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『女が嘘をつくとき』

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前宣伝になってしまうが、素敵な表紙が決まったので紹介させていただく。
5月31日刊行予定 リュドミラ・ウリツカヤ 『女が嘘をつくとき』 沼野恭子訳(新潮クレストブックス、2012年)。
6つの短編による連作集なので一見まとまりのない印象を受けるかもしれないが、気鋭の評論家レフ・ダニルキンに言わせると、「すべてが自然に流れている。まるでどこか離れたオーケストラ・ボックスに調和のとれた音楽ユニットが配されていて、伴奏しながら同時にリズムと気分と音響効果を醸しだしているかのよう」だという。まさにそのとおり! 
6編はほぼ時系列に沿って語られ、ジェーニャという知的で律義でちょっとシニカルなところのある魅力的な女性の人生をたどる形になっている。

単行本の翻訳を出すのは久しぶりで、レオニード・ツィプキン 『バーデン・バーデンの夏』(新潮クレストブックス、2008年)以来である。
ツィプキン以後は、ときどき雑誌『新潮』に短編を掲載してきた。一覧にしておこう。

マリーナ・ヴィシネヴェツカヤ「庭の経験」 (『新潮』 2008年12月号)
ニーナ・サドゥール「空のかなたの坊や」 (『新潮』 2009年6月号)
オリガ・スラヴニコワ「超特急『ロシアの弾丸』」 (『新潮』 2009年12月号)
エヴゲーニイ・グリシコヴェツ「刺青」 (『新潮』 2010年4月号)
ミハイル・シーシキン「バックベルトの付いたコート」 (『新潮』 2011年5月号)

それにしても、なんてのんびりしたペース......。

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2012年5月21日 17:07に投稿されたエントリーのページです。

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