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2009年03月 アーカイブ

2009年03月02日

CNNプライムタイムニュース

2月25日にいつもおこなわれる外語大の入試、また今年はたまたま日本時間で2月25日になったオバマ大統領の議会演説も無事に終わり、26日、27日の採点業務も無事に終了、一段落の気分です。

今日はNHKでのCNNプライムタイムニュース。私は2番。

私のところで話題になったもので大きく印象に残ったのが、ポール・ハービー氏、死去のニュース。あらためて思いました。新聞の死亡欄もそうですが、放送通訳で担当するobituaryにはなんと、人生ドラマがつまっていることか。

新聞の場合でもニュースとして扱われているのですから、普通の広告と違って亡くなったので取り上げてほしい、といって載るものでもない。放送の場合、当然ですがテレビ局の判断です。

この人の場合、90歳で亡くなりましたが、10代のころからラジオの世界に入って、主としてシカゴのABCラジオで70年以上のキャリアというからすごい。

トレードマークのフレーズ。

Now the rest of the news

どう訳すか、迷いましたが

「ニュースをお伝えします」

としました。

しかし、実際に本人が話しているのは実に味わいがあるもので、やっぱりずっと聞いていたいと思わせるような声。さすがと感じ入りました。

伝説的な人物だったことは確かです。

2009年03月06日

ABCナイトライン

今日のメインリポートは、おおいに考えさせられました。

キャッシュフォアゴールドという金を持ち込んだら、重さでその金の値打ち相当のキャッシュ(現金)に換えるという業者がとりあげられていました。

印象に残る表現としては

all that glitters may not be gold

光るものすべて金ならず

というのが教訓でしょうか。

金を持ち込んでも思ったほどの値段がつかずに悲嘆する人、しかし、実は

sentimental value
気持ちの上での価値

と、金を区別して考えねばならない。

混ぜ物が多くて本当の金の値打ちが少ない場合があると業者は主張。

Fool's gold
愚か者の金

といわれてしまっては見もふたもありません。

knowledge is definitely power

知識は間違いなく力

これはいつの時代にも、どんな場合にも真実のようです。

CBSイブニングニュース

とても興味深いリポートが二つありました。
他人事ということで軽くみるというのではりませんが、マドフ容疑者の詐欺にひっかかった不正投資の被害者の人たちの間で、どのように保障がされるかの動揺が広がっている、という話題。

なんでもSIPCという機関が損失額の査定をしているのだそうで、それぞれの種別グループで評価がおこなわれるということで、あるグループについての取材結果がリポートされていました。医療関係者でまとまっているこのグループ、140人の関係者の失った被害額は3300万ドルだそうですが、査定では50万ドルしか、払われない可能性もあるのだとか。

65歳になるという医師は、40年間、まじめに勤めてこつこつとためたお金を全額、マドフ容疑者のファンドに投資をした、この後引退生活を送ろうとしていたのにどうしたらよいのかわからない、と呆然とした表情で語っていました。

悲嘆を表す言葉が聞かれました。

When I am alone I sit back and cry

一人のときは、ただ座って泣いています。

必要なのは、

healing to bear the unbearable

たえがたきを耐えるための癒し

という、やるせないリポートでした。

本当に皮肉なことですが、グループ同士の争いということにもなりかねません、、

もうひとつ、もう少し明るいリポートはオバマ大統領について、こういう表現のリポート。

add salt to pepper

要するに、歴代大統領は大統領という激務につくとみな、普通の人よりも早く老けて、白髪が増えるというリポートだったのですが、なるほど、こういう言い方をするのか、と思わず納得。

日本語だと「ゴマ塩」頭といいますが、、、

さだめし「胡椒塩」頭?

