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2009年04月 アーカイブ

2009年04月02日

ABCワールドニュース

予想通りですが、オバマ大統領がG20金融サミットを前にロンドンでいかに人
気を博しているか、が今日のトップでした。ミシェル夫人のファッションについ
て、はてまた女王陛下にわたした贈り物が適切だったか、など話題満載。

通訳として気をつけなくてはならなかったのが、アイポッドという商品名ではな
くて「携帯音楽プレイヤー」とする、ということでした。

また、女王陛下に挨拶するのに、まず女王陛下のほうから手を差し伸べてからで
ないと手を触れてはならないというルールがあるなど、王室との接し方について
もリポートされていました。

ちょっといいな、と思ったリポートが、サミットの食事についてのもの。second
helping という言葉の文字通りの意味、という副題がつけられていたリポートで
したが、今回、それこそ宗教も文化もまったく違う20カ国・地域からの首脳を歓
迎するにあたっての晩餐会のメニューを用意するという大役をおおせつけられた
シェフ、ジェイミー・オリバー氏が率いたのが、かつて問題をおこした少年達を
更生させるために、料理人の道で訓練しているという話。

食事をきちんとすることが生活をまともに送る基本、と改めて納得させられたリ
ポートでした。

2009年04月03日

CBSイブニングニュース

おそらくどのネットワークニュースのキャスターもそうだったと思いますが、
(昨日、ABCワールドニュースのチャーリー・ギブソンがそうだったように)
CBSイブニングニュースのキャスター、ケイティ・クーリックもロンドンから
のリポート。

今日のリポートで面白かった点が2点。一つはオバマ大統領のこの発言。

If there's just Roosevelt and Churchill sitting in a room with a brandy,
that's an easier negotiation.

ルーズベルトとチャーチルの二人だけが、部屋でブランデーを片手に話をしてい
るのであれば、交渉は楽なものですが、、、


という発言に、第二次世界大戦のときはこの二人が話し合えばすんだものの、今
は相当に国・地域の数が増えて交渉が複雑化したという思いがとても強くにじん
でいると思いました。

それと、キャスターのこの解説。

サミットの集合写真をとるときの話。

But wait a minute, where is Italy and Indonesia?
We have to be in it together.

と、イタリアとインドネシアの首脳の姿がみあたらなかったことに言及。

This seems like a confusion metaphor.

サミットでは一致団結が必要なのに、相当の混乱がみられたことをまさに象徴し
ているようにみえた、との皮肉でした。

2009年04月06日

ABCワールドニュース

今日のニュースの話題になったことで、二つ気になったことがありました。
一つは、オバマ大統領の初の本格的外国訪問に際して、チェコ共和国を訪れてい
たときに、北朝鮮のミサイル発射があったときのこと。

It was not exactly a 3AM phone call to the White House but a knock on
the hotel door at a little past 4:30 AM local time.

午前3時の電話ではなかったが、現地時間朝4時半少し過ぎにホテルのドアにノッ
クがあった。

first time in young Obama presidency that an aid came to wake him up

young

の意味は、この場合「日が浅い」ですが

まだ発足間もないオバマ政権で、側近が大統領を起こしにきたのは初めてのこと

と言うことでしたが、ここで「午前3時の電話」は、選挙戦を見守っていた人な
らわかりますが、そうでない人にはちんぷんかんぷんでしょう。

アメリカ国民なら常識、ということでさらりと使われていました。
アメリカのニュースを通訳している、というのはこういうことなのです。
日本の視聴者向けでしたら、ここでちょっと解説を加えたいところでしたが、同
時通訳では時間の余裕がないですから、それはできませんでしたが。

もう一つ気になったこと。

それは、新しくなったヤンキーズのスタジアムで、bleacher creature
と呼ばれる外野ファン、の熱烈な応援ぶりのニュースでのこと。

いろいろと、カラフルなあだなのついている外野ファンが登場するのですが、ど
うしても差別語になりかねないのでは?というものがあるとき、どうするか。

Bald Vinny Milan

はげのヴィニー・ミラン

と、言いたくなりますが、「はげ」は大丈夫?

