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若手研究者を称える

先日、モスクワで「文化の変容、パースペクティヴの変容」と題する国際会議を開いた。
ロシア、イタリア、ドイツ、日本を結び「文化変容」について考えようという、本学の共同研究グループが主催したもの。実際のオーガナイザーとなったのは、モスクワの国立芸術学研究所に留学している鈴木裕也くんとロシア国立人文大学に留学している佐藤貴之くん(私はふたりに声援を送っていただけ)。

モスクワのイタリア文化会館のご厚意により会場を提供していただく。イタリア・セクションはイタリア語による研究報告、文学セクション、20-30年代セクションおよび日露比較文化セクションはロシア語による研究報告で、合計30本以上の報告があった。

鈴木くんと佐藤くんは、参加者との各種連絡からプログラムの作成・会場や機材の準備・コーヒーブレイクの手配・懇話会と打ち上げの予約まで、ありとあらゆる準備を、痒いところに手が届くように抜かりなくやり遂げてくれた。あらためてここにふたりの労を労い、その手腕を称えたい。
ふたりとも、もちろん研究発表もおこなっている。

佐藤貴之 「ピリニャークの敗北、あるいは革命の終焉:『マホガニー』の改作をめぐる問題」
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鈴木裕也「全体体制下におけるCIAMとソヴィエト建築界の相関性およびモスクワでの国際会議開催(1932-33年)に向けた両者の話し合いが第一回全ソヴィエト建築家同盟大会(1937年)に与えた影響について」
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質疑応答も活発に行われ、思いがけない発見や出会いに満ちた充実した2日間となった。
何よりも大きな成果は、ロシアのさまざまな研究者と交流し「知的ネットワーク」を広げられたことだろう。未来に向けた大きな財産になるに違いない。

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2013年10月 7日 01:54に投稿されたエントリーのページです。

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