でしょうか。

若くてさっそうとしているオバマ大統領、老けないでほしいです。

2009年03月11日

ABCワールドニュース

今日は1番。夏時間になってはじめてなので、やや調子が違うが、予想通り今日の一番は株式市場がどうやら多少は回復基調か、というところ。

この言い回しが何度かでてきて、どう訳出するか考えた。

We still need to see whether this bear market rally has legs.

have legs
本物の回復
しっかりした回復

というニュアンスか。

bear market rally

弱気市場(相場)の中の上昇局面

とした。

また、こういうときによく出てくる表現。

cautiously optimistic

慎重ながらも楽観的

しかし、この言葉も何度もいわれたけど続くかどうか、、、

that this time it's for real

今度こそはほんもの

そう願いたい。

今日、大学にいきお昼を外のイタリアンレストラン(主としてパスタ、でもデザートもおいしそうだった、、、)に食べに行ったところ、ホワイトデー特別メニュー、期間限定3月11日から14日、というのをみつけて、思わず「へえ、これが最新流行?」と思った。

ホワイトデーなるものが日本ではやっているのは、外国人がみたらいったいこれは??ではないだろうか。

そういえば、もう5年位前からお隣の韓国ではyellow day あるいは black day があるという話をきいた。

恋人がいない人が募集中ということで、黄色いものを(たとえばカレー)食べるのがイエロー・デー、それでも恋人がみつからなかった人が悲嘆にくれて黒いもの(ジャージャー麺など)を食べるのがブラック・デーとか。

要するに、チョコレートや菓子ばかり売れるのをうらやんだ食べ物やさんたちがはじめたトレンドということか。

なかなか、商魂たくましい、というところか。しかし、はやるのか?!
ホワイトデーのディナープラン、二人で5,000円というのはもしかしたら、流行になるかも。

2009年03月12日

「アンのゆりかご」

久々に感激する本を読みました。「アンのゆりかご」、村岡花子さんのお孫さんにあたられる村岡恵里さんが書かれた村岡花子さんの生涯の本です。

もう遠い昔ですが本好きの少女だった私は「赤毛のアン」「少女パレアナ」などを愛読しましたが訳は全て村岡花子。アンといったら、村岡花子。この名前は何度も何度も目にしていました。でも、翻訳者としての人となりやどうやって翻訳者になったのか、ということは恥ずかしながら、自分でも翻訳本を出すようになった今まで、深く考えたことがなかったのです。

それが、去年出版されて書評などで評判の高かったこの本を今日、たまたま「アンのゆりかご」を出版したマガジンハウスの編集者の方のご好意で手にすることができて、当時の翻訳者への道について知ることが出来て、本当に感激しました。

まず、今だってすぐれた翻訳ができるほどに英語が使えるようになるには大変な努力と勉強が必要なのに、当時どうやってそれだけの英語力が身についたのか。
また外国についての事情を日本から出ることなく知ることができたのか。当時、東洋英和女学院の奨学生だったという事情を読んで、いかに当時のこの学院が傑出した存在であったのかがわかりました。また、当時日本の女子教育に情熱を注いだカナダのシスター達の愛情深さ。「日本の子どもたちに読み物として与えられる本」を翻訳しようという夢にまっすぐ向かっていった村岡花子さんのひたむきさに、心底心を打たれました。

自分のやりたいこと、生涯をかけたいことに一生懸命打ち込めば、夢は必ず叶う。
そういうメッセージを与えてくれる本でもあると思います。

ひょんなきっかけからめぐり合った「赤毛のアン」の原著、それに翻訳の草稿を東京の空襲のときも、しっかりと風呂敷包みに抱えて持ち出したという情熱。戦後、懇意にしていた出版社の編集者の勧めで出版にいたるとき、題名をお嬢さんの一言で「赤毛のアン」としたこと。このタイトルがどういうふうにつけられたのか、といういきさつについては、たまたま同時に読んでいた「翻訳者はウソをつく」という青春文庫の本のなかでも逸話として触れられていましたが、「赤毛のアン」というタイトルでなかったら考えられないくらい、広まったこのタイトル、考えてみたら英語のもとのタイトル、Anne of Green Gables とはかけ離れています。切妻屋根、といってもぴんと来ないことからこういうタイトルにした、というタイトルはいまから振り返ってみたらきわめて的確でした。

