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ソローキン 12年ぶりの来日

12年ぶりに来日したウラジーミル・ソローキンが、先日、早稲田大学で藤野可織さんと公開対談をおこなった。
かなり広い教室だったが超満員! 『青い脂』に続き、つい最近 『親衛隊士の日』(いずれも河出書房新社)が刊行されたばかりのソローキン、たいへんな人気である。

市川真人氏が司会、訳者の松下隆志氏と早稲田大学の貝澤哉氏も登壇して質問を投げかけた。
充実した2時間だった。

いちばん印象に残ったのは、ソローキンが藤野氏に「詩人は駿馬のようなもので小説家は重い荷物を曳く駄馬のようなもの。脅かすつもりはないけれど、(小説家としてこれからやっていく)あなたは大丈夫?」と尋ねたこと。ソローキンは、詩人が芸術家の中でも最高の「駿馬」であることに何ら疑いを持たないロシア的土壌で育ち、深くロシア文化に根ざしているのだ、ということをあらためて痛感した。何しろ「青い脂」はロシアの作家や詩人たちが創作をするときに得られる物体だし、ソローキンは彼らの文体模写が素晴らしく上手い。ブルガーコフやナボコフについて話すソローキンの口ぶりには敬愛の念さえ感じられる。

会が終わってから、ピンク色の便器に本を入れて藤野氏とツーショット。元モスクワ・コンセプチュアリストにぴったりのパフォーマンスだった。
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2013年10月17日 21:41に投稿されたエントリーのページです。

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