文章で自分の言いたいことを整理していってみなさい。そして、その重要性の高い順番でスピーチのなかに織り込めば成功するはずであること。

きっとネーティブの先生にみていただいているのでしょうけど、どうにも日本語的なそのまま、英語に直訳したような単語がかいまみられます。

study room 研究室
employment ice age 就職氷河期

これは、私が日本人だからそうか、この直訳でしょうとは思いますが普通の欧米人にはこれで、なんのことか通じないだろうとおもいます。

日本に長くいるネーティブの先生は「ときどき、自分の国に帰らないと自分の話している英語が正しいのかどうか、自信がなくなる」といっていましたが、その感覚よくわかります。

なので、ネーティブの先生がみてだいじょうぶ、といったからといって、必ずしもだいじょうぶとは限らないことも申し添えておきたいです。

それにしても、最近のはやり言葉で英語にできないなあ、と頭を抱える表現もありますね。

草食系男子、これはどう訳す?
hervivore men

といっても、通じないことはあきらかだと思いますが、、、

2009年07月07日

日経CNBC WWE

今日は七夕・お天気がきになりましたが、晴れていたといえるでしょうか。

このニュースでの話題、おおいに気になったものがひとつありました。

buyers and businesses

most expensive city for the expatriats.


b でまず頭韻を踏み
e で次に頭韻を踏む

というところまでは、通訳ではあらわせませんが。

内容的に意外だったのはニューヨークが8位。
ここで上位はみな日本の都市というのは想像どおり。

1.東京
2.大阪
3.モスクワ
4.ジュネーブ
5.香港

さもありなんですね。


今日気になった略語がこれ。
BAIC これは北京にある自動車会社でカナダのマグナよりもよい条件でOPELの買収に動くといわれている自動車会社。北京は発音がp ですが、Beijing はBではじまることをあらためて思いました。

発音がにごるかにごらないか、けっこう中国語や韓国語の表記のときは英語にするのが微妙だとあらためて思いました。

言い回しで気になったのが we are on the same page

けっこう、この言い方よくでてきますが、これは本当によくでてきます。
同じ感覚を共有している、同じ考えやペースで進んでいる、という感じでしょうか。

個人的に興味があったのが、despite discounts and incentives, Hawaiian tourizm industry is not going to make a come back until 2010

ハワイ、バケーション先としておおいにすてきですが、産業としての情勢は厳しいのか。

金融的な言い回しとして覚えておくといいと思ったのがこれ。

shorter end of the curve

利回りが全体的に上昇するのではなくて、短期の金利があがる、というときにアナリストはこんな言い方をしていました。

短いほう、すなわち、短期金利のほうといいたいときはこういえばいいのですね。

2009年07月12日

『裏返し文章講座ー翻訳から考える日本語の品格』

別宮貞徳先生の最新刊、ちくま学芸文庫から出ているこの 本、翻訳を志される方

いえ、多少なりとも文章を書く仕事をしている人は必読です。

もっとも、この本を読んでいるうちに私なんぞは一行たりとも文章を書く資格はないのでは、と真剣に悩まねばならないくらい、日本語がなってないという思いにとらわれました。

別宮先生がいままでにみてきた膨大な量の翻訳本から、とんでもない日本語とはどういうものかをあぶりだすことにより、日本語を書く上での反面教師としようという企画ですが、読み進めるうちに(この暑いのに)私自身が冷や汗たらたら、でした。

とても身につまされるところが多く、ユーモアたっぷりの指摘に自戒せねばと思うことが多々ありました。

いくつか例をあげます。

*「のの花畠に意味は薄れ……」

もちろんこれは「菜の花畠に入日薄れ」のもじりでしょうけど、「の」「の」と続くと何を言いたいのか、わからないということ、確かにそのとおりです。

*「野田さん節」

「~のだ」「~のだ」ばかりで出来ている文章、確かにみかけます。

*文学からほど遠い日本語

文学作品のはずが、主体があちこちと揺れ動く文章だったり、筋の通らない、道理などそこのけの会話文がでてきたりする例がいろいろ、あげられています。

また、主語の問題その他として「は」と「が」について特にとりあげていますが、これはあらためてよく考えて使っているのか、おおいに反省しなくてはと思いました。

最後、第七章 総括 悪文を生み出すもの では以下3点があげられています。

1 無恥・無思慮ー権威主義が品位を落す
2 音痴ー耳の悪さが変調を招く
3 無知・無感覚ー知性・感性の乏しさが駄文・拙文を生む

大いに心せねばならない、と思いました。

なお、付録の日本語クイズはまったく歯が立たず、でした。

まだまだ、日本語の勉強が必要と痛感しました。

2009年07月16日

ABCワールドニュース

ときどき、このABCの看板ニュース番組にはもっと前に知っていれば人生変わっていたのに、と思うような優れたリポートがあるのですが、今日担当した中にもそういうものがありました。