またこの本では他の明治の女流文学者についても触れられ、 日本とカナダのつながりについて、当時の日本の女性の意識についても貴重な情報があります。

ぜひ多くの人に勧めたい本です。
やっぱり、本ていいですね。

2009年03月13日

レーラーニュースアワー

今日、オバマ大統領の発言としてとりあげられていたことをみて、おやっと思いました。今までの強気で楽観的、屈託のない論調と明らかに違うちょっとひねたような論調。どのように訳出しようかと一瞬迷いました。

I'm not planning to address these additional challenges just because I feel like it, or because I'm a glutton for punishment.

glutton というのは大食家、という意味ですが、あまり耳慣れない単語ですし、どうしてここで使っているのか、という唐突な感じ。

この発言は、12日にビジネスラウンドテーブルで、大規模な医療保険とエネルギーについての改革計画をだしたときのものです。

考えた末、このようにしました。

「別に単なる気まぐれ、あるいはすき好んでたたかれたいと思うから、さらに大規模な課題に取り組もうとしているのではありません。」

このあとは、

「アメリカの経済成長に不可欠だからこそ、将来アメリカがこんな危機に見舞われないようにするために必要だからやっているのです」と続くのですが、何だか、懇願調子。

一方で、連邦準備制度理事会のバーナンキ議長は週末にCBSの60ミニッツというテレビ番組に出演して、政府の方針を説明する予定とか。

一方、上院の公聴会で、ガイトナー財務長官はこんなふうに問い詰められました。

「ガイトナー長官、マスコミ報道によると長官は世界の金融制度を危機より救う計画だとのことですが、アメリカの金融制度を救う計画はお持ちですか。ずっとその計画を待っています。」

これはCNNニュースで伝えていたことですが、ウォールストリートジャーナル紙がエコノミスト49人に調査したところでは、オバマ大統領の経済政策の点数は59点、ガイトナー長官は51点。本当に厳しい局面になってきました。

なお、この日のレーラーが特に印象的だった理由がもうひとつありました。ラウンドテーブルに出ていたニューヨーク・タイムス紙のダイアナ・ヘンリーケスさん、「フィデリティ」という翻訳本を訳したことがありますが、その著者でした。この大著を翻訳するときに修飾節の長い美文調に大いに悩まされ、この著者はどんな人かと思ったものでしたが、こうしてテレビの画面ごしに、翻訳本が出てから10年以上もたってお会いできたのは、今度は放送通訳者としてびっくり
でした。

2009年03月17日

CNNj at JCTV

思いがけないところで、外国人の日本あるいは日本人への見方があらわにされる場面があります。今日、ニュースで出てきたグラスリーアメリカ上院財務委員会共和党筆頭理事の言葉。
保険大手のAIG幹部が日本人の責任のとりかたにならって自殺を考えることもできる、と述べたのです。

take a deep bow and do either one of those two things: resign, or commit suicide

というような言い方でした。

まず深々とお辞儀をして、辞任するか、自殺をするか

どうも、日本人の文化としてアメリカ人にインプットされているのが「恥の文化」と潔く腹を切る、というイメージなんですね。

今日そのほかにでてきた面白い言い方。

金融詐欺で告発されているサンフォード容疑者の資産が差し押さえられましたが、4軒の住宅などがあるほか、スタインウェイのピアノもあった、という報道に対してキャスターコメント。

so he was playing the Steinway piano and not fiddling as the Rome burns

play the fiddle as Rome burns

ローマが燃えようとしているときにバイオリンを弾いている


という言い方になぞらえているのですね。

ローマの大火事については暴君ネロが火をつけたともいわれていますが、果たして演奏していたのはバイオリン?

