モスクワ滞在中。
リュドミラ・ペトルシェフスカヤのコンサート(キャンバレー)に行った。「16トン」という、雰囲気のあるクラブだ。彼女はもちろん作家だが、近年「リリー・マルレーン」などの古い歌や自分で作詞した歌を人前でうたっているというので、なまで聞いてみたいと思っていた。
思いが叶い、楽しいひとときを過ごせた。
上の広告でもわかるとおり、ツバの広い派手な帽子をかぶり、黒いドレスを着たペトルシェフスカヤは、74歳とは思えない声量と驚くほど表情力に富んだ語りを交互に披露して観客を魅了した。茶目っ気もあり、じつに可愛らしい。しっとり聞かせる歌もある。
まさに現代ロシアのシャンソンだ。
この日は、『СНОБ スノッブ』というハイセンスな雑誌が文芸特集号(2012年7-8月号)にペトルシェフスカヤのCD 「Сны о любви 愛についての夢」を付録として添えたのを記念するコンサートでもあったせいか、舞台の「大女優」には次々と花束が贈られた。
コンサートの後、思いきって楽屋を訪れると、はるか昔(15年くらい前か?)ペレジェルキノに会いに行ったときのことをよく覚えていてくれた! 歌唱力のみならず記憶力も尋常ではない。