子どもがまだ胎児でお腹の中にいるときから、お母さんの声を聞いているだけではなくて、すでに記憶があるという最新研究結果が出た、と言うリポートです。

本当にびっくりのリポートでしたが、すでに妊娠32週を過ぎた頃の胎児はお母さんが好きなメロドラマが何かちゃんとわかるとか。お母さんがみているものをお腹のなかで聞いているので、メロドラマのテーマ曲がかかっただけで、安定する
のだそうです。しかも、その記憶は1ヶ月も残るのだとか。

あと、心理学的に言うとhabituation 馴化 というのだそうですが、音でこういってもわかりにくいと思ったので、レポートの通訳では「慣れ」としましたが、余計なブザー音を鳴らして胎児に聞かせても、そのブザー音のあと特に不都合がおきないとわかると、無視することを覚えるのだとか。

妊娠30週くらいからは、記憶は長期記憶に残るそうです。まるで「録音機のように」胎児は音を記憶するのだとか。

リポートの通訳を終えたあと、デスクやそのほか同僚通訳者とおしゃべりをして帰ることが多いですが、このときも同僚のやはり子どもがいる通訳者とは「これは面白いね」と言い合って帰りました。デスクは、「子どもを育てるときに、た
とえばクラシック音楽を聴いているような環境にいるとか、育てるうえでの環境がいかに影響するかを強調するリポートなのでは」という意見でした。

いつも思うのですが、何が記憶に残るのか、本当に記憶とは不思議。好きなものに対しては自然に身体が反応するという動きを巻き起こす。生理的な反応ほど正直なものはないでしょう。

それはどうも大人になってからも続くようです。いやなことでも、やらねばならないことはやらねば、と理屈で自分に言い聞かせることによって、表面上はとりつくろうことはできても、身体におきる生理的な反応を変えることはできない。

子どもはお腹のなかにいるときから、ストレスを受ければ気持ちが安定しない。
このリポートに出てきたおなかの大きな婦人は「この研究結果を聞いて、なるべくゆったりと過ごそうと決意した」と語っていました。

若かったあの頃、お腹の大きかったときも含めて、子育てにもっと真剣に取り組むべきだったと思ったときはもう遅いということなのでしょう。

苦い後悔とともにこのリポートの最後の締めの部分をどう訳そうか、いろいろと考えました。

Fonder memories found in the womb may lead to more secure babies after birth.

子宮の中で楽しい記憶をつくれた赤ちゃんは、生まれたあと精神的に安定しているのです。

この比較級、fonder more secure

を活かすかどうか。

このまま文字通りにするなら、こうなるでしょう。

子宮のなかで楽しい思い出をつくればつくれるほど、より生まれた後安定している赤ちゃんになるのです。

この訳出、何も間違ってはいません。
むしろ、正確にということだったらこのほうが正確でしょ う。

しかし、ぱっと耳で聞いてよりよく伝わるにはどうすればよいのか。
時間があったので考えましたが、結局上記のようにするのがよくわかると判断しました。

このリポートが出てきたのは時差通訳担当の最後の部分でしたので、「以上、ABCワールドニュースをチャーリー・ギブソンがお伝えしました」という最後の文章を読みながら、さらにしんみりと思いにふけりました。

2009年07月18日

働く女性の仕事術

外語大で英語学科の授業をはじめ、特化コース、専修コース両方で教えてくださっている光藤京子先生の近著「働く女性の英語術-2nd Season」をご紹介します。

去年刊行された「働く女性の英語術」の姉妹編です。

先日外語大で講演をしてくださったある国際機関にお勤めの方のお話を伺っても
つくづく思ったのですが、世界で能力を発揮するにあたっては国内で自分が発揮
できる能力に加えて、海外でそれを発揮できるようにする外国語能力が必要。

その外国語能力を鍛えるにはどうすればよいのか、懇切丁寧に場面場面を考えな
がら解説をしてくれているのがこの本です。

海外で仕事をするというベテランのお二人の方に、Keri's Interview という形
で具体的なアドバイスを興味深くまとめているのも、特筆すべき点です。

レジュメの書き方、カバーレターの書き方や、海外企業の入社面接についての部
分もとても役立ちます。まずは採用されなかったらどうにもなりません。その点
についてもとても親切な本です。