ここでサンフォードの例にこの言い回しを使ったのは面白いと思いましたが。

あと、ラリーキングライブに登場したのがジャッジ・ジュディ。
ちょっと休みで留守にしていたラリー・キングが戻ってきて迎えたのがお気に入りゲストの一人のジャッジ・ジュディ。

胸のすく思いをしたコメントがありました。

back to Octomom

八つ子の母の話題です。

(そうか、このように短い言い方があるのですね!)

She has fragile children. You cannot take care of them as a single person.
Somebody has to watch it. Not someboday who is answerable to a foundation. Somebody that's responsible from the state has to watch that.

普通の子どもではないのですよ。シングルマザーとしてとても世話ができるようなものではないです。誰かが面倒をみなくてはならないのです。どこかの財団にかかわっている人というのではなくて、責任がとれる国の人が見守っていかなくてはならないんです。

そのとおりですね、ジャッジ・ジュディのいうとおりと思っていたらラリー・キングの返事がこうでした。

King: Well said.

こういうふうに、よく気持ちがわかる場合は訳しやすいですね。

ここは、

良くぞ言ってくれました!

あるいは

おっしゃるとおり!!

とでも言えばいいでしょうか。
そもそも、6人子どもがいるところに、また人工授精で8つ子を産むことをさせた、ということ自体がおかしな話です。福祉を受けているというのに、障害のある子も抱えているというのにまた子どもをつくったのですから。

もうひとつ、このラリーキングライブにでてきたなかでなるほど、と思った表現をご紹介しましょう。

オバマ大統領がおこなう政策についてジャッジ・ジュディが述べている部分。

President Obama is going to have an opportunity relatively soon to put his imprimatur on whether or not gay couples who work for the federal government, I believe, are going to be entitled to insurance, health insurance.

オバマ大統領はじきに連邦政府の仕事をしている同性愛のカップルが、医療保険を受ける資格があるという案に許可をおろす機会をえることになりそうです。

put his imprimatur

許可を出す

という意味ですね。

それと今日読んだ新聞から2点。

ニュースの放送通訳をするには、新聞をくまなく読むという作業が欠かせませんが、思わぬ発見があることも。

まず、産経新聞に連載されている日本コカコーラ会長の件。英語を勉強するきっかけとなったのが、高校の恩師の一言であったこと、また大学に入ってからは、アメリカ留学から帰ったばかりの教員に大きな影響を受けて、よしアメリカに留学するぞというのが大いなる目標になったこと。先生の一言、態度って大きな影響があるというのを改めて認識。

それと、毎日新聞でとりあげられていた竹中ナミさん。

アメリカ国務長官による顕彰事業の一環として、5日にアメリカ大使館から「勇気ある日本女性賞」を授与された方。先日、国際婦人デーレセプションであった方でした。

という意味ですね。

面白い言い方だとおもいました。

2009年03月19日

CNNj at JCTV

新聞をみてなるほど、と思うことが多いですが今日もそうでした。

産経新聞にのっていた国連事務総長の発言。
国連分担金で支払いに関して「踏み倒し(デッドビート)」国家だといった、というもの。

結局、アメリカは現実に分担金のうち一部は払っており、まったく払っていないのではないことを反論、事務総長は釈明に追われました。

deadbeat

この訳出をどうしようか、とそのときも思ったのですが、「踏み倒し」にすればよかったかんと思った次第。

さて、CNNの放送通訳はいわゆるbreaking news 突発ニュースがはいってくるのが特徴であり、面白くもありやりがいがあると同時に難しいのですが、、、

今日はAIG賞与について、オバマ大統領がカリフォルニア州でタウンミーティングを開いている模様が生ではいってきました。

カリフォルニアは午後の時間。

また、昨日からスキーで転倒して怪我をし、病院に運ばれたとされていたイギリスの女優、ナターシャ・リチャードソンさんが亡くなった、というニュース。

まだ45歳、それに知りませんでしたが女優のバネッサ・レッドグレーブさんの娘だったのですね。

これを聞いて(もう、イタリアから帰って以来、スキーはやっていませんが)もともと、寒いの苦手でもある私、今日のパートナーとも「スキーはもうやめておこうね」という話になりました。