そして、こちら

Milton the Cow Bell Man

牛の鈴をたたく男、ミルトン

と言っても、全然面白くない。

こういうとき、映像があるのでみれば「ああ、そうか」とわかってもらえるのは
救いですけどね。

2009年04月08日

東京外国語大学通訳研究会主催 第四回学生通訳コンテスト 参加者・観覧者募集のお知らせ

今年の東京外国語大学通訳研究会主催「第四回学生通訳コンテスト」の概要が決
まりましたので、ぜひ多くの参加者、観覧者に来ていただきたいと思い、お知ら
せいたします。

コンテストに参加したい方は、以下の内容に沿って応募してください。
観覧者の方も事前申し込みをしてください。

日時)
2009年6月27日(土)13:30~16:00

場所)
東京外国語大学 研究講義棟1階 101教室
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1 (西武多摩川線多磨駅から徒歩約5分)
http://www.tufs.ac.jp/common/is/university/access_map.html

参加要領)
参加費:無料(交通費自己負担)
申込締切:コンテスト出場希望者 5月27日(水)


コンテスト内容)
外国人と日本人の対談を逐次通訳(英日・日英)

申込方法)
以下の必要事項を明記して、メールでお申し込みください。

必要事項
① 一般参加(観覧者)・コンテスト参加(出場者) いずれか明記
② 懇親会の参加の有無
コンテストの後に、ジャッジの先生方や出場者の皆様の間で懇親会を開く予定です。
懇親会の参加費は500円前後と推定しております。
③ お名前(漢字・ふりがな)
④ 所属(大学・サークルなど)
⑤ ご住所
⑥ 電話番号
⑦ メールアドレス(携帯不可)

申込・連絡先)
tufsait07@gmail.com (通訳コンテスト実行委員会)

質問も上記のアドレスで受け付けております。
参加申し込みのメールをいただいた方には、3日以内に確認のメールを送信させ
ていただきます。

その他)
通訳研究会のブログ
http://tufsait.blog10.fc2.com/

CNNj

やはり今日はイタリア中部での地震のニュースが大きくとりあげられていました。
イタリアは住んでいたことのある国ですので、懐かしいイタリアの痛ましい風景
をみながら、特徴ある英語を話す現地で救援にあたっている人のサウンドバイト
を訳しました。

時折、たとえば 「croce rossa が救援」などというようにイタリア語がまじり
ますが、これは

赤十字

ですね。

こういうふうに、わかったと思えるときはいいのですが、どう訳すか自信のない
こともありました。

地震にまつわる表現で、地震専門家の人との対談のなかでのことです。

今回の地震は特に余震が多いということで話題になっていましたが、

productive

という言い方が使われていました。

「生産性が高い」

という意味もありますが、この場合は「振動を多くもたらす」という意味なので
しょう。それで「余震が多い」としました。

また、shallow earthquake deep earthquake

という言い方もありました。

今回は「浅い」地震だったために被害が大きかったのだとか。
これは、地震の震源が地中のなか、「深い」か「浅い」かであろうと思われるの
で、このままでよかったかと思います。

それと今日のニュースで印象的だったのがこれ。

アメリカがどの国に好感度を持つか、という調査がオバマ大統領の初の本格的外
遊を機会にあかされましたが、なんと言っても気になったのは「日本」への数字
があげられもしなかったことです。

一番高いのが「同盟国」としてみているイギリスの90%

次、ドイツの79%、フランスの67%、トルコの61%、メキシコの52%と続きます。

あまり好意的でないというほうでは、

ロシア42%、中国46%、パキスタン21%、北朝鮮16%、最低がイラン12%でした。

また、キューバにはアメリカから黒人議員団の訪問があって、関係改善に向かい
そうだということでした。

さて、アジアの中で、アメリカは中国のことを常に話題にしていますが、日本は
どこに、、、と不安になりました。

2009年04月09日

CBSイブニングニュース

今日のトップニュースは意外なニュースでした。キャスターが「こんなニュース
で番組をはじめるのは初めてのことですが」と言ったくらいですが、ソマリア沖
でアメリカの船が襲われて船長が身代金目的で人質になったというニュースです。
200年の歴史でそんなことは初めて、と報じられていました。

