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コンツェルト公演 『巨匠とマルガリータ』 

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12月23日(日)早稲田大学学生会館で、ロシア語劇団 「Концерт コンツェルト」による芝居 『Мастер и Маргарита 巨匠とマルガリータ』(ミハイル・ブルガーコフ原作)を観てきた。

コンツェルトというのは、かつて私も学生時代に所属していた大学間交流ロシア語劇団である。敬愛する Татьяна Борисовна 野村タチヤーナ先生の呼びかけで1971年に始まり、毎年暮れに公演をおこなってきた。今回は42回目にあたる。
1999年からはベラルーシ出身の演出家ナターリヤ・イワーノワ先生の指導を受けている(イワーノワ先生は本学で教鞭を執ってくださっている)。早稲田と外大の学生がほぼ半々といったところだが、法政や日本女子大の学生も参加しているという。

これまで、古典作品ではドストエフスキー『罪と罰』、ゴーゴリ『検察官』、チェーホフ『三人姉妹』など、現代ロシアの作品ではヴェネジクト・エロフェーエフ『ヴァルプルギスの夜、或いは石像の跫音』などを高い完成度で上演してきた。

しかし今回の『巨匠とマルガリータ』は、どたばた喜劇風の1930年代モスクワと荘厳な古代イエルサレムが交代で現れる大作である。いったいどうやってその対比を表現するのかと思っていた。
出来ばえは期待を越え、早稲田大学院の中村軌久くんの演出はじつに効果的、カーテンを巧みに用いて2つの時空間の移り変わりを示し観客を飽きさせなかった。悪魔ヴォラントを仮面にしてアザゼッロやヘッラらに「集団」でヴォラントのセリフを語らせたのも面白かった。
ヘッラを演じた早稲田の船越めぐみさんの演技は、小説を読んで思い描いていたヘッラにぴったりでカッコよかった!

そして、何と言っても素敵だったのはマルガリータを演じた外大の鎌田紗矢香さん。明るくて可愛らしい普段の鎌田さんは影をひそめ、ひたむきに巨匠を愛する情熱的な「大人の女」マルガリータにしか見えなくなったほど。モスクワに「演劇留学」をした成果がいかんなく発揮された舞台だった。

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2012年12月24日 22:09に投稿されたエントリーのページです。

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