11月の終わり、ボローニャから足をのばして、1日だけフィレンツェに行く機会があった。
ボローニャからフィレンツェは列車で35分だ。
この町のシンボルでもあるサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に行く。
ドーム(ドゥオーモ)の上に登ることは叶わなかったが、中でミサに参加することができた。
大聖堂の中とくに天蓋の内側にあたる天井のフレスコ画や、聖堂内部に響きわたるパイプオルガンの荘重な音色が素晴らしかった。
それから観光客がたむろするヴェッキオ橋を渡り、ピッティ宮殿まで歩き、その広場で極上のワインを飲んだ。
後で知ったのだが、すぐそばにドストエフスキーゆかりの家があったらしい。
ドストエフスキーはフィレンツェに2度行っている。最初は1862年で、短期滞在だったが、そのとき 『冬に記す夏の印象』 を書いた。
2度目は、新妻アンナとの4年に及ぶヨーロッパ滞在のうちの1868年から1869年にかけてだ。そのときふたりが住んでいたのが、このピッティ宮殿の近くで、ここで 『白痴』 を完成させたという。
↑
遠くに見えるのがヴェキオ橋