次に興味を惹かれたニュースは、Brown fat というのが人間の体には生まれつき
備わっているというニュース。New England Journal of Medicine で3件の研究
が報告されていた、というのですが、白い脂肪とは違って「茶色の脂肪」は体重
を減らす効果さえあるというのです。若い人や女性に多く、肥満の人より普通の
体重の人は多く持っているそうですが、この茶色い脂肪を活性化させることがで
きれば、肥満の人を亡くすことさえできるという夢の研究。

それと最後の話題は、不況になったのでDYI(do it yourself) が新たなブー
ムをよんでおり、ひそかなブームがknitting というもの。

これにでてきたこのことわざ。これは何と訳しましょう。

A stitch in time saves nine

定訳は

「転ばぬ先の杖」

ですが、ことわざをこのように訳してしまうと後が続かなくなることがある。

「早く手を打てば、おお騒ぎにはなりません」

と、中立的に訳しました。

このあと、

but actually a stitch in time saves money!

と続いたのです。

しかし、掛詞にはできずここはただ「お金の節約にもつながります」としか、言
えず。

そしてこの日の番組、

that sews it up for this evening

という終わり方をしたのも、おしゃれでした。

しかし、残念ながらこれをうまく訳すことは至難のわざ。

sew

縫う

あるいは

スティッチ

縫い目

にかけて訳すことはできず、「以上今日のニュースでした」と普通の言い方しか
できませんでした。

この日のニュースで、このニュースは明るいニュースと面白いと思ったのが

イタリアの地震で48時間たったあとで、94歳の女性が助かったというもの。

94 year old grandmother was found alive.

ところが、同時通訳らしい?!間違いをしてしまいました。

「94歳の祖母」

と言ってしまったのですが、これは「孫のいる女性」とすべきだったでしょう。

She said she was 'knitting'

knitting 編み物

が、辛抱強く救出を待つ手助けとなり命を救ったといえるのかもしれません。

あともう一点今日の放送のなかからの反省です。

グアンタナモ基地を閉鎖する、というのはオバマ政権がいってきていることです
が、ここに収容されてきた重要な収容者をどこで裁きにかけるのか、というところで、

article three court

という名称が出てきました。

なにしろ、同時通訳ですのでそのまま

第三条法廷

と、直訳しましたがこれはどういう法廷なのでしょうか。

言葉だけの置き換えをやっていても、通じはしないとは重々承知していますが、
時間や(それ以上に通訳者本人の力量、知識の)制約がある場合は、直訳でその
場を切り抜けるという苦しい選択をして、そのあとは自己嫌悪になるということ
の繰り返しです。

article three constitutes the legislative branch of the federal
government

ということで、article one と article three の法廷があることも、インター
ネットで検索してわかりました。

ところで恐縮ですが、この場合は何と訳すのがよかったのでしょう。
この件に詳しい先生に伺ってみようとおもいます。

2009年04月12日

トークショー

今日は、お世話になっている出版社、コスモピアさん主催のトークショーでした。
ダボス経済会議シリーズでの共著者の柴田真一さんに加えて、大学の後輩にあた
る同時通訳者の大坪薫さんとともに、今日は「オバマ大統領のスピーチの魅力と
経済政策について」というタイトルでしたが、内容的にはお二人の英語学習のコ
ツや実際の仕事での面白い経験談などもでて、とても明るい楽しい話になったの
ではと思います。

トークショーの形式にしたことで、新たな発見がありました。
三人で話すと、それぞれの視点から思いがけない話題が提供されますね。
まさにそれがトークショーの魅力だと思います。

大坪さんの指摘、

英語もそうだけど、誰から学ぶかあるいはどういうものから学ぶかで、シチュエー
ションにあった日本語が学べないこともある、という例としてでた「ありがとう」
というべきところを「かたじけない」といった外国人のアニメファンの話など、
とても面白いものでした。

そういえば、最近若者のあいだでサムライ言葉が流行っている、という話は聞き
ますが、、、

柴田さんの指摘、

紀元前、紀元後という言い方のはずのBC と AD というacronym の違う言
い方なども面白かったです。

私もいろいろ、話題がでてくるなかで思い出したのですが、最近のニュースで、
GMとChapter Eleven をかけたジョークの話をしました。

そして、おかげさまでまた一冊、柴田さんとの共著を出すことができたので、そ
のご紹介もしました。

こちらでもご覧下さい。

2009年04月14日

ABCワールドニュース

今日は時差通訳がなくて最初の同時通訳のみ、と伝えられていました。
話題が何に集中しているのか。今日はなんといっても劇的な救出をとげたアラバマ号の船長の話でした。アメリカ海軍の特殊部隊が海賊3人の頭を撃ちぬきフィリップス船長を無事に救出したというのです。また、ファーストドッグがついに決定、エドワード・ケネディ上院議員から贈られたというポルトガル・ウォータードッグ、名前はボー。

