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特集「はじまりの酒」

その昔、人は身近にある果物や穀物で酒造りをはじめた。ブドウ、バナナ、蜂蜜、米、麦、サトウキビ、トウモロコシ。
何世紀もの間、昔ながらの方法で丹念に作られてきた酒――それを「はじまりの酒」と呼ぶなら、「はじまりの酒」はいったいいつ、どこで、どのように作られ、どのように飲まれ、社会の中でどのような機能を果してきたのだろうか。
「はじまりの酒」は太古への郷愁を漂わせているだけではない。急速に進むグローバリゼーションへのアンチテーゼでもあり得る。


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味の素 食の文化センターが発行している食文化季刊誌『ヴェスタ』第85号で「はじまりの酒」の特集を組んだ。内容は以下のとおり。

☆伝統的酒造法の類型と分布(石毛直道)
☆蜜酒は髪をつたわって流れてしまい――ロシア文化における蜜酒と馬乳酒(沼野恭子)
☆ブラジルの国民酒カシャサとインディオの口嚼酒カウインの製造法(田所清克)
☆アフリカの森の酒カシキシの魅力(山極寿一)
☆ワインのふるさとから(児島康博・児島メデア)
☆マルコポーロが飲んだヤシ酒(濱屋悦次)
☆今日も飲まれている「はじまりのビール」(田村功)
☆四杯のマッコリ――韓国の濁酒の味わい方(太田心平)
☆酒造り集団「杜氏」(小泉武夫)
☆本格焼酎の楽しみ(江口まゆみ)
☆海を渡った「はじまりの酒」――アメリカにおける日本酒の今(鈴木基子)

世界にはこんなにいろいろな酒があり、こんなに愛されているのである!
ゆでたマンディオカを容器に吐き出し唾液のアミラーゼ酵素で発酵させるインディオの口嚼酒(くちがみしゅ)「カウイン」。熟れたバナナを発酵させてつくるアフリカのバナナ酒「カシキシ」。麦汁を野生酵母で自然発酵させるベルギーのビール「ランビック」。
どれも飲んでみたい。

ご寄稿いただきました皆様、ありがとうございました。

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2012年1月10日 16:46に投稿されたエントリーのページです。

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