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2009年05月 アーカイブ

2009年05月03日

CNNj

「超基本単語50」を読んでくださった方はよくおわかりのとおり、good をどう訳出するのか、こだわったところがあの本の出発点でした。

今日は、また私のこだわりの原点ともいうべきgood が多くでてくる次のレポートがありました。どう訳出するのか、いっしょに考えてみましょう。

It's known as the beautiful game.
But it's also probably the most popular game in the world.
Now, a team of deiplomats are playing it.

麗しきスポーツ、ともいわれますが、おそらく世界でもっとも人気のあるスポーツとして知られているのがこのスポーツ、今、外交官がこのスポーツに興じています。

という出だしではじまるこのリポート、国連を担当しているリチャード・ロス記者のリポートですが、まずはこの出だし。

For a good cause, and a good match.

よき目的のために、よき試合をするために。

と、ひとつの案は同じ訳語「よき」をあてること。

自由に訳したら違う訳も可能。

善良なる目的のためにいい試合をしようとしています。

次はどうしましょうか。

It's not exactly Champions League, but UN ambassadors and even the Secretary General came together on a pitch in New York for a good cause.

チャンピオンズ・リーグのように、とはいきませんが、国連大使にまじって国連事務総長までもが、ニューヨークのサッカー場で、善意あふれる目的のためにサッカーをしました。

As Richard Roth reports it was sporting good fun.

リチャード・ロスがお伝えしたように、なかなか楽しい試合だったようです。

といったところでしょうか。

全部を「よい」としようとするとちょっと無理がありそうです。

慈善目的のサッカー試合だったそうで「なかなか、この年でサッカーはたいへん」といっていた事務総長は、フェアであるために、ハーフタイムでチームを変えていました。
キャプテンになったのはリヒテンシュタイン大使とチリ大使。

見ている限りなかなか、楽しそうでした。

これを英語で言うと?
It surely seems that they had good fun.

2009年05月05日

CBSイブニングニュース

今日は子どもの日。とはいっても、窓からどこかの家でこいのぼりがはためいていないか、とみても、そんな様子はみられません。ミラノで暮らしていたころ、日本的な行事を子どもたちが忘れないように、と思ってわざわざ、本当に小さなこいのぼりを出したりしていましたが日本に帰ってきたらかえってそういうことはやっていませんでした。

ですが去年、大学を卒業してすぐに勤めていたころの友人たちと東京ミッドタウンにいったときのこと、ミッドタウンに大きな見事なこいのぼりが出ていたのをみて、けっこう感動しましたっけ。

さて、その子どもの日、相変わらず休みではなく放送通訳の仕事にいきました。朝早かったのでTBSもひっそりとしています。いつも、すっかりきれいになった赤坂の駅ビルの一角にはいっているマレドチャヤのオーガニックコーヒーを買うのですが、あいにく今日はそれもお休み。

CBSイブニングニュース続き

この日も、何が項目として出るのか予想をするところからはじめました。
日経新聞を見たら、オバマ大統領が税制の抜け穴を防ぐためにアメリカと海外の税率の違いを見直すというのが出ていたので、その記事に注目。実際にそれがとりあげられましたが、海外の安い税率を利用するアメリカの多国籍企業は、実効税率が2.3%くらいだというのは、いかにも行き過ぎ、と感じました。

この同じことをいうのにニュースでは、Company A はアメリカで課税されると税率30%、Company B は海外で課税されると10%、しかも収益があがりアメリカに送金をするまでは課税されない、という事情がわかりやすく述べられていました。新聞とテレビニュースでは、伝え方が違うというのがはっきりわかります。

また、新型インフルエンザの話題はあいかわらずあったのですが、逆に日本の新聞をみていたから、訳語がなにかの想像がつく、というのがありました。

mild は弱毒性

Mexican economy is in life sopport メキシコ経済は息も絶え絶え

といったところでしょうか。

個人的に面白かったのが、FIATが海外との提携をはかっているという話題ででてきたリポート。フィアットはかつて1980年代にアメリカ市場に進出を試みたのですが成功せずに撤退。いま、アメリカで売れているフィアットのブランドは、フェラーリとマセラティくらいだというのです。

奇しくもこの2車種は、私がインドでお世話になった隣のうちに住んでいたイタリア人のご主人とアメリカ人の夫人のカップルが持っていた車でした。

そしてFIATは、ややもするとFix it again, Tony
の略、といわれるくらい故障がよくある、というのでアメリカ人hに見向きもされなくなったそうですが、このあとの逸話としてもうひとつ面白かったのがこれ。

Germans built automobiles, Americans made it disposable and Italians made it sing and dance.

