東洋書店より 「日露演劇会議叢書」 として 『ブルガーコフ戯曲集』 (全2巻)が2冊同時に刊行された。
『巨匠とマルガリータ』 で有名なミハイル・ブルガーコフの戯曲4編の翻訳集だ。しかも訳者3人はいずれもブルガーコフ研究をしている若手研究者で、各作品に詳しい「解題」が付されている。
詩や戯曲は小説に比べてなかなか翻訳が出せないという出版事情のなか、これは快挙と言うしかない。
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第1巻
『ゾーヤ・ペーリツのアパート』 秋月準也訳
『赤紫の島』 大森雅子訳
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第2巻
『アダムとイヴ』 大森雅子訳
『至福 レイン技師の夢』 佐藤貴之訳
監訳者の村田真一さんによると、「翻訳にあたっては、日本の現役の俳優さんたちの力を借り、熱心に読みあわせを行いながら、上演台本に近い訳文を心がけた」という。戯曲翻訳にとって何よりも難しくしかし大事なところである。これから味わうのが楽しみである。
なお、近く 『週刊 読書人』 に書評を寄せる予定。