ひょんなことから、NHK衛星放送の朝のニュース番組「おはよう世界」の中のコーナー、「世界の扉」に出演することになりました。 きっかけは、11月5日の大統領選挙の生同時通訳。ブースのなかで同時通訳者どうしで「ブースの中の同時通訳者のおしゃべりの中継なんて、やったらけっこう面白いかも」と内輪話をしていたのを、聞いていたディレクターの方が、キャスターに提案してくださって、急に実現の運びとなったもの。
昨日の昼前に急遽、おこなわれることになりました。
提案してくださったディレクターの方、またごいっしょさせてくださった先輩、それにキャスターの方々、本当にお世話になりました。
おかげさまで本当にいままで2年間近くにわたった大統領選挙での同時通訳をふりかえるとてもいい機会を得られました。
今朝はいったオバマ次期大統領の、大統領に決まってから初めての記者会見の模様からも一部、時差通訳をすることになり、15分くらいの予定のなかで、いままでの印象的なスピーチのVTRもあったりしたので、時間的にも準備のうえでもきわめてタイトでしたが、それがこの短い間に番組のコーナーとして成り立ったのは、ひとえに優秀なスタッフのみなさんのおかげです。
本当に今回のこの仕事も、通訳者冥利につきる仕事でした。
皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます。
それと内緒話をするというのであればいいたかったことが二つあったかな、といううち明け話をいまさらながら、言いましょう。
1.今回、民主党が勝てなかったら「どうする民主党」と詰め寄りたくなるくらい、今度は現職の大統領も副大統領も出ていないのだからしっかりしてよ、民主党とおもいながら見守っている一通訳者は思っていたのでした。
2.ブッシュ大統領のいい間違い、シンプルすぎる発言をどうやって大統領らしく言おうか、と苦慮した経験があれば、「ブッシュの時代が終わってほっとした」と思っている人が多いでしょう。
たとえば、もう古い話になりましたが、サダム・フセイン元大統領を非難する言い方として、
He tried to kill my dad.
訳しようによっては、
「あいつは、うちの父ちゃんを殺そうとした。」
では、戦いを始めようとする大統領らしい感じになりません。
「フセイン大統領は父を殺害しようと企てたのです。」
あるいは、
「父を亡き者にしようと図ったのです。」
でしょうか。
ですが、大統領が変われば放送通訳者の仕事が楽になるとも思えないのです。
今度オバマ大統領になると、シンプルながらも感動的な言葉をどう本人の意を完全に汲んで、伝えていけるのかというところでさらにさらに、チャレンジです。