モスクワ国立言語大学の言語教育の専門家たちが東京外国語大学を訪れ、私の3年ゼミの授業で特別セミナーをしてくださった。
イスクラ・コスマルスカヤ先生は外国人に対するステレオタイプについて。
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インガ・グロワ先生は журавль(ツル)という言葉のイメージについて。
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ロシア人が「ツル」という言葉を聞いて連想するのは、空高く飛ぶ自由、勇壮さ、魂、もの悲しさなど。
"Лучше синица в руках, чем журавль в небе"(空にいるツルより手の中のシジュウカラのほうがよい)という諺ではツルは「手に入らない夢のような大物」を意味している。また、作家ミハイル・プリーシヴィン(1873-1954)の「秋と差し向かいで」という作品では、ツルの鳴き声が秋のもの悲しさを象徴しているという。
こうしたロシア語の言葉にまつわる文化学的コノテーションの説明が興味深かった。