ワシントンにあるという犬のトレーニングセンターについてなど、インターネットで調べたりして準備をしましたが、結局この項目は担当になりませんでした。

私があたったのは復活祭の休暇を祝う行事がホワイトハウスでおこなわれたという話題。
Easter Egg Roll と称されるもの。こういうのが難しいのですが、掛詞で、キャスターがこういったところをどう訳出するのか。

Soon the good times and eggs were rolling.

すぐにみな、楽しい時間を卵ころがしですごしました。

と、何の変哲も無い訳出にならざるを得ません。

ミシェル夫人が行事の開催を宣言したり、大統領が招待されてやってきた子どもたちに絵本をジェスチャーたっぷりに読み聞かせたりとそれはそれで、楽しそうないい会でした。

そういえば、今年は復活祭がわりと遅めなのだなあ、といつだったか、3月にハワイにいったときちょうど復活祭の日曜日にハワイを発ったことを懐かしく思い出しました。

2009年04月16日

ABCナイトライン

今日の話題は13歳なのに大学で学ぶ天才的な知能をもつ中国系の男の子、レイモンドくん。小さいときからお母さんよりも早く本を読んでしまったり、ピアノの腕前もたしかだったり、たしかにすごい。

リポートででてきた懐かしいアメリカのキャンパス風景、そしてキャンパス用語
でこのような文章がありました。

I'm going to take Honors Arts and Sciences 253-B. The subject is Northwest Coastal Stories.


こういうのは、アメリカの教育を受けたものだとすぐにわかります。
そういうところが実際に生活した者の強みです。

Honors

これは「特進クラス」と訳しましたが、要するに「成績優秀者のいくクラス」で
す。

そういえば、言い回しとして

make the honors list

という言い方があります。

アメリカの大学院で、毎学期だったと思いますが(年に3回だったですが)成績
優秀者がその都度、文字通りリストで張り出されました。

それにしても、13歳で大学生。

あまりに知能が高すぎるとまわりがついていけないのでは、と心配になります。
まわりが自分と比べるとつまらない人間のようにみえてしまわないだろうか。
そうだと、つきあうのが難しいだろうな。

だったら、平凡でも仲良く暮らせるほうがいいのかもしれない。
何が幸せなのだろうか、とふと考えさせられました。

2009年04月18日

最近気になる本

4月9日の日経新聞のコラム「春秋」で大河原眞美先生のご著書で「合理的疑い」
という言葉がとりあげられていることに関連して書かれていたのに興味を持ちま
した。reasonable doubt の訳語として放送通訳でこのように使っていました。

CNNで同時通訳のときはわけがわからないまま、ともかく「合理的疑い」と言
葉をあてはめただけの訳出を私もしていたことを思い出しましたが、裁判員制度
をむかえて一般の市民も裁判にかかわるようになると、わかったようでわからな
い裁判用語について、考え直す必要があるのではと考えさられました。

またbeyond reasonable doubt と言うフレーズで使われることが多いようにおも
います。「合理的な疑いを越えて」有罪といえるかどうか、というふうに。
また今回もうひとつつくづく思ったのは、アメリカのニュースに裁判関連の話題
が浸透しているということです。

思えば beyond reasonable doubt を最初に耳にしたのは、OJシンプソンの裁
判のときでした。これは世紀の裁判、だのドリームチーム弁護団だの、大きな話
題を提供した裁判でしたが、放送通訳の面でも大きな衝撃を与えたこの事件はこ
の日本の裁判員制度にも関連するくらいの伏線をしいた事件だったとあらためて
思いました。