2009年03月26日

ABCナイトライン

外国人で日本語を勉強している人が困るのは「パンスト」「リモコン」などの4
文字略カタカナ語だそうですが、英語から日本語で困ることがあるのがアルファ
ベット・スープとも呼ばれる略語。しかも、略語の意味がカタカナ語と微妙にず
れていることがある。そういう場合はどう処理するのか。

時差通訳だと、同僚やデスクと相談して決めることができます。

今日、リポートの一つでテーマになっていたのがRVでした。リポートでは不況
で生活が困窮するあまり、RVで生活をせねばならない人たちが出てきた、とい
うのが取り上げられているのですが、このRV recreational vehicle レクリ
エーショナル・ビークルの略とはいえ、今日のリポートでとりあげられていたの
は、むしろ、キャンピング・カー、あるいはトレーラーというような形の車。

レクリエーショナル・ビークルというと、ワゴン車の大型のような感じを受けま
すが、リポートにはRVパーク、なるものも登場、キャンピング・カーが何台も
やってくるような場所なのです。狭いながらも台所、居間にあたるような空間も
セットされているような車、これをRVレクリエーショナル・ビークル、といっ
ていいのか。実態に即してキャンピング・カーとすべきか。

結局、検討した結果、画面に文字でもRVとでますし、RVパークという言い方
もそのまま、画面でも出てくることから、この場合はRVでいこうということに
なりました。このレポートでRVといったら、画面にでているようなものを指す、
ということで。でも、このあたりの判断は難しいところです。

そして、今日でてきた表現で簡単なんだけど訳そうと思うと意外と難しいという
表現がありました。

やむなく、RV生活をしている親子3人の生活について9歳の少女が語った言葉。

困るのは、冷蔵庫のすぐそばで寝ているので、夜冷蔵庫をあける人がいて、

I have butt in my face

お尻が顔にあたる

ということだそうです。

これ、単純なようですが

in my face

というところ、そうなんですね。

オバマ大統領の演説でも、こういうくだりがありました。

face

hope in the face of uncertainty

the audacity of hope

という、2004年の民主党党大会の出世作ともいうべき、フレーズで有名なスピー
チにでてくる一節です。

不確実性のなかの希望

ということですね。

face

の使い方、意外な面をみた思いでした。

2009年03月27日

卒業式

早いもので、東京外国語大学にきてから5年目が終わろうとしているところです。

去年、私が赴任してきたときと同じときに入学をした一年生が学部の卒業式を迎えたときも感激でしたが、今年は特化二期生が学部を卒業、特化一期生が修士課程を修了する日。

その点について、学長先生もスピーチで触れてくださいました。

式のとき、修了生といっしょに卒業式会場でとった写真は、大学の通訳コースに
もアップしています。そちらもご覧下さい。
通訳コースホームページ

ちなみに、ここで私が腰に巻いているのはトルコからのおみやげです。

普通に街でするのは難しいかもしれませんが、こういう華やかな席ではいいかな、
と思った次第。

2009年03月30日

ABCジスウィーク

今日はガイトナー財務長官との20分以上の長いインタビュー、そのあと、財務長
官に対していちばんの批判的論客とも言われているクルーグマン教授を含む4人
のゲストを迎えてのラウンドテーブルという構成。

1番にあたったので、両方共に司会役のステファノポロスで、本当に早口でたい
へん、と思ったのですが、実はガイトナー財務長官も早口、それにラウンドテー
ブルのゲストもそれぞれ、どれもたいへんでした。

クルーグマン氏については、ユーチューブでとってもヒット数が多い歌まで出来
ているとか。

Why aren't you the Treasury Secretary?
Many know you have the Nobel Prize.