ドイツ人が車を作り、アメリカ人が消耗品にして、イタリア人が車を歌って踊るようなものにした。

うーん、それぞれのお国柄をよくあらわしています。
アメリカ人にとって、「車はげた」みたいにどこにいくにもなくてはならないもの、ですから。
イタリア人は、なんでもモノに遊び心を加える、というのもよく言い表しています。

それと、核の脅威の話題がでたときにこういう形容詞が使われました。

jealously guarding its nuclear

jealously

この場合、「嫉妬深く」という意味ではないですね。
注意不覚、ということだろうとおもいます。

そして最後の話題が実に勇気付けられるものでした。

大統領への手紙150人の子供たちから

という絵本がつくられたという話題ですが、全部で5000人もの子どもがオバマ大統領に絵のはいった手紙を書いた、そのなかから選ばれた150でつくった絵本です。

元気のでる話題でした。

ある女の子は、絵をかいてそのうえにHOPEと描いたのがよかったのか、採用された、ととてもうれしそうに述べていました。その子の笑顔が印象的でした。

こういうリポート、本当にほっとします。

ABCナイトライン

今日のナイトライン、たまたま全員女性でした。
そして今日の話題ですが、最初がテレビショッピングと買い物、次が西ローランドゴリラ、最後が毎度お騒がせのイタリアのベルルスコーニ首相でした。

今日も、すばらしい仲間に助けられながら無事に放送を終えることができましたが、今日学んだ教訓は二つ。

ceramic clown と 'Love Story' です。

まずceramic clown から。

QVC というテレビショッピングのチャンネルがあって、私個人は一度もみたことがないですが、これは日本でも放送されています。美顔器を深夜2時に放送で売り込もうという二人の女性をとりあげていましたが、QVC とはQuality Value Convenience の略をとったものだとか。

つまり、価値のあるものをお値打ちで手軽に手に入れられる、ということなのでしょうけど、なんでもWired という雑誌は、QVCで買い物をする人のことをこう揶揄しました。

those housewives who live in trailerparks and buy another ceramic clown

ceramic clown が何をいいたいのかわからず同僚の知恵を借りました。

画面をみると陶器のクラウン(道化師)の人形が写っています。
しかも、ネットでceramic clown をひくと、どんどん出てくる、、、コレクターアイテムとしておすすめ、なんていうのもあり。

ということで、、これは陶器製の人形、というよりは「無駄なもの」「不用品」「いらないもの」をついつい、みるとほしくなって買ってしまう、しかも日本流にいえば「ウサギ小屋」に住んでいる人たちがこういうものを買う、ということなのだろうと、わかりました。

another という形容詞がついていることでも、なんとなくわかりますね。

訳語は「無駄なもの」「いりもしないもの」どちらでもよかったかん。

そしてLove Story

ベルルスコーニ首相がまた女性に色目を使ったため、ついに奥さんから離婚をつきつけられた、というストーリーを、歌にたとえるとどれがふさわしいか、と面白おかしく述べたリポート。