こんなふうにいろいろと考えさせられた日経のコラムだったのですが、今日の産
経新聞の書評に当のこの本「裁判おもしろことば学」という大河原先生の著書が
出ていました。「法廷は言葉のガラパゴス」という指摘をされているのだそうで
す。日本の法廷用語の多くは、明治時代に西欧の諸概念を直訳して移入され、閉
鎖的な専門家集団の中で独自の進化をとげながら定着している、あたかも外界か
ら隔絶されたガラパゴス諸島に生息する生き物のように、というのだそうです。

この本、ぜひ読もうと思いました。

さて、最近の本といえばCNNニュースにはいったときにこういう本の紹介があ
りました。50年以上前の本なのに、経済不況をきっかけに売れているそうです。
日本で「蟹工船」がブームになったのと似ている?

アイン・ランド (Ayn Rand) の「肩をすくめたアトラス」。1957年出版の本です。
原題は Atlas Shrugged Atlas インターネットで調べたら次のサイトに要約があ
ります。


こちらのサイト

資本主義とは何か、を考えさせられる小説、著者は1926年にソ連からアメリカに
亡命した作家、とCNNでは伝えていましたが、インターネットでみるとこんな
記述も。

「アメリカでは聖書に次いで人々に影響を与えた本」。

またアイン・ランドは、脚が綺麗で非常に美しい女性だったそうで、25歳下の愛
人がいたとかで、人間的にも興味を惹かれました。

この本もいずれ、読んでみようかとおもいました。訳本は「肩をすくめるアトラ
ス」脇坂あゆみ、ビジネス社。

ほかにも、アラン・グリーンスパン元連邦準備制度理事会議長がこの作家の影響
を受けていたことや、映画Miss Congeniality (邦題では「デンジャラス・ビュー
ティ」)の脚本を書いていたこと、ハリウッドのセレブと親交があったことなど、
話題の多い作家であるようです。

また、つい気になるのがタイトルの翻訳。Atlas Shrugged は普通に訳したら
「肩をすくめたアトラス」となりますが、翻訳者がタイトルを「肩をすくめるア
トラス」としたのは何か意味があるのでしょう。ギリシャ神話にでてくる地球を
支える巨人アトラスの力の及ばない部分、という意味なのか。

映画の邦題にしても、congeniality という訳しにくい英語は、いっそ映画の中
身を表す分かりやすい日本語の題にしたほうが、観客動員につながるという判断
だと思います。タイトルの翻訳をどうするか、これも考えてみると面白い点です。

2009年04月21日

オバマ大統領の人気

今日のABCニュースのトップは
Obama urges C.I.A. not to be discouraged by memos

平たく言ってしまうとオバマ大統領がCIAに対し、CIAが拷問など過酷な尋問手段を用いていたという内部文書を公開したことで、あまり気落ちしないようにと励ました、というもの。

このニュースを聞きながら、通訳者仲間では「オバマ大統領が励ましてくれたら、気分が違うよね、だってオバマ大統領だものね」とおおいに納得したのでした。

そうです、通訳者仲間でも、いまもなお絶大なるオバマ人気。私たち通訳者仲間内でオバマ氏の支持は圧倒的なものがあります。やっぱり人間を納得させるような人間的な魅力というか、ひとをひきつけるオーラがあります。

それはただ、通訳者として一方的にその声を聞き、通訳している者にとっても感じられるものです。

たとえば、NATOサミットの終わったあとの記者会見での何気ないひとこと。

かなり記者会見が長引いたあとの何気ないひとことでした。

Let me-- I'm going to take just two more questions and I'll --from non-Americans. You guys weren't even on my list, but I'm adding you on so that -- and I want to make sure that the other world leaders treat my American colleagues well, too, though.

と、ここで笑いをとります。

そのあと、こうたたみかけたのでした。

Did Sarkozy give you guys any questions?

You see there?
There's got to be mutuality in the transatlantic relationship.

うーん、これはお見事でした!
スピーチライターがうまいから、オバマはスピーチが上手だなんて、誰がいうのでしょう。
即興のこういうしゃべり、実に巧みなのです。

記者のほうも引き込まれて、次のような質問をしました。

Sonja Sagmeister from a littel country, Austria, from Austrian Television.

