ついに完成! 『クリトゥーラ』 第3号。
表紙はきれいなパステルグリーンだ。
「序文」から1節引こう。
「今回表紙に選んだのは、『天国の鳥』と考えられている『シーリン』のルボーク(木版画)だ。タチヤーナ・トルスタヤの忘れがたい短編 ≪Свидание с птицей≫(鳥と会ったとき)では、主人公の少年が謎めいた美女の家でたまたま開いた本の中にこのシーリンを見つける。『そこにいるのは鳥のようでいて鳥ではなく、女のようでいて女ではないものだった』。少年の想像力の中でシーリンは、病気のおじいちゃんを絞め殺す「死の鳥」として描かれている。さて私たちのシーリンはいったいどんな鳥として現れるだろう。そして私たちをいったいどこへ連れていってくれるだろうか」
目次は以下のとおり。読み応えのある翻訳小特集になった。
【文化の紹介】
ゲンナージイ/アイギ/ハイブリッド/工藤なお
現代ロシアのベストセラー「宗教説話」/長江聡
二葉亭四迷の一生/市川透夫
【翻訳】
リュドミラ・ウリツカヤ「紙の勝利」/合田沙矢加 訳
ファジリ・イスカンデル「少年と戦争」/甲斐まどか 訳
セルゲイ・ルキヤネンコ「自由の味」/豊田宏 訳
ヴィクトリヤ・トーカレワ「日本製の傘」/水谷麻優子 訳
リュドミラ・ペトルシェフスカヤ「幸福な猫たち」/梶山志織
マックス・フライ「クラクフの悪魔」/田中翔子 訳
ワレーリヤ・ナルビコワ「時計」/太田千暁 訳
ボリス・アクーニン「死蜘蛛」(抄訳) /加藤悠・渡辺麻貴 訳
【報告】
メイキング・オブ・文芸フェス/豊田宏
著者および訳者の皆さん、ご苦労様でした。
研究室に受け取りに来てください。