現在、東京外国語大学 1階ロビーにおいて、素敵なポスター展が行われている。
展示されているのは、ポーランドの古都クラクフにある 「日本美術技術博物館」 通称 「マンガ館」 で過去20年間に開催された展覧会のポスターから厳選された40点だ。
「マンガ」というのは、フェリクス・ヤシェンスキ (1861-1929)のニックネーム。彼は日本美術の熱心なコレクターだった。
このマンガ館が設立されたいきさつがすごい!
現代ポーランドを代表する映画監督アンジェイ・ワイダ氏が浮世絵に惹かれ、ヤシェンスキのコレクションを展示する美術館を作りたいと思い立つ。1987年にワイダ監督は「京都賞」を受賞して得た賞金を元手に、美術館設立のための 「京都クラクフ基金」 を作る。日本とポーランド両国の多くの人々、政府、企業が趣旨に賛同して寄付し、1994年ついに美術館の開館に至ったという。建物の設計は磯崎新氏である。
以来、日本に関する展覧会、講座、コンサートなどさまざまな催しが盛んにおこなわれてきた。
約1世紀ほど前のポーランドのジャポニスムが現代に伝えられ、受け継がれている。
マンガ館は、文字通り、ポーランドの日本の文化の懸け橋となっているのである。