そして最後に質問をしたもう一人の記者はアルバニアの記者でした。

記者会見はこうして笑いに包まれながら実になごやかに終了しました。

もっとも、これも演出だったとしたら?たいしたものですね。

今日のニュースに話をもどすと、おやと思ったニュースは二つ。

月例ベースで中国がアメリカを3ヶ月連続で抜いているということ。上海でのモーターショーはこういう背景もあって大いに注目されています。

あと、アメリカを衝撃に陥れたコロンバイン高校の銃乱射事件からこれで10年たった、ということ。被害にあった人たち、生き延びてそれぞれの人生を送っている3人が紹介されていました。survivor's guilt に苦しんだ、という話がありました。

訳しにくい言葉ですが、「生き残ったことへの罪の意識」としました。

もうひとつ、今日の経済ニュースで簡単なことなのに訳しにくかった言葉。

we need to put money to work in the market

別に難しい言い回しではありません。

意味を考えれば「活用」「運用」「儲けを出す」いろいろ言えたはずなのに、ぐっとつまってしまいました。

利益を生ませる、役立たせるなどと、なんだかわけのわからない訳出になってしまいました。

他にもこういう例があります。

経済の先行きを問われた場合、答えとしてよくアナリストやエコノミストが言うフレーズ

It will get worse before it gets better

これも、直訳しようとするとけっこう悲惨なことになります。

「よくなる前に悪くなる」

まあ、それでもわからなくはないですが、「経済好転の前に一段の悪化は避けられない」

さらにいってしまえば、
「景気の先行きは楽観できない」

で、いいように思います。

しかし、どこまでわかりやすい言い方をするのか、そこが考えどころですね。

もっとも、よくこんなふうに思います。
ニュースキャスターのよくいう言い回し、英語でも日本語でもストックをつくっておいて、どのようにいうのがわかりやすいか、状況別に対応策をつくっておけば、おそらくスムーズに対応できます。

同時通訳ができる、というのは自動化できる部分は自動化して、ぐっと言葉につまることによるエネルギーの無駄を最小化することともつながっていると思います。自動化できる部分が多くなれば、残る数少ない自動化できないところに、どのように伝えればうまく伝わるのか、もっとエネルギーを割いてじっくりと考えることができるのですから。

2009年04月23日

CNNj

同時通訳をしながら気付いたこと。

A resurgence of violence in Iraq.
Suicide bombers launch two deadly attacks in and near the capital,
killing dozens of people.

訳出したのは次のようになっていました。

「イラクでまた暴力が高まっています。
自爆テロが2件起きました。
首都の近辺で数十人もが犠牲になっています。」

と、こう書きながら「なっていました」という書き方自体がこの訳出を反映しているがごとき、だと思います。

特に自分で気付いたのが自然と「自爆テロが2件起きました」と言っていたこと。

もっとも、英語でterrorist attack といっていないのに「テロ」といっていいのか、という問題があります。

deadly attacks

ですから、本来は次のほうが正確でしょう。

「2件の攻撃により死者が出ています。」

もっとも日本のニュースでそういっているか、というと同じ事件をさして日本のあるテレビ局では「テロ」といっていました。ためしに活字メディアではどうかと思い、4月23日、バグダッド、テロ事件、という情報を伝えるのに、たとえば新聞記事では「自爆テロ」としています。

共同とありますので、これは通信社が配信したのを使ったものでしょう。
朝日新聞の記事においても「連続自爆テロか」、とあります。

こういう場合、よくよく考えてみると訳語の選択としてこれでよいのか。考えさせられます。しかし、同じニュースを日本でこのように報道しているのだから、テレビをみている視聴者には日本のニュースで流れているのと同じように報道されたほうがなじみやすいのだろうか、それとも、外国のテレビ局が伝えている文字通りにするべきなのだろうか。

そのあたりが迷うところです。

これは単語の例ですが、次はもう少し長い単位でみてみましょう。
他にこの日、自分で言いながらもとの文章とは違った言い回しをしているな、と思ったのが次のフレーズ。

Market is slowly coming back to life.

