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2014年1月 アーカイブ

2014年1月 2日

新年のご挨拶

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クジマ・ペトロフ=ヴォトキン 「赤い馬の水浴」(1912)


あけましておめでとうございます。
2014年が素晴らしい年になりますように。

絶望してしまった人には回復する力が、
心が萎えてしまった人には癒しが、
飛び出せないでいる人には勇気が、
迷っている人には道しるべが、
愛を求めている人にはときめきが、
そしてすべての人にささやかな幸福が
どうか与えられますように。

2014年1月 9日

『ミセス』 ウリツカヤ特集

女性誌 『ミセス』 が 「世界で発信する女性たち」 というシリーズを連載しており、最新号の2014年2月号でリュドミラ・ウリツカヤを取り上げている。
ちなみに前回は、ナイジェリアの若手女性作家チママンダ・ンゴズィ・アディーチェだった。

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    写真:エレーナ・クラスノワ


記事の大部分は編集サイドがモスクワの自宅にウリツカヤを訪ねインタビューしたもの。
中でも彼女の「子供プロジェクト」が大きく扱われているのが嬉しい。これは、子供たちに異文化への理解を深めてもらおうという目的でウリツカヤが立ち上げたプロジェクトで、1冊1冊テーマと書き手+イラストレーターを彼女自身が選んでいる。例えば、服飾に関する巻は専門家のライーサ・キルサーノワ、宇宙の成り立ちについての巻は作家のアナスタシヤ・ゴステワが文章を書いている。どの本もそれぞれに個性的で美しい。

『ミセス』 の今回の特集では私もウリツカヤの活躍について短いコラムを書かせていただいた。その中の一部を以下に引く。

「史実を背景に家族の年代記を語るという手法において、ウリツカヤはレフ・トルストイの後継者ではないかと私はひそかに考えている。もちろん19世紀の貴族社会と20世紀のソ連社会では家族の有りようからしてまるで異なるし、トルストイの保守的な女性観をウリツカヤが共有しているわけでもない。しかし例えば、3人の幼なじみを中心にスターリン後の知識人群像を描いたウリツカヤの『緑の天幕』(2011)は、3人の男女とその家庭を中心に壮大なドラマを展開させたトルストイの『戦争と平和』の「現代版」と言ってもいいような作品ではなかろうか。
 <......>
ウリツカヤは作品の中で政治的な主張をするような社会派作家ではないが、2012年の選挙に際しては、不正や欺瞞のない社会を求める市民運動を強力に支持した。権威を拒否し人々の精神的支柱となっているその凛とした姿にもまた、トルストイの面影が感じられるような気がしてならない」

2014年1月12日

ピーター・フランクルさん講演会 日時の変更

以前お伝えしたピーター・フランクルさんの講演会が1週間延期になった。
日時・場所を以下のとおり変更する。

「僕が11ヵ国語を話す理由」
日時: 2014年1月31日(金) 17:50-19:10
場所: 東京外国語大学 アゴラグローバル
主催: 総合文化研究所

どうぞお間違えのないように!


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『クリトゥーラ』 第3号編集中

3年ゼミ生を中心にしたロシア文化情報発信誌 『クリトゥーラ』 第3号を編集中。
今回は、ロシア文化を紹介する記事だけでなく、現代ロシアの短編や詩を翻訳してしまおうという大胆不敵な試みに挑戦している。そのため編集作業は前2回よりはるかに大変だが、それだけにやりがいもある。

2月末の刊行を目指している。乞うご期待!
表紙はこちら 「天国の鳥シーリン」。ルボーク第3弾だ。
 ↓
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2014年1月18日

卒論・卒研発表会

卒業論文・卒業研究を提出したゼミ生の発表会をおこなう。
両日とも、時間は16:00-18:00 場所は422総合文化研究所会議室。
ひとり15分のプレゼンテーション+質疑応答5分の予定。
どなたでも自由にいらしてください。
ピンポイントで聴きたいテーマを狙って来るのも可。

2月6日(木)16:00-18:00

太田祥子 「多様性の画家: ニコライ・レーリヒの生涯と作品」
鯉沼なつ希「待機の詩人アフマートワ: 大粛清と悲しみの記憶」
福島里咲子 「低予算から見る現代ロシア映画: 90年代後半を騒がせた映画たち」
五月女颯 「野蛮と勇猛のはざまで: グルジア文学とコーカサス表象」
石崎麻衣 「20世紀ロシアバレエの変遷: 人々の『愛』が支えた国民的芸術」

2月13日(木)16:00-18:00

本間尚 「涯てなきセレナーデ: ミハイル・クズミンの人と作品」
市川愛実 「赤点の国の魔法使い」
内田三早希「フィンランドの国民的叙事詩『カレワラ』: カンテレの美しい音色とともに歌われた英雄たちの物語」
吉田絢音 「ワルワーラ・ブブノワ: アヴァンギャルド画家が日本にのこしたもの」
大場千樹 「 ≪Двойник≫ 試論: 構造化されない空間とこぼれる意識について」
十二紀子 「パステルナーク『空路』をひも解く」


なお、この素敵なポスターは太田祥子さんの作品。
  ↓
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2014年1月25日

日本民話のロシア語プレゼン

2年生のロシア語の授業で「日本の民話をロシア語でプレゼンしよう!」という課題を出した。
グループごとに好きな民話を選び(ロシア人に聞かせるつもりで)ロシア語で作文するというもの。私の心づもりでは「朗読劇」のようなものを想定していたのだが、みんなそれぞれに創意工夫を凝らして、想像をはるかに越える面白いプレゼンテ―ションをしてくれた。


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「3枚のお札」グループ。
紙人形劇。小僧さんや怖ろしいやまんばの絵が素晴らしく上手だったこともさることながら、やまんばが大きくなったり小さくなったり変身するところが一瞬であらわされ、紙人形を用いた効果がおおいに発揮されているのに感心!


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「泣いた赤鬼」グループ。
赤鬼は赤い服、青鬼は青い服と衣裳も考えた寸劇。教室中を舞台に見立てた大胆な演出も斬新だったうえ、全員がセリフを暗記していたのもすごい!


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「雪女」グループ。
「雪女」のアニメに合わせてロシア語でアフレコしてしまおうというアイディアが秀逸!
声優さんたち、セリフも効果音も画像によく合っていましたよ!


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「お岩さん」グループ。
あまりに可愛くて、おどろおどろしさの感じられない明るいお岩さん。でも、みんな熱演でした! 留学生から「どうしてお岩さんは三角形の白い紙をつけたイヤホンしているの?」という質問が出された(笑)。


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「三年寝太郎」グループ。
寝太郎くん、机の上で本当に寝てしまっているのではないかとちょっと心配になったほど。段ボールを大岩に見立てた演出が効果的だった!


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「かぐや姫」グループ。
工夫を凝らした頭飾りが素敵。月に帰っていったかぐや姫が地球のミカドとロシア語SNSで交信してしまうという超現代的ヴァージョン、新鮮でとても面白かった!

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