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プーシキン美術館展へ行こう!

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ロシアを代表する美術館のひとつ「国立プーシキン美術館」の所蔵するフランス絵画の名品がいま日本に来ている(7月6日から横浜美術館)。
当初2011年に展覧会が開催される予定だったが、この年の東日本大震災と原発事故のため中止されてしまった。その企画が今回「復活」相成ったのはたいへん喜ばしい。

3年ゼミ生の水谷麻優子さんの発案で、8月初旬に課外授業 「プーシキン美術館展へ行こう!」 を行うことになった。プーシキン美術館でアートを堪能してからさらにロシア料理店でロシアの食文化を「研究」する予定。

折しも 『ミセス』 8月号ではプーシキン美術館展の特集を組むということで、私も 「オネーギンとタチヤーナ~フランスとロシアの甘く切ない関係について」 と題するエッセイを書かせていただいた。
プーシキンの韻文小説 『エヴゲーニイ・オネーギン』は、フランス風に洗練された洒落男オネーギン vs. ロシアの伝統を体現する純真なタチヤーナの悲恋の物語だ。その構造はシンメトリックになっている。
最初はタチヤーナがオネーギンに恋をして彼を理解しようとする。これは、ロシア(=タチヤーナ)がフランス(=オネーギン)に憧れフランス文化を追い求めたことに対応する。でも、やがて逆転してオネーギンがタチヤーナに恋い焦がれることになる。これは、19世紀末~20世紀初頭、フランス(=オネーギン)がロシア(=タチヤーナ)の文学やバレエ、音楽、アートなどの素晴らしさを「発見」したことに対応するのではないか。
というような内容のエッセイになった。

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2013年6月22日 12:10に投稿されたエントリーのページです。

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