市場に活気が戻ってきています。

いいながら思いましたが、この例では、主語が変わっています。

しかし、日本語だとやはり「市場が活発になる」よりは「活気が戻る」のほうがニュースで普通に使われる表現でしょう。

では、次の例はどうでしょうか。

メキシコの麻薬カルテルがアメリカから銃を密輸入して武装を強めているというニュース。

Drug cartels are powered by gun

「銃にものをいわせている」

というのがとっさに口をついて出た表現でした。

これも、文字通り訳せばこうなるでしょう。

「銃の力を借りている」

これでも意味はわかります。ですが、ニュースを放送通訳して「伝える」ときには、自分で話している気持ちになって「伝えている」のです。

もし私が使っている日本語が自然な日本語であるのであれば(この仮定が崩れているのであれば最初から話になりませんが)、自分で日本語として話すもののほうが「日本語らしい」はずです。

ところがイディオムの場合はどうなのでしょう。

Where there is smoke, there's fire.
And apparently part of the Southern US is feeling the heat.

からからに乾燥しているサウスカロライナ州で山火事の被害が広がっている、というニュース。

とっさに口をついてでたのがこれ。

「煙のあるところ、火あり」

ですが、この直訳は考えてみるとまずかったのです。

煙があがったら火事になる、つまりすぐに燃え広がる、というのがこのニュースの言いたいことだったとあとで気付いたからです。

しかしもしこれをイディオムとして使っていたのであれば

「火のないところ、煙は立たず」

というのが適切な訳だった場合もあり得たかもしれないです。

うーん、日本語は難しい。

最初の例に戻りましょう。

自爆テロという言い方は、このニュースについての別の表現でもありませんでした。

Suicide bombers are back on the rampage in Iraq with two major attacks that killed more than 70 people.

この部分の私の訳出。

「自爆テロが再び勢いを増しています。

イラクで2件の自爆攻撃があり70名以上が犠牲になっています。」

これも英語ではkilled とはいえ、日本語では「殺されました」とは言わない。

「犠牲になる」、もしくは「命を落とす」ですよね。

自然な日本語とはなんでしょうか。
毎日、考えています。

2009年04月26日

訓練中のうぐいすと思うこと

朝5時半頃だったでしょうか。うぐいすの声で目が覚めました。

ホーホケキョ、と確かに鳴いているのですが、どうも訓練中のうぐいすのようで
す。

微妙に音程がフラットがついた感じで、半音ずれたり、ホーホケキョとなるはず
のリズムがちょっとくるっていたり。

五線譜に書くわけにいかないのでうまく伝えられませんが、要するにまだまだ、
「新米」なのだろうな、との印象です。

素朴な疑問。このうぐいすはどこから来たのだろう?
しかも、鳴く練習時間は5時半からの10分くらい、と決まっているのか?
10分ほどで終わり、そのあとは聞こえてきませんでした。

明日の朝も鳴いているか、ちょっと楽しみにしようと思います。

さて、ときどき凍結された記憶のなかから何らかの刺激を受けて、突如記憶が鮮
やかによみがえって来ることがありますが、先日、授業で話をしているときに突
如、そういう瞬間がありました。

場所は札幌。ときは私が大学3年のとき、アイスホッケーの国際大会の通訳アル
バイトをして、リンクサイドの場内アナウンスブースに入っていたときのこと。

時計の機能不全のため、手動で時間を計測します。

もとの日本語はこんなようだったと思うのですが、それを英語で場内にアナウン
スしてください、ということでした。

大抵のほかのアナウンスは、もう用意されていたものをただ読むだけですむよう
なことだったのですが、これはハプニング。
さて、なんと言うか。

Due to malfunctioning of the clock, time is measured by hand...

とか、言ったように思います。

そうしたら、すかさず頭上から小さな外国人の男の子の声。

We don't say that!

もう、身がすくむおもいでした、、、

私の言葉はあまりに直訳で、すんなりと伝わる英語になっていませんでした。

どう言えばよかったのか。

おそらく、子連れできている人にとっても

The clock is not working correctly so we would measure time by stopwatch.

