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ロシアのドラえもん

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今年初め、われらが『ドラえもん』のロシア語訳が出た!
Фудзико.Ф.Фудзио. пер.Д.Коваленин. Драэмон. М.: РОСМЭН-ПРЕСС, 2012.

今のところ1巻と2巻だけのようだが、訳したのは村上春樹のロシア語訳者ドミートリイ・コワレーニン。ロシアにおけるハルキ・ブームの火付け役となった人だ。彼が1990年代末にロシア語に訳した『羊をめぐる冒険』は大変な人気を博し、それ以来、ロシアでは村上春樹の小説が次々に訳され、若者を中心によく読まれている。『1Q84』も彼が訳している。

そのコワレーニンが『ドラえもん」を翻訳したというのが面白い。
あるインタビューでコワレーニンは「日本人にとってのドラえもんは、ロシア人にとってのチェブラーシカとカールソンを合わせたようなもの」と紹介している。

カールソンというのは、アストリッド・リンドグレーン(1907-2002)のシリーズ作品『屋根の上のカールソン』の主人公。リンドグレーンは『長くつしたのピッピ』で有名なスウェーデンの児童文学者である。1968年、70年にソ連で『屋根の上のカールソン』がアニメ化され、子供たちの人気をさらった。
エドゥアルド・ウスペンスキーの『ワニのゲーナとお友達』が映画化されたのも1969年だからほぼ同時期。それ以来チェブラーシカはロシアの子供たちに愛されている。

さて、ドラえもんはロシアの子供たちにどのように受け入れられるのだろうか。


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   カールソン

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2012年8月21日 21:44に投稿されたエントリーのページです。

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