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「混乱の中に尊厳を」

岩波書店の冊子 『図書』 2012年9月号にエッセイを書かせていただいた。
題して 「混乱の中に尊厳を」。

リュドミラ・ウリツカヤの創作活動と、最近積極的にかかわっている社会活動についてだが、この中で、獄中にいるミハイル・ホドルコフスキーとウリツカヤが書簡を交わしたこと、ふたりの往復書簡が文芸誌 『ズナーミャ』 2009年10月号に掲載され、その年度の「ズナーミャ文学賞」を受賞したことなどに触れた。

ホドルコフスキーは、ロシア最大手の石油会社だった「ユコス」の元社長。2003年に脱税等の容疑で逮捕され服役していたが、2010年に二度目の実刑判決を言い渡された。この判決は政治的な色合いがきわめて濃く、2011年にアムネスティ・インターナショナルはホドルコフスキーを「良心の囚人」と認定している。

獄中のホドルコフスキーとは、ウリツカヤの他に、ボリス・アクーニン、ボリス・ストルガツキーも書簡を交わしている(後者は、ロシアで最も有名なSF作家ストルガツキー兄弟の弟のほうにあたる)。
これらの往復書簡と、"Financial Times" や "The New Times" などのおこなったインタビューにホドルコフスキー自身の書いたものをまとめて1冊にした本がこれだ。
 ↓
Михаил Ходорковский. Статьи. Диалоги. Интервью. М.: Эксмо, 2010.


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2012年8月29日 16:28に投稿されたエントリーのページです。

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