いちばん似つかわしくないのがこのLove Story

Love is never having to say you are sorry

愛とは決して後悔しないこと

が定訳ですね。

定訳の正しさも諸説あるようですが、曲が流れていることからこれを採用しました。

今日も楽しい、いろいろ学んだ放送通訳でした。

2009年05月10日

再び訓練中のうぐいす、比ゆ表現

再び、訓練中のうぐいすの声を聞きました。この前、アンディの散歩をしていて
からだいぶたっていますが、練習のかいあってか、うまくなっていました。

しかし、ちょっとまだ音程がずれているかなあ、という感じ。
あえて、ドレミの音階で書いてみますと、、、

この訓練中のうぐいす

ファーファラソ

もしくは

レーレラソ

みたいに聞こえますが、うぐいすって普通、

ミーミラソ

に聞こえませんか。最初の音がとりにくいのかなあ。

しかし、リズムはあっています。もう一息。

ところで、通訳論の授業でこの通訳日誌を読んだという学生がコメントをしてく
れました。

前に ceramic clown は、「無駄なもの」という意味になると書いたところ、そ
ういう意味だとわからなかったときは直訳するのか、という質問。

確かにそういうこともあります。

比ゆ表現をどういうふうに訳すのか、ここは考えどころだったりします。
特にABCワールドニュースのキャスター、チャーリー・ギブソンが発する番組
冒頭の部分、あるいはニュースを受けての一言では、たとえがふんだんに使われ
ていてどう訳したものか、頭をひねります。文字通り訳しても意味が通じること
もあれば、すぐには理解できなさそうなときもあります。そういうときは、文脈
で判断して推測するしかありません。

いくつか、最近みかけた例をあげましょう。

5月4日日経CNBCの経済ニュースで出てきた例。

beat up the drums

大きな太鼓をうちならして人を集める

と言ってもいいかもしれませんが、「大げさに言う」という意味ですね。

hit the nail on the head

釘の頭の部分を打ち付ける

この例えの場合、こんな直訳では、よくわからないですね。
「的を得ている」としたほうがいいですね。

5月5日にウォーレン・バフェットが経済についてコメントした言葉。

Warren Buffet declared his confidence that the economy is 'out of the
quicksand'.

out of the quicksand

流砂から抜け出す

でもわからないことはないですが、やはり

「窮地を脱する」としたほうがよいでしょう。

だいぶ前のことですが、ガイトナー長官がAIG問題について対応をあやまった
ときに使われたキャスターの言い回し。

Did Tim Geithner drop the ball?

drop the ball

ボールを落とす、でも分かるのかもしれませんが、

「対応を誤る」が分かりやすいでしょう。

これもだいぶ前のこと、3月17日に放送のラリーキングライブに登場したゲスト
の発言。

Sheindlin:President Obama is going to have an opportunity relatively
soon to put his imprimatur on whether or not gay couples who work for
the federal government are going to be entitled to health insurance.

put his imprimatur

なんだかフランス語みたいですが、imprimatur とはラテン語で「出版許可」の
こと、

「許可を与える」という意味です。

野球用語は例えの宝庫。

例えば4月20日付 Wall Street Journal紙に出ている Language というWilliam
Safire) コーナー、Baseball's gift to English という題で、ふんだんに野球
の例えがでています。

keep your eye on the ball

come out of the left field

your home team go to bat for you

you can't be born on third base and think you hit a triple

right off the bat

boneheaded

a warm-up in the bullpen

raincheck

knock the ball out of the park

get thrown a curve

knocked out of the box

pinch-hit

hit a home run or go down swinging

break up the Yankee combination

興味のある方はそれぞれ、意味を調べてみてください。

2009年05月12日

ABCワールドニュース 比ゆ表現

再び比ゆ表現をとりあげます。

今日は、トップニュースはイラクでの事件でしたが、2番の私が担当したのは保
険業界団体が、自発的に2.2兆ドルの医療費の削減を申し出た、というニュース
でした。

これを指してオバマ大統領は

と言いましたが、

gamechanger

転換点

という訳になっていた記事が多かったです。

「試合の流れをかえるもの」というような意味ですね。

今回は、政府が公的な保険を別に考慮しているという話もあって、今度こそみな
結束して業界があたらなくては、という危機感があったのでしょう。

everyone wants to be seated at the table

but not necessarily like what is on the menu

これも、直訳して

「みな食事の席にいっしょにつきたくはあったけど、メニューにとりあげられた
いとは必ずしも思わない」

というのでもわかるとは思いますが、

「みな参加はする、でも派手にとりあげられたくはない」

くらいの意味でしょうか。

the general public will hold their feet to the fire

人に圧力をかけて従わせる

の意味ですが、別に辞書をひくまでもなく「今度こそ実行するよう迫るでしょう」
という訳にしていました。

文字通り訳すと「足を火に近づけさせる」つまり熱くてがまんできないだろうか
ら、しかたなくやる、と言う感じです。ちょっと怖い、、、

「迫る」

やはりこれがピッタリではないでしょうか。
文脈からいったらこういう意味になるに違いない、と思えました。

2009年05月26日

10日祭

今日で父がこの世を去って10日がたちました。
ガンであることがわかり入院したのが1月30日、あと3ヶ月といわれたときは元気で100まで生きると誰もが信じていた父が、それしか余命がないなどととっても信じられませんでしたが、病は冷酷でした。