実際に働く上での海外文化について、アドバイスしているところもとても具体的
です。とりあげられているuseful expressions のところは、身に着けておけば
必ず役立つこと、うけあい。

働く女性に限るのがもったいないくらい、、、海外でも実力をフルに発揮したい
と考えている人に、ぜひお勧めしたい本です。

2009年07月20日

ABCワールドニュース

今日は3番でした。しかも今日は時差放送それも収録のみでした。

となると3番は、終わりのほうのちょっと面白い世間の話題といったものがあたることが多いのですが、やはりそうで、今日は刑務所内に携帯電話を持ち込んで犯罪の指令を出す受刑者がいる問題へどう対応するかというリポート、それと最後のリポートは、フロリダ州でもともと固有の種ではなかったのに大型ヘビが増えて困っている、というリポートでした。

ついでながら私はヘビ年です。とはいえ、朝から5,6メートルもある大蛇の映像をみるのはあまり気持ちがいいとはいえないものでしたが、20年前には全くいなかった外来種の大型ヘビが今では何万匹もいるだけでなく、フロリダ州エバーグレーズで、保護対象の貴重な在来種を食べてしまっているという問題には、考えさせられました。

時差通訳でしたから、ちょっとした言い回しなどもできるだけ耳で聞いて分かりやすくしたつもりですが、いくつか今日工夫した例をあげます。もちろん、これで最高の出来かといわれると、いくら時間があっても時間はあるだけ使ってしまうので、その時間内における最大限の努力結果としかいいようがありませんが。

Florida has its share of hazards from alligators to hurricanes.

フロリダ州ではわにやら、ハリケーンやら危険なことが多々あります。

Now they are dealing with an exploding population of huge snakes that can grow to 18 feet long.

今問題になっているのは、大型ヘビの急増です。

最長、5-6メートルにもなる巨大なヘビがすさまじい勢いで増えているのです。


工夫をしたのはこの後半の二つの文章。

二つに分ける必要はなかったのですが、文章のポイントは「急激に増えている」というところだと思ったので、そこがはっきりと伝わるように考えました。

There was a time that all you had to fear in the Everglades was
aggressive alligator. Now pythons and boas can be added to that list.

add to that list

これをどうしようか、とちょっと考えました。

この文章がリポート全体の終わりの文章でした。

結局、こんなふうにしました。

かつてエバーグレーズで怖いものといえば、獰猛なワニだけでした。

いまやニシキヘビあり、ボア公司と陸ターあり、です。


最後のところは、そのままの訳文にはしなかったのですが、要するに「危険なものが増えた」というのが、リポートの最初の文章に呼応しているので、それがわかればいいかな、と思いました。

それはそうと、「星の王子様」ではboa constrictor はたしか「ウワバミ」と訳されていますが、いろいろ調べた結果、ボアコンストリクターが正確かな、と思ってそうした次第です。

で、なんとなくまぶたに浮かんできませんか。フロリダ州で、時にはワニを襲うという巨大な蛇が、獲物を飲み込んでじっとして消化を待っている姿。

2009年07月22日

CNNj at JCTV

Eclipse-chasers are preparing to turn their gaze to the sky, and whether you're terrified, mystified, or simply just thrilled by the phenomenon, it's a celestial show, that's truly larger-than-life.

ということで、もちろんこの日の話題は皆既日食。
世界のなかでも人口の多いところ、中国やインドでも観測されたとあって、CNNはあちこちからの中継をまじえていました。

上の部分は、リポートのイントロ部分ですが、terrified, mystified, or simply just thrilled といった、たたみかけるようなところは、できればリズミカルに伝えたいもの。

しかし、文章の構造はそのままなぞる必要はないでしょう。

皆既日食を待ち望む人は空をみあげています。
恐怖、謎、興奮、さまざまな感慨を抱く人がいるでしょうけど、見逃せない天体のショーです。

くらいでしょうか、、、

どうすれば意味がよくわかり、しかももとのリズムや感触も伝わるのか。

今日、ひとつ大いに指摘されたことはnaked eye 裸眼でみてはいけない、ということで、こまごまとしたヒントまで与えられました。溶接工のレンズで見るにしても、どの度数のものでなくてはならないなど、とても細かな注意がありました。

一方、今日の別のニュースでnaked が出てきたものがありました。
naked cowboy とnaked ambition というので、ニューヨーク市長に立候補しているロバート・バーク(Robert Burck)さん、タイムズスクエアにギターをかかえて、Naked Cowboy と書かれた下着のパンツいっちょうの姿で現れています。

「裸のカウボーイ」に「むき出しの野心」ということなのでしょうけど、英語で同じ単語なのに日本語に訳してしまうとその面白さが出ないですね。

それともう一つ、今日の大きな話題はオバマ大統領の医療保険改革を支持しないと言う人がはじめて支持する人を上回ったというニュース。

そのため、こんなことがいわれました。

If you've been listening to some of President Obama's critics, you might think he has a Napoleon complex.

