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多様な読みの交錯する織物としての文芸フェス

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7月5日の夕刻、3年ゼミ生主催の文芸フェス 「村上春樹は来ないけど(笑)」 が静かな興奮と軽い緊張感のうちに開幕!
パネリストやゲストはもちろんのこと、会場からもいろいろなコメントや質問が出され、予定していた時間を延長するほど盛り上がり、予想以上に楽しく活気ある「場」が現出した。
コーディネーター豊田宏くんの熱意とリーダーシップ、周到さ、気遣い、絶妙の司会に脱帽。


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工藤順くんによる「間テクスト」をめぐる簡にして要を得た格調高いプレゼン。
プログラムに載っている工藤くんの自己紹介が素晴らしいパスティーシュなので(勝手に)引用する。
「...やれやれ。僕は呟き、ゆっくりとシャツを着た。まるで壁に投げつけられた卵が、そっと地面に流れていくように。ジェイのジャズ・バーに着いたのは、30分後のことだった。ジェイはカウンターの奥で、サハラ砂漠に取り残されたトカゲの尻尾のように煙草を吸っていた。「スコッチかい?」ジェイは言い、「オン・ザ・ロックで」と僕は答える。チェット・ベイカーのトランペットはその日の気分によくあった。スツールに腰をかけて僕は『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の最初のページを開いた。...」


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渡辺麻貴さんによるリストの「巡礼の年」と村上春樹の『巡礼の年』についての美しいプレゼン。


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それに、須藤知沙さんの落ち着いた朗読。中国からの研究留学生、睨逸舟さんによる中国での村上の受容紹介。パネリストや参加者によるたくさんの興味深い意見やコメント。フェスを支えてくれたスタッフみんなのチームワーク。


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すべてが相俟って、多様な読みの交錯する織物を紡いでいくかのような驚異の(!)文芸フェスになった(ちょっと大げさ?)。
来場者に書いてもらったアンケートには、「大学に入ってから1番充実した時間だった」という感想があった。ありがとう!
詳しい報告は 『クリトゥーラ』 第3号に掲載される予定。

来てくださったすべての皆さまに感謝します。


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2013年7月 6日 21:10に投稿されたエントリーのページです。

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