あとでお医者様にうかがったところ、もともとはすい臓がんだったのが肺に転移し、肺のほぼ全体に広がってしまっていたので、いちばん長くて3ヶ月くらいだと思っていらしたとのことでした。

4月の最後の週からは母と妹、それに私の3人で病院に交代で泊り込んでいましたが、5月に入ったころから、急速に衰えていく父をみているのは辛かったです。

ですが、最後まで父らしく尊厳を保って生きてくれたと思います。
無駄な延命治療はしない、と家族で決めたので人工呼吸器はつけませんでした。

皆様のおかげさまをもちまして無事に葬儀をすませました。

そして今日、我が家は神道ですので、その伝統にのっとって自宅でささやかながらに父の好きだったものをつくり、お祭りをしました。

きっと私たちを見守ってくれていることでしょう。

思えば父が亡くなった日の朝、アンディの散歩をさせながら「こうして今日も新しい日が迎えられてなんとありがたいのだろう」と思ったのを鮮明に覚えています。

父が、「あとはよろしく頼む」といったのを父の残した言葉と受け止めて、ささやかながら私にできることを一歩一歩、やっていこうと思います。

このブログも続けていきます。

引き続き皆様、よろしくお願いします。

2009年05月27日

通訳者のしごと

通訳論という授業でよく学生から出る質問のひとつが「なぜ、通訳者になったのか」というものです。「通訳者の数だけ答えがあるでしょう」と思いますが、共通している部分もあります。

と思っているところに、通訳者としての大先輩で日本通訳翻訳学会のいわばfounding father である近藤正臣先生の著書が発売されました。

題して「通訳者のしごと」。早速通訳論の授業でも紹介しましたが、どのようにして近藤先生が英語を身につけられて、AFS奨学生としてアメリカに留学し、ICUに入学をなさったのか。驚いたのは、第一志望が実は外語大のインドネシア語学科だったということですが、ICUに合格が決まったので受験なさらなかったのだとか。もし、受験されていたらまったく違った人生を歩まれて通訳者にはならなかったかもしれない、と思うと不思議な感じがします。偶然のなかの必然、といえることがときに人生においては起こるように思います。

ICUにすすまれて、そこでアメリカ国務省の募集する通訳者に最年少の21歳で合格。このあたりの話が近藤先生の通訳者なる過程をよくあらわしていて、ぜひ前記のような質問をおもちの方には読んでいただきたい部分です。

内容で深い共感を覚えた部分は多々あるのですが、いちばん共感したのは通訳がうまくいくのは、スピーカーに共感できるとき、という部分。これは実際に通訳という仕事をする人にとっての一番の喜びといってもよいとおもいますが、まさにスピーカーと一体となれたと思えるような、スピーカーの言葉を確かに自分は過不足なく伝えることができているのではないか、と思える幸せな瞬間があるのです。

また、どこか通訳者はほかの人のために役に立ちたいという気持ちをもった人たちではないか、とも思います。究極のサービス業という言い方をした同僚もいますが、この点は近藤先生も述べておいでです。

また、以前から興味深い分類と思っていたのが、近藤先生流の通訳の分類です。「絢爛豪華型」か「訥弁型か」というもので、立て板に水のように流れるようにことばがでてくるタイプ、あるいはとつとつとではあっても、じっくりと意味を考えて言葉をえらぶタイプというものです。

是非、皆さんもお読みになられることをおすすめします。

2009年05月28日

CBSイブニングニュース

生の同時通訳で難しいことの一つは、語順の違いによっては訳出するにあたって
の情報処理のスピードが追いつかないこと。あとで考えてみたらこういうことを
言いたいのだ、とわかっても、頭から聞いて順送りに情報を処理していると、内
容を理解しないうちに何とか訳出だけやろうと必死になるあまり、ことばは出て
いるけれども意味がわからない訳になってしまうことがある。

今日出てきた話題。ある程度予想がついていたが、オバマ大統領がヒスパニック
系として初めてソトマイヨール判事を最高裁判事指名に当たり、共和党側からの
反発があって、以前に判事が発言した内容が人種差別的だと批判をされた。

その発言の内容。

“I would hope that a wise Latina woman with the richness of her experiences would more often than not reach a better conclusion than a white male who hasn’t lived that life,” said Judge Sotomayor, who is now considered to be near the top of President Obama’s list of potential Supreme Court nominees.