という歌詞の部分、ここは字幕をつくりました。

字幕をつくるとき、通訳者は大体文字通りに訳しそれをディレクターが字幕にし、
デスクがみて確認というプロセスですが、上記の部分はこうなりました。

なぜ財務長官にならない?

ノーベル賞をとったのに。


そうですね、なるほどと納得。

あと、今日いろいろと出てきた表現のなかで訳出をどうしようか、と考えたもの
を二つ、紹介します。

クルーグマン教授は、ニューヨークタイムズ紙でガイトナー長官の対応策を

financial hocus-pocus

hocus-pocus

いんちき、とかごまかし、という意味ですので、

金融上のごまかし

としました。

あと、何度も使われたのが

not out of the woods yet

out of the woods

森から出る、
つまり

困難を脱して
危険を免れて

の意味ですから、否定をしているということは

「まだ安心はできない」

という意味ですね。

この日のガイトナー財務長官、追加支援を求めるかと言うことについては、言葉
をにごしてはっきりと伝えなかった、というのも、大きなニュースとしてとりあ
げられていました。

2009年03月31日

ABCワールドニュース

今日は一番。予想通り一番の話題はなんと言ってもアメリカの自動車メーカーの
再建策についてでした。アメリカの自動車業界に対して、オバマ大統領が厳しい
言葉をあびせた、というニュース。確かに、GMのワゴナー会長は辞任をよぎな
くされました。しかし、たっぷり年金をもらうということに割り切れない思いの
人もいるでしょう。

もっとも、オバマ大統領の厳しい言葉は

gussied up with supportive words

応援する言葉で飾られている

というふうに伝えられていました。

gussy up

めかしこむ

という意味ですが、この文脈では「飾られている」ということでしょうか。

さらに、

auto industry's problems were papered over

というふうに伝えられていました。

papered over

これは隠す、という意味ですね。面白い言い方だと思いました。

今日は、BS世界の扉で、高橋キャスターがチャーリー・ギブソンにインタビュー
したものを伝えていたので、同時通訳部分がはじまるのが遅くなり、同時通訳で
伝えるところは少なかったのですが、時差通訳部分でも実に面白いリポートがあ
りました。

私が担当したところでは、ニューヨーク州オルバニー近くの下院議員の小さな選
挙区で、あたかもオバマ大統領の再選の選挙か、というくらいに民主、共和両党
の候補の間で、地域の問題ではなくアメリカ全国の問題が選挙の争点になってい
る、というリポート。

次に、他の同僚が担当したところですが、マッケンジー医師の伝えた心臓病に画
期的に効くかもしれない薬のリポート、伝えるフレーズはこれ。

a little pill that could

a Little Engine that Could

という名前の絵本がありますが、そのもじりですね。
「がんばる小さな機関車」とでもいえばいいでしょうか。

それになぞらえるなら「頑張る小さな錠剤」か。

それと今日、びっくりのリポートがこれ。

President Obama is becoming an English teacher in Japan, or at least his
speeches are...

と、オバマ大統領のスピーチを使って日本で英語のレッスンが行われている、と
いう話題。

流れたフレーズはおなじみのものが多かったです。


Hello Chicago

これは、勝利演説の冒頭の部分ですね。

Hope in the face of uncertainty...

これは、2004年の民主党党大会のときの the Audacity of Hope 演説ですね。

Through hard work and perseverence...

これも、聞いたことのある一節。

このABCリポートのリード部分であったように、

Imitation is the sincerest form of flattery

模倣は最も忠実なお世辞

という言葉もあるそうです。

オバマ本が日本では60万部も売れたこと、オバマTシャツ、オバマ・バーガーま
で販売されている、またある英語学校では、オバマスピーチを一行ずつ、そっく
りジェスチャーやイントネーションも含めて、全部暗記させることで、英語をお
しえているというのが紹介されていました。

こういうのがニュースになる、というところもすごい。

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