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『ロシア NOW』

2011年6月より、ほぼ1ヵ月に1度のペースで、『読売新聞』の朝刊に 『ロシア NOW』という4ページの新聞が折り込まれるようになった。
これは創刊号。
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2007年から『Российская газета(ロシア新聞)』社が世界各国の新聞社の販売網を利用して新聞体裁の刊行物を配布しているが、今回は読売新聞と提携して「日本版」を始めたのだという。日本を含め、すでにアメリカ、イギリス、インド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ブラジル、アルゼンチンなど14か国、9言語のバージョンで発行している。
ロシアに関する情報を提供し、文化交流・経済交流に貢献するというのが目的だそうだ。

ロシア政府がスポンサーだが、編集方針は、ロシアの新聞の単なる「ダイジェスト」ではなくそれぞれの国に合わせた内容にしているという。
たしかに最新号(第5号)を見ると、モスクワの科学技術博物館の増改築コンペで日本人建築家・石上純也氏が優勝したことや、モスクワで寿司職人コンテストが開かれたことなど日本関係の出来事が紹介され、「今月の本」という欄では、ロシア文学者・中村健之介氏の著書『ドストエフスキー人物事典』(講談社学術文庫、2011年)が取り上げられている。
第4号では現代ロシア文学のかなり詳しい紹介記事があり、評論家パーヴェル・バシンスキーのコメントも掲載されていて、質の高さを感じた。

日本のマスメディアは、残念ながらロシア関連の情報が非常に少ない。『ロシア NOW』が「報道の自由」を重んじ、ロシアの政治・経済・社会・文化・生活の現状について「偏らない情報」を提供していくなら、この折り込み新聞は画期的な意味を持つことになるだろう。

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2011年11月18日 18:04に投稿されたエントリーのページです。

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