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「エルミタージュ」と「ミンスクの台所」

6月13日(水)ゼミの課外授業で「エルミタージュ美術館展」に行く。
16世紀から世紀ごとに特徴を確認しながら文字どおり駆け足で400年に及ぶ絵画の歴史をたどったら、美的表現への人間の欲望の果てしなさに圧倒され眩暈を覚えた。

カタログの中で、国立新美術館主任研究員の本橋弥生さんがアンリ・マティスとロシアの関係について論じているのが面白かった。
1911年マティスは、ロシアの美術コレクターだった大富豪セルゲイ・シチューキン(1854-1936)に招かれてロシアを訪れているのだ。そしてイコンを「プリミティヴな芸術」として賞賛したという。当時ラリオーノフやゴンチャロワらが「ネオプリミティヴィズム」を推し進めたのはマティスの影響だったのではないかというのが本橋さんの説である。
たしかにゴンチャロワは、「西」を追求していったら「東」にたどり着いたという逆説的な言い方をしているが、彼女が通過した「西」にはマティスも含まれていたに違いない。

国立新美術館を出て東京ミッドタウンをやり過ごし飯倉のほうに向かい、ロシア&ベラルーシ料理店「ミンスクの台所」に到着。ランチで賑わっていた。ここはいつ食べに来ても美味しくて満足できる。


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手前のお皿に見えているのは гречневая каша (ソバの実のカーシャ)。肉の付け合せに最高だ。「本日のスープ」は расссольник (ラッソーリニク)だった。рассол (キュウリ等を塩漬けにするときの漬け汁)で作るスープである。大きなジャガイモや肉がごろごろ入っていてダイナミック!

このゼミでは秋にロシア音楽のサロンコンサートを開く予定で、プログラムを練り始めている。乞うご期待。

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2012年6月13日 21:20に投稿されたエントリーのページです。

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