« 講演 「この気持ち いったい何語だったらつうじるの?」 | メイン | ゼミ企画 文芸フェスを開催 »

「内向き志向」なんてどこ吹く風の留学事情

最近、日本の大学生が留学をしたがらなくなっていると言われる。
たしかに数字の上では、2004年頃から海外の大学へ留学する学生の数は減少しているのだそうだ。世間ではこうした傾向を「内向き志向」などと称し、国際的な人材が育たなくなるのではないかと危惧している。

しかし!
本学にはまったくそのような危惧はない。それどころか逆に、留学希望者は年々増加しており、積極的に留学を学生生活の一部として捉え、さまざまな異文化体験を将来に役立てようと考える主体的な学生が増えている。大学としても留学を支援するために奨学金や単位認定などでいろいろな工夫をしている。
つまり本学の留学実態は世間の「風評」とはかなりギャップがあるのだ。

例えば、ロシア語に限って言えば、本学が交流協定を結び公式に「派遣留学」をしているのは4校。モスクワ大学、ロシア人文大学、ペテルブルグ大学、国際関係大学である。
それぞれの大学に毎年数名ずつ、選抜を経た優秀な学生が1年間派遣される。合計で10名程度ということになるが、今年はこの派遣留学に40名もの応募があった!

選に漏れた学生たちのほとんどが「休学留学」に切り替えて1年間の留学をする予定だ。つまり少なくとも40名ほどの学生(3年生)が2013年秋からの長期留学を準備しているということである。その他、4年生になってから半年~10か月ほど留学するという学生もいるし、春休みや夏休みに短期留学する学生にいたっては1年生から4年生まで数えきれないほどだ。

しかも、これまでモスクワとペテルブルグが中心だった留学先が、ぐんと多様になってきている。最近はウラジオストクにある極東大学の人気が高まっているが、イルクーツク大学に留学した人もいれば、ロシア語が使えるロシア以外の地域としてグルジアのトビリシ大学、ベラルーシのミンスク大学、キルギスのキルギス大学に留学している人もいる。
イギリスのリーズ大学に留学してロシア語の授業に出ていたという人もいれば、モスクワ大学とリーズ大学の両方に半分ずつ滞在してロシア語と英語の両方に磨きをかけてきた人もいる。
1年生の終わる春休みに1か月間「モスクワ・ペテルブルグ2都市2大学留学プログラム」に参加した後、3年生であらためて長期留学をするという人も多く、これは非常に効果的だ。

このように、東京外国語大学の学生たちは留学に大変意欲的である。
留学の成果というのは語学の上達だけにとどまるものではなく、自己管理能力の向上や積極性の獲得などさまざまなプラスの効果をもたらす。一言で言うなら、ひとまわり人間が大きく逞しくなって帰ってくることが多い。


irkutsk.JPG
   ↑
 イルクーツク

About

2013年5月12日 13:35に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「講演 「この気持ち いったい何語だったらつうじるの?」」です。

次の投稿は「ゼミ企画 文芸フェスを開催」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。