とでも言えばよくわかったのかな、と思います。

教訓:たくさん訓練をして、たくさん恥をかいてようやく多少はましな仕事がで
きるようになります。

2009年04月28日

レーラーニュースアワー

今日は10分ちょっとの長いリポートを担当しました。

セントルイスは1930年代に80万の人口があったのに、衰退して50万を失い、いまも経済苦境にあえいでいます。就任100日目を迎えるオバマ大統領はここでタウンミーティングをおこなうことを決めました。そういうことで取り上げられたセントルイスについてのリポートでした。

かつての万博跡地は動物園になっている、ということで今回のリポートの最後の部分、ここの訳出をおおいに考えました。

今でもこれでよかったのか、考えていますが、、、時差通訳だからもう少し自由な訳文にしてもよかったのかもしれませんが、音声で伝えるときにどうしても順番をそのままにしておいたほうがやりやすいということがあるのですよね。

ご参考までに。

A second wave of stimulus. Well, maybe and maybe not, even if you could argue that much more money is needed if St.Louis were to build truly ambitious projects, projects enduring enough that local celebrities like Elvis, say, might still be jealously guarding them three-quarters of a century after they were built.

この文章にでてくるエルヴィスくんはラクダで、メスを何頭もまるでハーレムのように囲って、自分の子を妊娠しているので大事に見張りをしている、ということなのです。

私の訳例です。

第二次の景気刺激策。それはあるかもしれませんし、ないかもしれません。

セントルイスが本当に野心的なプロジェクトを行うためには、ずっと多くのお金が必要なのはあきらかです。たててから4分の3世紀が経過したあとも、なおエルヴィスという名のじもとでたいへん人気のあるラクダが一生懸命守ろうとするようなプロジェクトのためには、投資が必要です。

頭から順番に訳出しようとすると、最後にどうしても動詞をこのように補わざるを得なくなります。

あともうひとつ補足。
この日のリポートには何の断りも無くWPAという言い方がでてきました。
インターネットで検索してみると、Works projects Administration
雇用対策局、という機関で、ルーズベルト大統領が大恐慌へのニューディール政策の一環として1935年に設立したものだそうです。

いまは、すぐに検索できるからいいようなものの、これは内容がわからなかったらどうしようもないところでした。

2009年04月29日

ABCナイトライン

今日は就任百日を迎えたオバマ大統領の話題に違いない、と思っていたら
主な項目3つのうちのひとつは、「100日を迎えたファーストレディのミシェル・オバマさんについて」でした。そしてもうひとつがpower dressing

dressing を ドレッシングとカタカナにすると、サラダドレッシングを連想するかもしれない、と気になる人のためには、

パワードレス
あるいはパワーのある装い
としたほうがいいかもしれないです。

このテーマ、面白いとおもってこれもネットで探したらこういうことでした。

A stylish and expensive clothing style, intended to convey the impression of assertiveness and competence and predominantly worn by women.

This term has been used since the late 1970s and reflected the clothing styles favoured in business and politics in the US and UK throughout the 1980s.

しかも、ダラスやダイナスティといったテレビドラマにでてくるヒロインのきた服に影響されているということです。

肩にパッドのはいったアメフト選手のような上着、たしかに80年代にはやりました。

これを訳していた通訳者の女性3名、いずれも「あーあ、とっときゃよかった、でもあれ、かさばったのよね」と「流行はくりかえす」、にため息だったのでした。

2009年04月30日

CBSイブニングニュース

ついに4月も今日で終わり。一年の3分の1がもうこれで終わったことになる。
そして今日は、おそらくオバマ大統領の最初の100日の話題がくるだろうと予想して番組にはいった。ところが、世界では豚インフルエンザが猛威をふるっている。トップの項目はやっぱりこれだった。世界保健機関のチャン事務局長が全部で6段階の警戒レベルのうち、レベル5にひきあげたばかりだというニュースがトップ。

そのあとは、この前別の番組ですでにわかっていたように、セントルイス郊外でのタウンミーティングにのぞんだオバマ大統領の様子。

もうひとつ、大きなニュースはアメリカのGDPがマイナス6.1%成長だったこと。
その影響もあってか、全般的にアメリカ大統領の成績はBマイナス、といったところのようだ。

面白かったのは、ベテランキャスターのボブ・シーファーとアンカーのケイティ・クーリックとの対話。二人でなぜ、政策についての評価があまり高くないのに大統領の支持率はおちていないのか、の話になったときの結論がこれ。

President is more popular than his policies.

政策よりも大統領のほうが人気あり。

ということだろうか。

支持率は68%。就任のときよりもおちたとはいえ、これはなかなかのもの。
ちなみに株価はまだ就任したときの水準を回復していない。

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