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『チャロデイカ』

新装なったボリショイ劇場で、オペラ 『Чародейка チャロデイカ』を観た。

1887年に完成したチャイコフスキー作曲の4幕オペラ。И.В.Шпажинский シパジンスキーという人の戯曲をもとに作られており、一言で言うと、愛と嫉妬の物語である。
舞台は15世紀末のニジニ=ノヴゴロド。
未亡人のナスターシヤ=クーマは、美しさと頭のよさで人を魅了してしまうため「チャロデイカ」=「魔法使い、魅惑する人」と呼ばれている。


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  クーマ=チャロデイカ


彼女をめぐって領主(公爵)とその息子ユーリイが三角関係となり、公爵夫人が嫉妬に狂ってクーマを毒殺し、公爵がユーリイを刺し殺してしまうという激しい展開のドラマだった。
私は、シェイクスピア(生き返らないジュリエットみたいだ)とイワン雷帝(自らの手で息子を殺害した暴君)を合わせたような印象を受け、一緒に観た日本通の友達は歌舞伎の「心中物」を思い出したと言っていた。
民衆のカーニバル的な場面が異教的であると同時に現代的でもあり面白い演出だと思った。
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2012年9月17日 20:11に投稿されたエントリーのページです。

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