まもなく 『文藝年鑑 2013』 が刊行される。
この中で、「ロシア文学―現況と翻訳・研究」を書かせていただいた。昨年のロシア文学の成果や特徴について概観したものだ。
2012年のロシア文学は、政治・戦争・宗教といういずれもシリアスな問題に絡む作品が多かった。
取りあげた小説は以下のとおり。
アンドレイ・ドミートリエフ 『農民とティーンエイジャー』 (ロシア・ブッカー賞)
ボリス・アクーニン 『アリストノミヤ』
アレクサンドル・テーレホフ 『ドイツ人たち』 (国民ベストセラー賞)
ザハール・プリレーピン 『8』
ミハイル・エリザーロフ 『17年分のタバコを吸いに出た』
ダニイル・グラーニン 『私の中尉』 (ボリシャーヤ・クニーガ賞)
チーホン 『聖ならぬ聖者たち』
マイヤ・クチェルスカヤ 『モーチャおばさん』
ヴィクトル・ペレ―ヴィン 『S.N.U.F.F.』
エヴゲーニイ・ポポフ 『アルバイト、大きなカンバス』
アンナ・スタロビネツ 『生命体』(ポルタワ賞)
なお、東京外国語大学の同僚である柳原孝敦さんが「ラテンアメリカ文学―現況と翻訳・研究」を書いている。