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韓国語(朝鮮語)の平音(無声)と激音の対立

専門家でもないのにしゃしゃってすいません。

1つ前の記事で、韓国語(朝鮮語)の激音と平音の対立が、
接語句の初頭子音の対立から、初頭音節のピッチ(パターン)に
よって取って代わられつつあるということを書きました。

韓国語(朝鮮語)の子音には、

平音ㅂ (p), ㄷ (t), ㄱ (k), ㅈ (c)、
激音ㅍ (pʰ), ㅌ (tʰ), ㅋ (kʰ), ㅊ (cʰ)、
濃音ㅃ (pp) , ㄸ (tt), ㄲ (kk), ㅉ (cc)

の対立があると言われています。

平音は、環境による音声的なバリアントとして、
接語句の初頭位置では、無声の平音であって、
接語句内の有声音間、具体的には、母音間あるいは
有声鼻音(m, n, ng)、流音(l)と母音の間では有声音で発音され(句中1)、
無声内破音ㅂ (p), ㅅ (t), ㄱ (k)と母音の間には、
平音は出現しません(句中2)。

菅野裕臣(1981、『朝鮮語の入門』(白水社))によると
無声内破音と母音の間では、平音字で書かれる子音
は濃音で発音されます(句中2)。

となると句中1では、平音(有声)、激音、濃音の
3項対立がありますが、句頭とは違って、
プラスのVOTが早いか遅いかで区別される対立は
無いことになります。

他方、句中2では、激音と濃音の対立しかありません。

ということで、プラスのVOTが早いか遅いかで区別される
対立は、句頭にだけ見られ、それがトーンの高い、低いで
区別されるとすると、VOTを区別できるぐらいにはっきりと
発音しわける必要は無くなってきます。

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2022年2月18日 10:19に投稿されたエントリーのページです。

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