『群像』 2013年6月号の随想欄にエッセイを書かせていただいた(近日発売)。
題して「雨の柱廊―イタリアの中のロシア」。
一部紹介させていただく。
「(前略)背の高い円柱が立ちならび幾重にもアーチが連なるなかを歩いていると、一瞬気の遠くなるような遠近法にからめとられそうになる。いつのまにか小雨が降りだし、高い天井にヒールの音がよけい大きく響きわたる。建物の内部でもなく、雨に濡れる外部でもない中間的な場所。いや、雨に包まれた内部でもあり、解放感に富む外部でもある両義的な空間ともいえる。(後略)」
ボローニャの柱廊
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