順送りに情報を出そうとするとこんなふうになるでしょう。

願わくば、賢明なヒスパニック系の女性は豊富な経験をもってこうなることが多
いように望みたいです。より良い結論に達することを望みます。白人の男性でこ
んな人生経験をしたことがない人よりも、より良い結論に達することを望みます。

あとから、私が言うところの「ポストイット方式」で情報(この場合は「望みま
す」という動詞)をぺたんともう一度、二度と繰り返し貼り付けながら訳したと
しても、肝心の情報が何なのかぴんとくるように伝わりません。

肝心の情報は、「白人男性で人生経験が少ない人よりも、賢明な豊かな人生経験
のあるヒスパニック系の女性のほうが、よりよい結論に達することが出来る」と
ソトマイヨール判事は考えているということなので、I would hope はむしろ、
訳さないほうが意味がはっきりするくらいです。

more often than notの処理も、冒頭でやろうとすると、混乱のもとです。両方
とも、発言の衝撃を和らげるためにつけているようなものです。

しかしこの日、同時通訳でこれがでてきたときにまさに足をすくわれたのは、こ
の部分、more often than not でした。

考えている内容は何か、理解をするためには I would hope も more often
than not も両方ともとって考えたほうがいいくらいです。日本語で同じ内容を
発言しようとしたら、おそらく次のようになるでしょう。

「白人男性で人生経験が少ない人よりも、賢明な豊かな人生経験があるヒスパニッ
ク系の女性のほうがよりよい結論に達することができる場合が多いことを、私は
望んでいます。」

たまたま、冒頭にきているためにこの長い文章を全部聞いてから訳出することが
待てないとすれば、細切れ訳出にしてわけがわからないことをいうよりは、肝心
なことだけでも出す、というふうに考えたほうがよいでしょう。

あるいは more often than not がこのような形で出てきたときに、どうすれば
うまくいくのかを研究しておいて、次に使ってみようということもあるとは思い
ます。

こういう技術的なこともありますが、どういうコンテキストでソトマイヨール判
事がこう発言したのか、わかっていればもう少しはやりやすかったでしょう。

改めて調べてみましたら、上記のニュースの発言部分には次のような事情があっ
たことがわかりました。
こちらのサイトにあがっているニューヨークタイムズの記事です。

In 2001, Sonia Sotomayor, an appeals court judge, gave a speech declaring that the ethnicity and sex of a judge “may and will make a difference in our judging.”

In her speech, Judge Sotomayor questioned the famous notion ? often invoked by Justice Ruth Bader Ginsburg and her retired Supreme Court colleague, Sandra Day O’Connor ? that a wise old man and a wise old woman would reach the same conclusion when deciding cases.

最高裁の女性判事二人、現役のルース・ギンツバーグ判事とすでに引退したサン
ドラ・オコナー判事は二人とも擁護している賢明な年齢を重ねた男性、女性であ
ればともに同じ結論に達するだろうという考えに反対する立場を述べた発言だっ
たのです。

しかし、ニュースではこのコンテキストなくして2001年に人種差別的な発言をし
た、ということだけがとりあげられていることも、訳しにくさを増幅した一つの
原因でしょう。

先日、オバマ大統領が毎年恒例であるホワイトハウスでの記者団を招いての夕食
会でジョークを連発したという記事をとりあげたときに、学部の時事英語ではな
かなか理解できないジョークがあった、という声があがりましたが、背景知識が
ないとなかなか、どうしてそれが面白いか、それが問題になるのかというところ
が把握できません。

現実に放送通訳をしていてもまったく同じことです。
毎日が勉強です。
技術を磨くこと、そして知識をつけること、両方共に必要なのです。

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