オバマ大統領を批判する声をきいていると、オバマ大統領はナポレオンコンプレックスかと思うでしょう。

背は全然低くないですが、とこのあと続いていたのですが、もちろん「ナポレオンコンプレックス」とは、ナポレオンが異例に背が低かったことから人一倍、努力をした、また制服意欲が強かったことを示す言葉ですが、オバマ大統領がそこまで固執している、ということをいいたくてこの言葉を出したのか、と想像をめぐらせました。

このあと、医療保険の改革はまるでナポレオンの運命を決した「ワーテルローの戦い」のごとく、今回は「天王山」だというコメントも出てきました。
そういえば、地名は難しいですね、ウォータールーの戦い、と言ってしまうとこれは、通じないかも。

やはり黒人差別は残っているのか、とあとでオバマ大統領が問題視した事件がこれ。ハーバード大学教授で多くの著作もある著名なゲイツ教授、自分の家の鍵を忘れて入ろうとしているところを隣人がみとがめ、鍵を壊して侵入しようとした、ということで巡査に逮捕されました。後に逮捕は不当だったと謝罪があったのですが、教授側はこんな主張を展開。

This is how poor black men across the country are treated every day in the criminal system. It's one thing to write about it, but altogether another to experience it.

アメリカ中で気の毒な黒人男性は毎日、こんな取締りの対象になっています。

そのあとが、自分の体験を述べていると言うことですね。

「研究対象とするのと、自分が経験するのとでは大違いだった。」ということですね。

ただ、同時通訳だとどうしてもこのまま文章構造のとおりに訳すのでこうなってしまいました。

「一方でこのことについて本を書くのと、体験するのとでは大違いです。」
うーん、やっぱり自分のことを語っているのだとすぐにわかればこう出来ますが、同時だとすぐには気付かないのです。どうすればよいのか、やはり「この人が言いたいのは何か」を考え続けることでしょうか。

2009年07月24日

ABCナイトライン

オバマ大統領が重要演説をまえに、各ネットワークのキャスターからのインタビューに応じています。ABCのテリー・モラン記者がインタビューした内容がナイトラインで伝えられる、とすでに朝のワールドニュースのときから予告があったので今日はその話題だけかな、と思っていました。ですが、3番にあたっていた私、もう一つ面白い話題を担当することになりました。

Starbucks that is less like Starbucks- no green logo, no expensive coffee cups to buy.

スターバックスらしからぬスターバックスです。緑色のロゴもでていないですし、高いコーヒーカップを買わされることもありません。

ここもどうしようか、と思いましたが、要するにスターバックスとみせていないけど、スターバックスの店だというのですよね。

This is stealth branding.

ステルスマーケティング、という手法はあります。
宣伝と思わせないで宣伝をする、ということですが、その言葉の応用と考えていいでしょうね。

スターバックスブランドと思わせない売り込みです。

ということでしょうか。

The shop is called 15th Avenue Coffee and Tea.

という名前の店ができたのですね。

コーヒービジネスのことをこういう言い方をしていたのが新鮮でした。

the hot water and bean business

お湯とコーヒー豆のこのビジネスで、、、

と、しました。

このステルス・ブランド、手が込んでいて唯一スターバックスと言う名前が出ているのが、

inspired by Starbucks

と、小さな字(in fine print) でメニューの下に書いてあるのだとか。

これもどう訳そうか、考えましたが「スターバックスにヒントを得た」としました。

これでよかったのか、どうか。
考えてもなかなかいい智恵が浮かびませんが。

あと、今日いちばん個人的にすごい!と思ったのが、大リーグで18人目だそうですが、完全試合達成。これは滅多にできない快挙でしょう。オバマ大統領までが、フライをみごとにキャッチしてくれた野手に、投手は「特大ステーキをおごるのだろうね」といったくらいですから。

2009年07月29日

ニューズウィーク日本語版

ちょっとコマーシャル。
このブログを読んでくださっている皆様にお知らせです。
ニューズウィーク日本語版での特集『オバマに学ぶ英語術』今日発売です。

このなかで私がインタビューをお受けしています。

よろしかったら是非、見てください!
またあらためまして、拙書「オバマ流世界一のスピーチの創りかた」(マガジン
ハウス)こちらもよろしくお願い申し上げます。

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