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CNNヘッドラインニュース

今日がNHKでの放送通訳仕事おさめでした。

年末に近づくと、海外の放送局も今までに取材してきたレポートを放送したりしますが、
今日担当したレポートもちょっと前につくられたものでした。
ITVニュースの制作したイギリスの自閉症児治療にレゴが役立つ可能性を指摘したものです。

ただ、「レゴ」という商標は放送ではいえないので、
組み立て式おもちゃなどと言い換えました。

今日、このレポートを通訳しながらあらためて思いました。

放送通訳で「情報がでてくる順番」を尊重し耳で聞いてわかりやすいようにしようとすると
「文章の組み換え」をしたほうがよい場合があるとおもいます。

しかし、全部が全部ではないのです。どういう場合にそうなるかを例をあげます。

自閉症治療にレゴが有効ではないかと考えている科学者と医師の話している部分
です。まず、科学者についての紹介の文章から。

Gina Gomez de la Cuesta has done a research project which shows that
Lego therapy helps young children with autism develop their social skills.

放送にでた私の通訳です。

ジーナ・ゴメス・デラクエスタさんがかかわるプロジェクトでは、
組み立て式おもちゃが自閉症児の社会性の発達を促進する効果が示されています。

情報が出てくる順番

つまり、科学者名 → かかわっているプロジェクト →組み立て式おもちゃ →自閉症児 → 社会性の発達 

と順送りに訳し英語の流れにしたがって文章を切らずに続けています。

これを、
which shows that

関係代名詞のところでいったん切って訳すとどうなるか。

ジーナ、、、プロジェクトにかかわっています。

このプロジェクトは示しています。

that 以下を独立して訳すと、「組み立て式おもちゃを使う治療法は幼い自閉症
児の子どもが社会性を発達させるのを助けるものです」

となります。

科学者がリサーチプロジェクトにかかわっている

リサーチプロジェクトの内容はこうだ

と、二つに分かれるとつながりが耳で聞いていた場合、すぐにはよくわからないのではと判断しました。
効果の内容についてもあまりよくわからない感じがすると思ったので、
あえて英語で情報が出てくる順番に沿って日本語の文章を組み立てました。

ですが、英語の文章どおりに訳しても問題ないと思ってそのままにしていることもあります。
このすぐあとに続く科学者の発言です。

'The aim of Lego Club and Lego therapy is to get the children to practice working together and building social skills.

So rather than building their work on their own, they will build a Lego model in a group, in a team. It's a real tool.'

放送に出した訳出です。

「この治療法の目的は子どもに協同作業をするよう働きかけて、社会性を身につけさせることにあります。
一人で遊ぶのではなく、グループやチームとして一つのものを作り出せるのです。
本当に役立つツールです。」

何も順番は変わっていませんが、そのまま日本語の文章にしてわかりにくいこともなさそうです。

それともう一つこの日の放送からの例です。

Mike Fitzpatrick という自閉症の息子を持ち、また自閉症治療についての著書もあるGP(開業医)の発言です。

'Well, it certainly seems to offer considerable potential for children with autism.
And, they particularly offer the scope for interaction and social participation - things that children with autism find most difficult.'

「この方法は自閉症児支援の可能性を開くとおもいます。特に協同作業や社会参加といった自閉症児にとって難しい行動をひきだす方法を提供します。」

と、ここでは順送りに訳してはいません。
情報をまとめてわかりやすくするようにしました。

今年も、この仕事が最後でしたが

「どうしたら正確でわかりやすい聞きやすい放送通訳ができるのか」

毎回、考えさせられます。

時差通訳ですとこのように考える時間がありますが、同時通訳だとありません。
その場合には、いちばん最初に出した例のように

情報の出る順番をそのまま守り日本語で伝える文章構造に即して、情報を組み替える

というやり方を守って訳出するのが、記憶にかかる情報負担も少ないしうまくいくように思います。

と、今年も試行錯誤で年が暮れていきます。

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2008年12月28日 21:00に投稿されたエントリーのページです。

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