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「超個人的ガイド to ロシア(文責:工藤なお)」(6)

★「ペテルブルグ書店案内②」

③「作家の小書店」(Книжная лавка писателей)
住所:Невский пр., 66

HP:http://vk.com/lavkaspbru

この書店の品揃えは並といったところですが、「書店」以外の機能が大変すばらしい。店は4セクションに別れており、入ってすぐのところに文学コーナー、店の中央部にはプレス機が設置してあり、版画・本の印刷を申し込めるそうです(試したことはありませんが、実際に版画を刷っている女性を見かけたことがあります)。最奥部は定期的に企画が変わるギャラリーになっています。この前までは「ロシアのロック」特集で、関連本やグッズを展示販売していました。文学コーナーを突っ切ると「アヴァンギャルド!」な内装になっている人文書コーナー(評論・映画・演劇など)があります。そんなに広くはないですが、ときどきこのスペースで演劇上演などがあります(「ペテルブルグ演劇案内」でご紹介したマルィシツキー小劇場の「自由芸術家工房」劇団も新作『偉人の散文...』をここで上演しました。なんと入場無料!)。狭い空間に30人ほどの観客が集まる熱気は格別のものがあります。
本自体は、高めの価格設定ですこし残念ですが、書籍販売以外の機能に注目すると、大変おもしろいことをやっています。(ちなみに、1月にリフォームをした結果、ショーウィンドウにマレーヴィチのペイントが施されました。こちらも必見です。)


④「ムィ」(Мы)
住所:Невский пр., 20(1階がカフェになっている「Библиотека」という建物の3階)

HP:http://my-bookstore.org

こちらは、品揃え的には前回ご紹介した「パリャーダク・スロフ」や「フセ・スヴァボードヌィ」とほとんど変わりません。スペースもあまり広くはありませんが、ソファが設置してある快適な空間です。この書店が入っている建物は、「マヤコフスキー名称図書館」の入っている「ビブリオチェカБиблиотека」という建物です。ここは、1階にはカフェ、2階にレストラン、3階にレクチャーホールやバー・・・と文化複合施設になっていて、ただ見て回るだけでも十分楽しめるようになっています。比較的アート系の本が充実しているように思います。


⑤古書店
わすれてはいけない存在として、市内に点在する古書店があります。リチェイヌィ大通りや小モルスカヤ通りなどにセンスのいい書店がいくつもあるので、そちらを探索するのも欠かせませんが、なにより圧巻は「ペテルブルグの神田古書会館」とわたしが勝手に呼んでいる『旧クルプスカヤ名称文化センター"本の市(ヤルマルカ)"』(地下鉄エリザーノフスカヤから徒歩15分、HP:http://www.krupaspb.ru)です。ここは、もともとソ連時代に立てられた文化センターですが、現在はその1階と2階部分を無数の小さな書店が占拠しています。小さな小さなセクションごとに、教科書の店・地図の店・言語の店・アニメと漫画の店などがひしめき合い、カオティックですが、非常に東京の古書店街に似た雰囲気と匂いが感じられます。古本の愛好者にはたまらない雰囲気です。土日にはセールが開催されるときもあります。

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2014年3月19日 00:19に投稿されたエントリーのページです。

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